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ドリルだったなんて!

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山口畝誉(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
「そういうことだったのか!」
 
私はとんだ勘違いをしていた。40年はくだらない。大げさにいえば、物心ついてから今まで気づかなかった。実に半世紀だ。
 
私にとって読書はワイン。ゆっくりと時間をかけて味わうもの。人生を豊かにもしてくれる。味わいながら、一字一句を噛み締めて読む。つまり、頭の中で声に出しながらゆっくり「音読」して「精読」するもの。それが読書だった。
だから私は本を読むのが異常に遅い。そのため、読書量が少ない。
 
「速く読めたらいいのに……」
そう思い続けてきた。
 
お恥ずかしい話し、昨年1年間に読み切った本の数といえば片手ぐらいのものだ。
読書意欲がないわけではない。積読している本も20冊はあるだろう。途中まで読んだ本もある。最後まで読みきらないのだ。
 
そんな少読書家の私も『7日間ブックカバーチャレンジ』に誘われた。ステイホームの期間を楽しみながら、本を普及させることが目的のチャレンジ。7日の間1日1冊、好きな本のブックカバーをFacebookに投稿すればよい。読書感想文はいらない。
 
たかが7冊、されど7冊。7冊の本選びは自己探求の旅だった。読書遍歴とともに。
少読書家なりに私は本の振り返りの旅をした。
読書にはマイブームがあった。20代は自己啓発系、30代はビジネス系、40代はスピリチャル系、50代は心理学系。もちろん、これらが互いに入り交じっていた。
 
振り返るうちに衝撃的な事実に気がついてしまった。
 
「……本の内容を覚えていない……」
 
うっすらとキーワードは覚えているのだが、自分の言葉で言語化できるほどではない。
あんなにゆっくり味わいながら一字一句時間をかけて精読したのに……。
 
振り返れば短時間で多くの本を読めると言うのは大きな願望だった。
「速読」という単語には度々反応していた。40年もの間。
 
「10分で1冊読めるようになります!」
「10倍速く読めるようになります!」
 
新聞広告の誘惑。この40年間、たびたび「速読」講座の資料を取り寄せてきた。10社ほどの会社から。
どれもなんだか胡散臭かった。
 
「ペラペラと本をめくるだけで内容がわかる」
「右脳でイメージして読む」
「パッと見るだけで読める」
「……」
 
胡散臭いからというより、
「……そんなの私にはムリ。右脳でイメージして読むことなんかできない……」
そう自分にブレーキをかけた。
 
ところが、だ。
まさに今日出会ったその「速読」の本は私の「速読」の常識を覆した。
 
「そういうことだったのか!」
「速読はドリルだったのだ!」
 
衝撃だった。それは、どのような速読本も速読講座でも触れられていないものだった。
 
まず、手始めに。次のバラバラな語順に並べたことわざを一瞬だけ見て何が書かれているかわかるだろうか?
 
「に上も三の石年」
 
おそらく、見ただけで「石の上にも3年」と読めただろう。
なぜ見ただけで読めたのだろうか?
見ただけで、脳が処理をしてくれるのだろうか?
 
答えはノー。
このことわざを知っているからこそ、パッと見ただけで読めたのだ。
知っているから音読しなくても読める。だが、知らないことわざは読めないのだ。
これが多くの速読講座で触れられていない重要ポイントだ。
 
「みるだけで理解できる」ためには、その本の内容に関するストックがものを言う。
ストックとは、自分が持っている経験や知識や情報だ。その脳内データベースがあって初めて速く読める。
 
つまり、もっとも簡単で効率的な「速読」方法は、「本を読むこと」なのだ。
「速読」はドリルだったのだ。反復練習だ。
何度も繰り返す。すると、どんどん読む速度が速くなる。
 
思い起こせば、中学生のとき、教科書を1度読んだだけで覚えたことなんかなかった。
何かを身につける時には反復練習した。
そう、数学の因数分解も、方程式も、なんどもドリルを解いたからこそ身についた。
繰り返すうちに、解くのもどんどん速くなっていった。
 
なぜ、読書については一回精読しただけで終わりにしていたのだろうか?
1回読んで頭に残っているとでも思っていたのだろうか?
 
そんなことに、気づかなかった。
本は一度読んだら終わりではない。何度読み返しても良い。
だが、私はこれまで、たった1回ゆっくりと「精読」して終わっていたのだ。
内容を覚えているわけがない。
 
「速読」のやり方はこうだ。
ざっと目を通して本の大筋をつかむ。わからないところがあっても先に進める。知識や情報のストックを増やすのだ。次に読むときには最初より速く読めるようになる。馴染んでいるからだ。それを繰り返すことで、細かいところも速く、深く読めるようになる。
ストックの福利効果だ。速く読めるし、理解も深まる。
 
具体的には。まず、「目次」を眺める。音読せずに、リラックスしてただ眺める。2〜3分眺めることを5〜10回繰り返す。次に「まえがき・あとがき」のパートから5〜6分回転させて要約を掴む。本文は見出し拾い読みから5〜6分で3回転させる。そして、最後に、ページをめくって気になった箇所を眺めること15分。
30分で本全体を読む。楽に眺める感覚で繰り返す。
すると、1回目より2回目、2回目より3回目と読むのも速くなり、細かいところに徐々に入っていって理解が深まってゆく。
 
ある「速読」は、目的を事前に設定すると速く効率的に読めると唱えているものもある。
だが、読書は検索ではない。自分のストックを満たすだけのものだとしたら、ちょっと残念なことかもしれない。
 
本との出会いとは、未知との遭遇。ストックを増やしたり変化させることでもある。
知識の幅を広げたり、新しい視点をつけるからこそ本との出会いで成長できる。
 
ちなみに、私にとっての朗報は「積読もOK!」と言うことだ。
難しい本や、なかなか気の進まない本は「積読」から。
毎日背表紙だけでも眺める。タイトルやサブタイトルだけに絞って眺める。それを繰り返すうちに親しみもわく。本との距離が縮まってくる。そしてだんだんと本の中に入っていけば良い。
 
積読されている本たちも、愛しさを込めて眺めよう。
その次はジャンルを広げてみよう。ちょっと難しそうな哲学や史学にも。
人生を豊かにしてくれるだろう。
最初は積読で構わない。
ドリルなんだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-05-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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