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「いい学校を選ぶといい人生がひらける」


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記事:隅倉 文子(スピードライティングゼミ)
 
 
「うわー。すごい成績。いける高校あるん?」
中学校の3者面談での会話だ。
3年間、同じセリフを言っていたと思う。
 
双子の息子の長男は、小学校までは、なんとか、中くらいの成績だったが、中学にはいると、
全くついていけず、下から数えて、何番めという成績だったと思う。
 
中学に入ってすぐ、双子の次男が、不登校になった。
そのため、私は、次男にかかわることが、多くなった。なので、長男のことが手薄になった。
塾へ行ったりしたのだが、長続きは、しなかった。
「勉強しなさい」と何度が、言ったことがあるだが、どうしても、学校へ無遅刻、無欠席に行っているので、甘くなってしまう。
 
次男に
「そんなに、学校へいけることが、えらいのか」
と言われたこともあったが、
「学校へ行くことが、えらい」
と返したこともある。
なぜなら、中学校の学校行事にいくと、必ず長男は、いるのである。小学校まで、2人一緒に参加していた行事が、今は、長男一人である。すごく残念な気持ちになった。
だから、長男には、甘かった。
 
それが、本人のためにならないことは、誰が見てもわかるだろう。
 
中学3年になって、進路を考えないといけない時期が、やってきた。
 
普通科へ行って、高校の3年間を過ごしても、この子のためにならない。
専門学科の高校へ行って、専門知識を勉強するほうが、いいのではないかと思った。
 
そこで、農業系の高校があることを知った。
オープンキャンパスに夫と息子と私の3人で行った。
 
京都市内から、JRで20分。そこからバスで1時間のところに学校は、ある。
 
豊かな田園風景がひろがる。
牛舎もある、学校だった。
夫は、自然の中の学校をすごく気に入った。
そこの高校は、男子生徒は、高校1年の間は、寮生活になる。
2年生からは、希望者のみ寮生活をおくることになる。
 
幸い、同じ中学からもう一人、この高校を希望している子がいた。
 
息子も普通科で学科ばかりの授業よりも、実習などが、あるほうが楽しいと思ったのだろう。
 
この高校を受験することに決めた。
 
合格してからは、毎日、いろんな友達と遊んでいた。
本当に対照的な3年間を送った2人だった。
 
4月になり、高校生活とともに、寮生活もスタートした。
 
週末は、寮が休みになるので、金曜日の夕方遅くに帰ってくる。
そして、日曜日の夜か、月曜日の朝に寮に戻る。
 
いままでの生活とは違い、寮生活は、規則正しい生活を送っていた。
朝6時半に起床。体育館に集合して、体操。
その後、朝食、制服に着替えて登校。
寮の部屋は、3人部屋。
食事時間、入浴時間、消灯時間も決まっている。
 
その上、いろいろと制約があった。
 
一度、寮を見学する機会があったのだが、正直、大変だなと思った。
高校生だから、できることなのかも知れない。高校生だからこそ、望ましい生活があった。
 
家に帰宅した際、「いただきます」や「ごちそうさま」を大きな声で言い、食器を流しまで、持っていったり、好き嫌いが、減ったことなど、寮の生活は、悪くないなと思った。
 
それでも、血気盛んな高校生なのか、けんかをして、先生から電話がかかってきて、肝を冷やしたこともある。
 
高校2年生になり、秋に息子から素敵なプレゼントをもらった。
精米されたお米を持って帰ってきた。
これは、春に田植えをして、秋に稲刈りをした息子の育てたお米だった。
 
1kgだけだったが、残りは、学校祭で販売するのである。
 
秋の収穫祭は、大変人気で、普段は、先生、生徒併せても400人弱の学校に
1300人くらいの人が、やってくる。
 
野菜や果物や牛肉や米や花などを買うために近郊の人がやってくる。
 
息子は、そこで、売り子をしていた。
愛想よく、接客する姿に大人になったなと思った。
 
高校は、少しがんばったら、入れるところでは、なく、難なくはいれるところを選んだ。
なぜなら、中学時代、どんなにがんばっても、下位グループからあがることは、なかったからだ。
なので、高校で、はじめてもらった通知表を見て、びっくりした。
いままでにないくらい、良い成績だった。
「ちょっと、がんばったら、点数とれるねん。でも、こんなに、レベル低い高校で、いい成績とってもなぁ」と言っていた。
 
だげど、きっと、気分は、いいはずだと思う。
本当は、勉強って、そうやって、楽しくなるものだと思う。
 
まだ、学校の勉強は、好きには、なれないみたいだげど、このままがんばったら、推薦で大学へ行くことの可能になってきた。
 
がんばれ。母は、陰ながら応援している。
 
 
 
 
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2020-03-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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