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挑戦する君へ。僕は昔、夢追い人が大嫌いだった。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:川崎雄斗 ライティング・ゼミ平日コース
 
 
白状しなければ、なりません。
 
僕は昔、夢を追いかけるバンドマンを馬鹿にしていました。
 
たくさんのバンドマンが登場しては、消えていく。
 
一世を風靡しても、すぐにみんなの記憶から忘れ去られる。
 
それなのに、周りの人を巻き込んで、叶いもしない夢を追いかける。
 
だってそうでしょう?
 
100人のバンドチームがあって、メジャーデビューできるチームなんて、ほんの1組にもなりません。
 
5年も生き残るグループなんて、1000チームに1つも無いんじゃないでしょうか。
 
そんな無駄なことをするなんて、『何も考えていないバカに違いない』と心の底で嘲笑っていました。
 
だから、新しくメジャーデビューしたバンドマンたちがテレビで特集され始めると、「調子に乗っちゃって。どうせすぐ消えるんだろうな」と冷ややかな目で見ていたように思います。
 
今思うと、成功する人がズルく感じていたのでしょう。
 
だから、夢に敗れて落ちていく人を見つけると、「自分と同じ気持ちを味わえ」と、思っていたのかもしれません。
 
そんな僕が、自分が犯してきた過ちに気付いたのは、大学4年生の頃でした。
 
当時の僕は、インドの縫製工場で単身インターンシップをしていました。
 
周りはインド人の人ばかり。
 
英語も日本語もままならない同僚に囲まれながら、お客さんである日本の社長にサンドバックのように怒鳴られる。
 
孤独に押し潰されそうになる日々。
 
帰りたいと思ったのも、一度や二度ではありません。
 
けれど、インドでの経験を乗り越えなければ、自分が目指す人生は手に入らない。
 
そんな思いで、毎日を過ごしていました。
 
現在僕は、フリーランスをしていますが、昔から独立を目指していたわけではありません。
 
インドで働こうと思ったのも、バンドマンのように夢を追う人ではなく、外資系でバリバリ働くエリートサラリーマンになるためです。
 
けれど、インドに行って働いていると、価値観がだんだんと変わってきます。
彼らは雨が降ったら仕事に来ないし、仕事をクビになってもケロッとしています。
 
なんで、そんなバカなことができるんだろう?
 
エリートサラリーマンになることだけが、人生の目的のように思っていた僕にとって、それは全く理解し得ないことでした。
 
けれど、彼らと関わっているうちに、彼らが本当に大切にしているのは、家族との関係だったり、自分らしく生きることだったり、誰かのためではなく、自分のために生きていることだとわかってくるようになりました。
 
そして、そのように生きている人たちの家族までも、幸せそうにしていることに気がつきました。
 
そう思うと、自分がこれまで目指していたのは、ただ「他者に迷惑をかけないこと」でしかなく、本当の自分は何がしたいんだろうと考えるようになりました。
 
情熱を注げるのはなんだろう?
 
もしかしたら、アニメを作ることかもしれない。と、思いました。
 
僕は毎日、夕食時にアニメを見るくらいアニメが大好きです。
 
けれど、自分が作ろうとは全く思っていませんでした。
 
でも、人生を賭けてやりたいことは何か?と考えると、自然とそこに行き着きます。
 
ただ、やりたいことが明確にあったにもかかわらず、アニメの世界に飛び込むことはありませんでした。
 
もちろん、今でもアニメは作りたいと思っていますし、そのために文章も書いたりしています。
 
でも、一歩踏み出すことはできませんでした。
結局僕は、バンドマンのように、自分の可能性に人生を賭けることが怖かったんだと思います。
 
もし失敗したら、笑われるかもしれない。
 
もし失敗したら、絶望が待っているかもしれない。
 
もし失敗したら……
 
当たり前ですよね。
 
これまでの人生で、自分がバンドマンたちに密かに望んできた末路が、今度は自分を待っているんです。
 
僕はその恐怖に耐えられませんでした。
 
この時になってようやく僕は、とんでもない勘違いをしていたんだと、今更のように気がつきました。
 
バンドマンたちは、何も考えず、ただ楽観的に夢を追っていたわけではないことに。
 
苦しみながら、葛藤しながら、自分の可能性を疑いながら、それでも真剣に、自分の人生と向き合っていたことに。
 
口では世界平和を願うことなんて、誰にだってできます。
 
けれど、それを現実のものにしようと思った時、行動することがどれだけ重みのあることなのか。
 
彼らの勇気がどれだけ尊くて、自分の生き方がどれだけしょうもなかったのか。
今までだって、バンドマンたちの曲に何度救われてきたことでしょうか。
 
インドにいた時だって、一人寂しい時、ずっとそばにいてくれました。
 
そんな誰かのための曲を作ってきた彼ら彼女らを、呪ってきたことが本当に恥ずかしく、愚かなことだったのか、今なら少しわかります。
 
インドから帰国し、就職活動を経て就職したものの、結局僕は、バンドマンたちと同じように不安定だけど、夢を追うため独立することを決めました。
 
僕が貶(けな)してきた彼らに憧れ、一緒の存在になりたいと思いました。
 
そんな僕にとって、今の目標は、「夢半ばで折れそうになっている人」を支えることです。
 
もちろん、自分も夢であるアニメ制作のために励み続けます。
 
けれど、それと同時に、むしのいい話かもしれませんが、夢を追う人たちの助けになりたいとも思っています。
 
社会人になってから、夢があったけれど、夢を捨てた人たちをたくさん見てきました。
 
そんな人たちを見て、僕はいつも寂しく感じています。
 
もし、誰かが支えになっていたら、結果は変わっていたかもしれません。
 
だから僕は、そんな人たちを支えられるように、これからもコーチングやカウンセリングなど、いろんな形で支援していきたいと思っています。
 
たぶんバンドマンの人たちは、僕がそうやって影で呪っていたことを、気にしてはいないでしょう。むしろ、「気にするな。今やることやれ。応援してる」と言ってくれそうな気もします。
 
だから僕は、罪滅ぼしとしてではなく、やりたいこととして、夢を追う人たちを支え続けたいと思っています。
 
 
 
 
***

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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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