【女子校、男子校共通あるある】一番遠いようで、誰よりも近い私たちについて。《スタッフ山中のつぶやき》
面と向かってこう言われて少々戸惑った。大切な何か? え、何それ、貴重品?宝物?
バックをごそごそと手探りに探ってみる。うん。財布もあるし、手帳もケータイも入ってる。
「この6年間ってやっぱり重要だったと思うんだよ」
6年間?いやいや、あなたと私が出会ってからそんなに経ってないよ?
「やっぱり、俺たち似てるとこはあるよね。同じ匂いがする」
あれあれ、なんだ。いやいや、どーした。
彼とは付き合っているわけでもなんでもない。ただの男友達だ。恋愛関係にはなりえないし、それはお互いに分かっているはず。
なのに今、現状、畳み掛けるようにこんなことを言われている。
あれあれ、もしかして、これって、恋の嵐のヨ・カ・ン……?
いやいやいやいや、やっぱり、どう考えても絶対に違う。
ごめんなさい。ありえない。
もう、白状してしまおう。これは決して私が口説かれた場面ではない。
趣味も、性格も、全くもって似ている点がない私たち。
でもそんな、私と彼とは唯一、共通している部分があった。
「何か大切なものと失っていて」
「重要な6年間があって」
「どこか似ている」
そんな彼との共通点。
それは長い間、同性の中で生活してきたということだ。
そう、彼は中学高校と男子校で過ごしてきた男子校出身者で、私は同じ時を女子校で過ごした女子校出身。
男子校、女子校出身者である方は言わんとしていることをなんとなくわかってくれるのではないかと思う。
私たちはどこか似ているのだ。
中学高校と一貫して同性の中で過ごすということはつまり、12歳から18歳という大切な6年間を異性のいない環境で生きてきたということ。
何かしらの影響がない方がおかしい。
私自身、卒業してからずいぶんと経った今でも
「あ、この人女子校出身者だ」「きっとこの人、男子校出身だったんだろうなぁ」となんとなくわかってしまうこともしばしばある。
匂いでわかるのか、もはやそいいう特殊な感性が研ぎ澄まされてしまうのか。
やっぱりどこか似ている。うまくは言えないけれど共学の人とは何かが、何かが違うのだ。
それは、彼の言うように 大切なもの失ってしまったから なのだろうか。
では、その 失ってしまった大切なもの とは一体なんなのだろうか。
男子校あるある、女子校あるあるはそれぞれにある。しかし、男女別の環境で青春時代を過ごしてきた私たちにも意外に共通する部分が多い!
6年間同性の中で過ごすことは私達にどんな影響を与えたのだろう。
そしてどことなく感じるこの仲間感はどっからきているのだろう。
そこで今回は男子校男子、女子校女子の共通あるあるを探してみることにしました! (*これはあくまで私と友達との個人的な見解です)
共通あるある①本っ当にいろんな人がいる
そりゃあ世の中にはいろんな人がいるよ!という話ですが、男子校、女子校には本っ当に色々な男子がいるし女子がいます。
同性のみという限られた社会の中で、世にいる全ての役割を網羅しなければばらならなかった私たちは、男子ではあるけれど、女子ではあるけれど一つのコミュニティに色々なタイプが混在する必要があったのです。
例えば、ここに体育で使う重い備品があったとします。世間一般では普通男性が指揮をとって準備する役回りとなることが多いでしょう。
しかし、当たり前ながら女子校に男子はいません。そこで登場するのが「男子系女子」文句も言わず、ヒョイと重い荷物を持ち上げて、サクサクと準備をしてしまうというのが当たり前でした。これは運動部などで活躍している体育会系の女の子が多く、周りの女子からはかっこいい!と一目置かれている存在。バレンタインでは後輩から人一倍チョコをもらっちゃうタイプ。
一方男子校ではどうでしょう。例えば、文化祭などで出し物をするとき、全員でいくらか出し合って買い出しをしなくてはいけない時があるとします。
普通であれば、しっかり者の女の子が取りまとめて指揮を取っていく気がします。しかし、やっぱり男子校にそんな女の子はいません。
そこで登場するのが「オカン男子」。
一人いくらずつねー! と、まるで母親のように立ちまわるそんな気の回る男の子。大学生ともなれば、飲み会の時にしっかり飲み代を徴収する役割となることでしょう。
共通あるある②え、この組み合わせ? 意外な人同士が仲良し
いわゆる「スクールカースト」は女子校、男子校ともにあったのか。
ーはい。確かにそれはあったように思います。
クラスの中には、常に彼氏ができるような子もいれば、一方でとにかくインドア派でいわゆるオタク系の子もいました。
意識は特にしていませんでしたが、それをカーストに当てはめようと思えば当てはめることができるでしょう。
これは、共学も女子校も男子校も変わらない。しかし、共学と違うところはそこに壁がほぼ存在しない! ということです。
一つのクラスに雑誌の読者モデルとして紙面を飾っちゃう子がいたかと思えば、漫画を隅で読みふけっている子がいる。
でもその二人が実はものすごい仲良しだったりするのです。一緒に行動するグループは存在していましたが、私の学校ではそんなグループの壁も、カーストの壁も飛び越えて、何か一つでも共通点があれば仲良しになってしまうなんてことがありました。
6年間も同じ場所で過ごしているうちに、もう、みんな友達! と思うようになってしまうのかも。
「自分とは全く違うタイプの同性=相容れない」とはっきり線を引くのではなく、ゆる〜く線引きがされていたように思います。
みんないいところもあれば悪いところもある。6年間共に過ごしていく中で、いいところを部分的に肯定するようになったのかもしれません。女子校出身者、男子校出身者の人は大学に入った後で「今あのこと初めて会ったとしたら友達になれてないだろうな」と思う人が何人かいるのでは?
共通あるある③競争はするけど、戦いはしない
女子校、男子校で一番良かったことってなんだろう? と考えた時、一番に浮かぶのが「恋愛のゴタゴタがなくて良かった!」ということです。
恋愛って、あれですよね、人を豹変させますよね。
女子校出身者同士で恋話をしていると、度々こんな場面に出くわします。
「実は今ね、好きな人がいるんだ」
「えー! そうなの! どんな人? うまくいきそうなの?」
「うーん。でも実はライバルがいて……」
「それって、もしかして共学出身者?」
はい、このくだり。
私たち女子校出身者は恋愛において、そのライバルが共学出身者か、女子校出身者か私たちはどうにも気にかかってしまうのです。
それは「恋愛」が一番共学と女子校を分けるネックとなるから。中学高校と同性の中で過ごしてきた私たちは、同性に対して敵対意識を持つことはほぼありません。危害を加えられることもなければ、加えることもない。みんな仲間だ!という意識が根底にあります。
でもそれは「恋愛のゴタゴタが存在しなかったから」。
今まで勉強や、スポーツなどでしか競い合うことのなかった私たちは、競争に離れているけれど、戦いにはいかんせん不慣れなのです。
恋愛はライバルとなればターゲットを奪い合う敵となります。この戦いがない女子校、男子校はこの「恋愛面」において実は共学出身者を恐れているのかも。
共通あるある④とにかく自由
これは、校則がゆるくて、服装や過ごし方が自由だった! というわけでは決してありません。
私の学校は、もちろんスカートは膝下規定。髪留めの色も規定されていたし、シャンプーを変えて、髪がまっすぐになった子に対して「ストレートパーマをかけた」という疑いがかけられ、七者面談が開かれる事態もありました。
男子校も同様、何かあったら坊主にするなど、校則が厳しかったところが多い。
でも、その一方で私たちはとにかく自由だったのです。
それは「異性がいない」=「異性の目を意識しない」からこその自由。
女子校の例をあげてしまえば、雨が降ろうものなら、クーラーの前でスカートを乾かしたり、体操着で1日過ごしたり。男子校の話を聞けば、事あるごとに上着を脱いだり、とにかくくだらないに全力でやってみたり。と、思い出せば出すほど、話を聞けば聞くほどに色々なエピソードが飛び出してきます。
同性しかいないからこそ、学校内では周りの目を気にせず、何事にもとにかく全力で楽しめたのかも。うん。やりすぎなくらいに、今思えばすごかった(笑)。
こうあげてみると、やっぱり似ているのかも。
女子校出身者と男子校出身者。やっぱりどこかシンパシーを感じてしまうところがある。
青春時代を特殊な環境で過ごした私たちは、何か大切なものを失っている?
でもその一方で、だからこそ得たものもたくさんあるはず。
女子校女子と男子校男子。私たちは一番遠い存在のようで、実は一番近い存在なのかもしれません。
だからこそ、彼は私の大切な大切な友達で、どう転んでも、それ以上でも以下でもないのです。
いやー、本当にごめんなさい。
*
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