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天狼院プロフェッショナル

【トイアンナ氏特別寄稿】女性を傷つける男を徹底解剖 加害男子の実態を探る《天狼院プロフェッショナル》


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[ モデル 茜さや

本稿は『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』(光文社新書、トイアンナ著) の中から一部を改変・抜粋したものです。

 

なぜこの世には、わざわざ女性を傷つける男性がいるのでしょうか。本コラムでは加害男子の実態を探ります。

 

■女性を傷つける男性は2種類いる


女性を傷つける男性は、大きく2つのタイプに分かれています。

② 女性を積極的に傷つける「加害男子」
②女性へ自分勝手なイメージを押し付け傷つけてしまう「妄想男子」

女性を積極的に傷つける「加害男子」とは、経験人数獲得のために女性をポイ捨てする、同時に何人もの女性を本命扱いして全員を振り回す、世間体の名の下に女性を傷つけるなど、自分のために女性を「消費」するタイプです。

一方、「妄想男子」とは、自分本位の偏った女性像を押し付け、女性はクズだと切り捨てたり、女性を避けたりして逆に傷つけるタイプのことです。

二者の共通点は、誰も望まないのに女性を傷つける行動を取ってしまい、男性自身も苦しんでいるという点です。

著書『恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか?』では恋愛障害に苦しむ男性へインタビューを重ねました。彼らは「自分が傷つきたくないあまり、女性を傷つけている。気づいたらこうなってしまった。どうすれば抜け出せるかもわからない」と、女性以上に苦しんでいることもあります。

また、彼らの寂しさは「暴力を振るう」「ナンパで女性を食い物にする」といった女性を傷つける形で表出してしまいます。女性はおろか男友達も擁護してくれないため、一人苦しむ傾向にあります。

 

■女性をもてあそびポイ捨てする男


「女性をもてあそぶ男たち」はよく、恋をしたての女性や婚約中の女性は口説きやすいと言います。心が揺れ動いている時期に慰みを与えることで、すぐ信用してもらえるからです。世の中にはこういう女性を狙って一晩だけもてあそび、その後ポイ捨てする「女性をもてあそぶ男」の典型となる男性がいます。

実際にそういう遊び方をしているある男性は、「27歳の女は理想的」だと言っていました。理由は三十路を前に結婚を控えている婚約中の女性が多いとのこと。

「こういう年ごろの子には、時間をかけて悩みを聞いてあげるフェーズが必要で、即狙い(出会ったその日に体の関係を持つこと。ナンパ用語のひとつ)はしない」と語り、逆にクラブにいる20代前半のような「ワンナイトチャンスが想定できる子」の場合は即狙いをするようです。

彼は街コン、異業種交流会、相席居酒屋など、20代女性へ話しかけても確実にシカトされない場所へ出向きます。そこで「初めて来たような、場慣れしていない女性」を狙って声をかけます。こういった場所へ初めて来る女性はナンパ耐性がなく、日常に変化を求めている可能性が高いからです。

彼は仕事や普段の生活の愚痴を通じて彼氏の話を引っ張り出し、婚約中、もしくは別れてすぐの女性と見るや、「彼は素晴らしい人だよね」「そういう男性、僕も同性として尊敬する」と相手を褒めることで信頼を得ます。

さらに「もし俺と先に出会ってたら、彼氏と俺、どっちを選んだの?」「何かあったら、全部俺のせいってことでいいから」「結婚してから関係は持てなくなるんだから、今がチャンスじゃない?」と誘っていきます。

女性目線に立つと、そうして声をかけてくる男性も普通の「次の彼氏候補」に見えているのですが、男性から見れば、「カモがネギ背負ってやって来た」状態。数回の肉体関係を経た後、誠実な付き合いを求める手前の段階で連絡が途切れるでしょう。

こういう男性に対し、健全な女性は、怪しい出会いそのものを拒否します。「街コン? 異業種交流会? なんか危なそう……」という防御センサーがまず働くでしょう。
仮に会へ参加するとなっても、信頼できる友人を連れて行くはずです。健全な恋愛ができる女性は、「言い寄られる前のバリア」を用意することで、怪しい男性の声かけそのものを遮断してしまうのです。

 

■セフレ「しか」いない牧場経営者の心理とは


複数の女性をセフレにしておきながら、本命彼女を作らない男性がいます。「女性から愛されたいし、セックスもしたい。けど責任は取りたくない」という人です。ライターのぱぷりこ氏はこういう男性を「牧場経営者」と名付けました。

彼が「牧場経営者」だと発覚するのは女性から「私とあなたって、付き合ってるのかな」という愚痴が漏れた時です。

牧場経営者はとにかく連絡がマメです。女性がSNSで「何か疲れちゃった」「私、もう無理かも」と呟いたら、五分以内には電話をかけてくれます。なんなら片道一時間もかけて会いに来てくれます。本命彼女じゃなかったら、そこまでしないだろうというところへ、驚異的なマメさで踏み込んでくるため、「彼と私はきっと付き合ってる」と女性が思い込んでしまうのです。

しかし実際に告白されることはありません。

不安に思った女性が、「私たち、付き合ってるよね?」と確認すると、いきなりメッセージを既読スルー。待てど暮らせど返事がなく、女性がもう付き合ってないものと諦めようとした二週間後、突然連絡が来ます。

「最近寒いから、風邪引いてないかなと思って。今から温かいもの食べに行かない?」

女性は思いやりのある発言を受け、「自分は彼女なのか問題」を水に流します。こうしてグレーな関係へ複数の女性を巻き込み、結局誰も本命にしない牧場経営者が誕生するのです。

牧場経営ができる男性は、自分がそこそこモテると思っています。いつか結婚はしたいけれど、する相手は選べるという心理状態にあり、それまでは誰とも責任を取らないでいたいと考えます。

該当する方の恋愛歴を聞いてみると、「狙った女性を落とせなかったことがない」と言うのが共通項です。恋愛がうまくいきすぎる経験も、時として「愛情パターン」の歪みを形成することがあるのです。

こういった男性は、結婚後も他の女性との浮気をやめられず、訴訟という最大の修羅場を経験するか、結婚詐欺などで刑事告訴されるため、恋愛障害の中でも代償が大きくなりがちです。

こういう男性に出会っても、恋愛障害に陥っていない女性は「付き合ってくれないなら、関係は持たない」ときっぱり宣言します。

さらに付き合ってからも、親に会わせ、共通の友人に彼の恋愛観を聞いてもらうなど牧場経営者が最も嫌いそうなことをします。万が一騙されて「本命彼女」だと信じてしまっても、すぐに気づいて連絡を絶つことができるのです。 (トイアンナ)

 

■筆者紹介
トイアンナ:ライター・性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事。慶應義塾大学法学部卒業後、外資系企業にてマーケティングを約四年間担当。業務や独自の活動で「キャリア」「不倫女子」「風俗嬢」などをテーマに500名以上からヒアリングを重ねる。現在「ありのままの自分を愛する自尊心の育て方」をテーマにさまざまな媒体で執筆中。

■天狼院よりお知らせ

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トイアンナ:ライター・性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事。慶應義塾大学法学部卒業後、外資系企業にてマーケティングを約四年間担当。業務や独自の活動で「キャリア」「不倫女子」「風俗嬢」などをテーマに500名以上からヒアリングを重ねる。現在「ありのままの自分を愛する自尊心の育て方」をテーマにさまざまな媒体で執筆中。

 

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図1

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