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コロナで温泉を掘り当てた話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:西田千鶴(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
コロナが流行り、4月になって非常事態宣言が出されてから、全く外に出なくなった。ある日、スマホに入っているヘルスケアアプリで、一日の歩数を見たところ、なんと! 200歩しか歩いていないではないか!! 普段、健康のために何もしていない私も、さすがにこの数字には焦った。やばい! このままでは足がどんどん衰えていってしまう! そういえば、この前、テレビで、女性は年を取ってくると、骨粗しょう症になりやすいと言ってたな。歩かないと、骨粗しょう症になりやすく、骨が脆くなって骨折しやすくなるって……。私の頭の中には、介護施設で出会う寝たきりのおばあちゃんの姿が浮かんだ。いやだ! いつまでも自由に好きなところへ行きたい! 年をとっても自分の足で歩きたいのだ! そのためにウォーキングをして今から骨粗しょう症に備えなくては。
 
ところが、ウォーキングするために、いつもより早起きして、服を着替えて、身だしなみを整えて……と頭の中で想像をし始めた途端、盛り上がっていたやる気が一気にしぼんでしまった。思いついた時は、やる気満々なのに、実際にやることを考えていたら、めんどくさくなってしまう。何を思いついても行動に移すところまでいかない。今回も、お決まりのお蔵入りパターンか?
 
それから1週間過ぎた4月半ば、友達に、ウォーキングはじめたいんだよね。という話をしたところ、無理なく続ける秘訣を教えてくれた。
 
「とにかく習慣にしちゃえばいいのよ。ほら? 朝起きたら、自然に歯磨きをするでしょ? それと同じよ。ウォーキングでも筋トレでも、考える前に自然に身体が動いてしまえば、こっちのものなんだから」
 
「なるほど。いろいろ考えなくても、自然に身体が動くようにしてしまえばいいのね?」
 
無理なく続ける秘訣は、とにかくストレスを作らないこと。ウォーキングを始める前に、早く起きる、ウォーキング用の服を用意する、化粧をする とやるべきことが何個もあると、ストレスになって、やる気を失ってしまう。そこで、服は普段着。化粧をしたくないのでマスク。歩く量も5分でも歩いたらOKということにした。これなら、楽に始めることができそうだ。
 
翌日、なんとか起きだし、寝ぼけ眼でウォーキングに出かけた。マスクをしているので、すっぴんでも人目が全然気にならない。足取りも軽く、近所の公園にやってきた。早朝の公園が、人も少なく、こんなに心地いいなんて知らなかった。息をふうっと吸い込むと、新鮮な空気で胸の奥まで満たされる感じがする。ご機嫌に歩きながら、空に目をやると、散り間際の桜の枝先に、白い半月が見えた。その美しさに、思わずスマホを取り出し、カシャッカシャッと何枚か写真を撮った。そして、初ウォーキングの記念にフェイスブックに写真を投稿することにした。
 
投稿した写真を見て、何人もいいね! をしてくれた。反応があるのは、うれしいし、やる気につながる。丁度、季節は春。公園や近所の家先にも花がたくさん咲いている。翌日も、花の写真を撮って、フェイスブックにアップした。写真を見て、元気になったよ、とか、癒されましたって言ってもらえるのが、とにかくうれしかった。
 
気がつくと、ウォーキングしながら、花の写真を撮るのが習慣になっていた。花を眺めるのも楽しいし、写真を撮るのも楽しい。さらに、フェイスブックに写真をアップするのも楽しい。あれだけ、ウォーキングはめんどくさいと、ぐずぐず言ってた過去の自分が別人のように思えた。
 
ウォーキングに行くのが当たり前になって来た頃、遠くに住む実家の母が足を骨折した。大事には至らなかったものの、全治2か月。全く外に出られなくなったのだ。そこで、母が花好きなのを思い出し、その日撮った写真を送ってみた。母は昔の人で、子供からのプレゼントをもらうのを極端に嫌う。せっかく送っても、逆に遠慮されて、送ったことを後悔してしまうくらいの人なのだ。その母が、私が送った写真を素直に喜んでくれた。
 
「写真から匂いがしてきそうですね」
 
「その花は初めて見ました。見事に咲いててきれいだね」
 
母からの返事を読んでいると心の中からじわーっと暖かいものがあふれでてきた。
 
ウォーキングを始めて35日目。今では、朝起きると、自然に身体が動き、ウォーキングの準備を始める。今日はどんな花に出会えるのかな? お母さんは喜んでくれるかな? と思うと心がわくわくして、早く外に出たくてしょうがないほど。ウォーキングを始めたきっかけはコロナによって健康の大切さに気付かされたからだった。だけど、今は、健康のためとかはそれほど重要じゃなくて、楽しいから続けているし、自分のやっていることが誰かのためになっていると思うと、心の中から暖かいものが、どんどんあふれてくる感じがする。まるで温泉の源泉のように。楽しいことをやって、結果、健康になり、さらに、誰かに喜んでももらえるなんて、こんなにうれしいことはない。コロナは、私に素敵なギフトを送ってくれたのだった。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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