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なぜあの人はお客さまに愛されたのか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ロケットえんぴつ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「辞められたら困る!」
「あの人がいてくれたから、私たちの業務が回ってたのに……」
 
お客さまにそう言わせた女性がいた。
彼女は誰よりもお客さまから信頼され、愛されていた。
 
 
彼女の名前はアキヤマさん。
私が新入社員のときにトレーナーを担当してくれた人だ。
今の私は、当時のアキヤマさんの年齢26歳をとっくに過ぎてしまったけれど、いつまでたっても彼女を超えることはできないと感じている。
 
私はシステム会社に入社し、新入社員のときは、お客さまの人事・労務業務システムを開発する部署に配属された。アキヤマさんはそこのチームリーダーだった。
プログラミング技術が高い、プロジェクトリーダーとしての素質が優れているなど、何かのスキルがとびぬけているという印象はなく、どの仕事もソツなくこなしているようなタイプだった。
それでも不思議なことに、チームメンバーやお客さまから、絶大な信頼を得ていた。
 
私が入社して、8年くらいたったころ、アキヤマさんが家庭の都合で会社を退職することになった。そのときは、「辞められたら困る!」「本当に残念」などと、社内だけに留まらず、お客さま含めて、多くの人から辞めることを惜しまれていた。
 
 
なんでこんなにお客さまに愛されたんだろう……?
 
 
思い返せば、アキヤマさんはとにかくお客さまの業務に詳しかった。
私が業務について「なぜ、ここはこうなってるんですか?」と質問すると、かならず答えてくれる人だった。
そんなの先輩だもん、当たり前じゃない? と思うかもしれないけど、長く同じところに勤めていると「そういうものだから」「昔からそうだったから」と、答えにならない答えを返す人がたくさんいる。
アキヤマさんは、どんな質問をしても、なぜそうなっているのか、背景や理由をちゃんと説明してくれた。
 
業務に詳しかったことが、愛される理由と言っているわけではない。
業務に詳しいことは、あくまでも結果だ。
 
私なりに感じる彼女がお客さまに愛された本当の理由……
それは「相手に興味をもって仕事をしていたから」だと思う。
 
アキヤマさんは、お客さまとよくおしゃべりをしていた。
例えば、お客さまの制度改正に伴って、システムを修正することになったときに、なんでそのような改正が必要になったのか、なんでシステムを修正したいのか、お客さまが日頃のどんな業務をしているのか、打ち合わせが終わった後も、廊下で雑談のように会話を続けていた。
また、話す内容は決して仕事に関する話だけではない。お客さまのプライベートなことも詳しかった。
仕事のことも、お客さま自身のことも、興味をもって相手を知ろうとしていた。
 
アキヤマさんが、私の質問に対して、背景や理由をちゃんと説明できるのは、そういう会話を通して、お客さまのことをよく理解できていたからだと思う。
 
 
例えばシステム障害が発生したとする。
アキヤマさんは、お客さまの誰がどんな役割を持ってて、後続にどんな作業が控えているかをきちんと把握し、どうすれば最小限の影響でお客さまが業務を遂行できるかを常に考えているようだった。そして、お客さまが必要としているときに、必要な情報を提供していた。
お客さまのことを知り尽くしているアキヤマさんだからこそ、それができていたんだと思う。
だからこそ、お客さまは彼女を信頼し、彼女になら任せられると安心していたのではないだろうか。
 
 
 
会社には仕事がデキる人たちがたくさんいる。
・マネジメント力を発揮するプロジェクトリーダー
・お客さまへ積極的に提案をし、新しい仕事を獲得する人
・最先端の技術を常に勉強し、従来の仕事をどんどん効率化していく人
このような人たちは、会社の中で重宝されるし、スキルとしても求められる。
確かにプロジェクトを円滑に回すうえで、必要なのかもしれない。
 
でも仕事(サービス)は、実際にそれを利用するお客さまがいて成り立つのだ。
 
以前、コミュニケーションに関する本を読んだときに、「コミュニケーションの最初の一歩は、相手を知ること。相手に興味を持つこと」と書かれていたのを覚えている。
仕事(サービス)も同じで、「相手を知ること」から始まるのではないだろうか。
 
「相手を知ること」
これを本当にできている人はどれだけいるだろう?
 
極端な例えをしてしまうと、自分の嫌いな人が「旅行が好き」と言っても、「そうなんだ」で会話は終わってしまうけど、自分の好きな人が言えば、「なんで旅行が好きなの?」「どんなところに行くの?」「今まで行ったところで一番よかったところはどこ?」など、掘り下げて質問をすると思う。
自分が知りたいと思っている相手に対しては、その人が言葉にしたこと以上に、いろいろな質問をして会話を深めていくはずだ。
相手のことを好き・嫌い抜きにして、「相手を知ること」というのは、きっとそういうことなんだと思う。
 
技術力、提案力、マネジメント力などのスキルを磨いていくことは大切なことだ。
でも、その手前にある「相手のことを知る」ということが、お客さまからの信頼を得る第一歩につながるのかもしれない。
 
 
 
 
***
 
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