【5月16日(月)】グーグルに入れると本気で信じてたあの頃みたいにもっと思いっきり怒ったりしたい《今日の編集部日記》
おはようございます!編集部川代です。
この前同じ年の大学の友達と飲んでたんですが、ふと、「私たち大人になったよなぁ」という言葉が出てきました。いや、まだ自分は20代前半で、世の中の色んな大人たちに比べればまだまだ子供みたいなものなのですが、彼女の顔を見てたら、なんだかそう言いたくなったんです。
彼女とは大学一年のはじめからずっと仲良くて、働き始めた今でも定期的に飲みに行く仲なのですが、最初はそれこそ、すごく尖っていたというか、まぁ自分が特別な存在だと思い込んで、偉そうに社会批判とか大人批判とかしてたんですよね。
「大人になったってどういうこと?」
彼女はあまりピンときてないようでした。
「大人になったっていうか……丸くなったっていうか」
「なるほど」
「なんか、高校とか大学一年の頃って、まだ社会のこと何も知らなくて、就活があんなにキツイものだとも知らなくて、酔っ払うサラリーマンとか見て『ああいう大人にはならない』って思ってたし」
「あー、たしかにね。前って週刊誌のゴシップとか読んでる大人見ると、『そんなの読んでる暇あったら自分を成長させることに使えば?』とか思ってたけど、今はえっ!? 俳優の誰々と誰々付き合ってんの!? って気になっちゃうもん」
「たしかに」
私は彼女の開けっぴろげに自分のことを話すところがすごく好きで、それはもう6年目の付き合いになるからそういう取り繕ったりいいヤツぶったりしないわけで、だからこそこの仲が続いてるんだろうと思うのですが。
ただ、一年の頃とは変わったなぁと、もっと本当に、無知だからこそ言えたことがたくさんあるんだろうなあと思ってしまったんです。
「なんかさ、一年の頃って本当に何も知らなくて、知らないからこそいくらでも夢を語ることができて」
彼女にだからこそ、本音を話したいと思いました。
「それこそ努力さえすれば何でもできるって思ってたし、グーグルにだって入れるって本気で思ってたし」
「ああ、たしかに」
「自分は素晴らしい人間だって思ってた。考え方も大人で、頭が良くて、なんでもできるみたいな」
「私も思ってたかも」
「なんか、あの頃って本当何も知らなくて、未熟で、傲慢だったなって思うんだけど」
「うん」
「今はそれに比べたら、汚い自分も直視できるようになったし、寛容になったとも思う」
嘘を吐く人。自分を守ることばかり考えている人。いつも愚痴ばっかり言っている人。他人に厳しくて自分に甘い人。
そういう「ダメな」人間とされる人たちを見ても、腹を立てなくなった。
なぜなら自分にもそういう部分があるって理解できるようになったからだ。人をバッシングする資格なんてないって、気がついてしまったからだ。
でも。
「なんかさあ、あのときほど、純粋に自分の思ってることを語れなくなっちゃったんだよね」
彼女が、ハッとした顔をしました。
「『私はこう!』とか、『私はこれが好き』『これが嫌い』とか、あんまり思わなくなってきて」
「わかる、わかるわかるわかる!」
彼女がブンブンと首を縦に振りました。
「私もさ、昔とか簡単なことでカーって怒りまくってたけど、もう今はそんな思いっきり怒ることなんかないもん」
「たしかに、私も」
そして彼女は、寂しそうに言いました。
「なんか、もっと怒ったりしたいな、ちゃんと」
怒ったりしたい。
思いっきり感動したり、ムカついた時は本気で怒ったり、泣いたり、笑ったりしたい。
でも大人になるっていうことは、社会で働くっていうことは、そういう感情にいちいち振り回されてたらきりがないように見える。だから自然と、簡単に怒ったり泣いたりしなくなる。
寂しいな、と思いました。純粋に。
大人になるということが、そういう純粋な思いと離ればなれになるということなら、どんなに寂しいことだろう。
私はいつまでも、純粋に「私はこれが好き」「これが嫌い」と言い続けられるようでいたい。でも、あの頃みたいに無知なくせに偉そうに語るのもカッコ悪いっていうのも、わかっていて。
なんだろう。
大人になるって何なんだろう。
ただ、その時期それぞれの感情があって、考え方があって。
こうして「大人って何」と悩んでいられるのも、今のうちかと思うと、今この瞬間に思っていることを忘れないように、ここにメモしておこうと思ったのでした。
いやあ、なんか感傷的になっちゃいましたが、あれですね。
悩めるって素敵なことですね。
というわけで、今日も1日、がんばりましょう。
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