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私がディズニーランドへ行っても乗り物に乗らない理由


記事:菊池留美(ライティングラボ)


友人が言った。

「私たちのディズニーランドで過ごす計画のメールが、まるで
暗号だってウチの旦那さんが言うのよ。」

それは、こんな感じである。

「当日の開園時間は8:00amから22:00pm
でも大人だからのんびり集合は9:30amくらいで。
まずは、ショー座席の抽選。それからグリーティングへ。
でもワンマンがあるから、じっくりみないで横目でみながら
初回のワンマンへ向かい、(ワンマンの抽選があたったら、リスケ。)
終わったら昼食。
昼食後ハピネスのスタンバイ。
ハピネス後は、ミニミニかスーパードゥーパーを
はさみつつ、お土産を見て歩いたり、
限定のスイーツを食べ歩き。でも混雑しそうなので早めに夕食。
一度目のワンスアポンは、状況を見て。
夕食後は、エレパレ⇒花火⇒ワンスアポン
という具合でいかがでしょうか?」

近頃では、友人とディズニーリゾートへ出かけても、
ほとんど乗り物に乗ることがない。
スペースマウンテンなどは、おそらく5年以上
乗っていない。
ディズニーリゾートへ出かけていないわけではない。
むしろ、普通の人よりやや多めに出かけている。
では、現地でいったい何をしているのか…というと
もっぱら人間を見ているのである。
ディズニーリゾートへあまりに頻繁に通っているうちに、
ショーやパレードに出ている人を覚えてしまった。
友人は、あるショーにでてくるダンサーさんのファンである。
私のお気に入りは、トロンボーンを吹いている人である。

ショーや、パレードばかりではない。
お掃除をしているキャストさんが
ごそごそしていたら、見逃してはいけない。
地面に、箒と水で絵を描いている時がある。
キャラクターの絵が、あっという間に描きあがる。
気づいた子供が、なんの絵を描いているのか
期待に満ちたキラキラした目で箒の先を
見つめているのを見ると、ああ、ここは
毎日がお祭りみたいな場所だな…と思う。

「キャスト」という呼び名が示す通り、
そこにいるのは、お客さんをもてなす、お客さんを喜ばせる「役」の人達だ。
人間だから、毎回、違う。
だから何度行っても飽きることがない。

あるとき、私はシーの園内で、ミラーレスカメラの
レンズキャップを紛失してしまった。
人気のダッフィがグリーティングに出てきていたので
慌てて写真を撮りに近づいているときにポケットから
落ちたらしい。

気づいて自分が通ったと思われる場所をウロウロと探してみたが
どこにも見当たらない。
カメラは、ボディ5年、レンズ20年と言われるように、
レンズが高価だ。
レンズキャップがないと、カメラを収納する時に
レンズが傷ついてしまうかもしれない。
遺失物センターへ行った。
もちろん、届いていない。
考えてみてほしい。
あの広い園内、直径4cmくらい、わずか5ミリほどの厚さの
小さな丸いプラスチック製のふたを
探し出せるだろうか?

遺失物センターの係りの人は、テキパキと詳しく色や、仕様や、メーカーを確認し、
私の連絡先を確認したのち、
「見つかりましたら、ご連絡するか、
こちらの住所にお届けします」
と言ってくれた。
でも私はまず無理だろなと諦めていた。

ところが、である。
三日後に自宅に届いたのである。
「お客様のお品物が当遺失物センターに届きましたので
さっそくお送りさせていただきます」
封筒には、お便りと一緒に4センチのプラスチックの蓋が
入っていた。
まさしく、私のレンズキャップ。
逆にびっくりした。
あの多い入場者数で、しかも冬場だから、
手袋、帽子や、その他いろいろなものを
紛失した人も多かったはずだ。
それをあの広い園内で、小さな
プラスチックの蓋を探し出す力。
そしてそれを迅速に処理する能力。何人の手を経て
私のレンズキャップは手元に戻ったのだろうか?

ディズニーリゾートが楽しいのは
大金を投入して作った「箱モノ」が
すばらしいからではない。

その箱モノを生み出した人間の
イマジネーション、それを作り上げた実行力、
そして作り上げたシステムを確実に運営していく
マネジメント力と、そこにかかわる人間の夢が合わさって
「夢と魔法の王国」ができている。

ディズニーの魔法の王国で楽しい思い出を作った子供たちが
長じてまた、新しい子供たちに夢を見せる「キャスト」や
出演者になる。夢と魔法の王国の連鎖は続いていく。

私が、ディズニーリゾートで消費しているのは、モノではない。
そこにあるのは、「出会いと発見と感動」なのである。
***

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