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ふるさとグランプリ

下戸の私でも酒好きの聖地で楽しく生きていける理由《ふるさとグランプリ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:bifumi(ライティング・ゼミ)

「で、酒はどれくらい飲めると?」
福岡では、はじめましての挨拶の後に、大抵この質問が飛んでくる。
自分と同じくらいの量を飲めるのか? それとももっと上なのか? 楽しく酒を酌み交わせる相手であるかどうかを計る、福岡人にとってとても重要な質問だ。
福岡の人間はとにかく酒が強い。もう強いなんていうレベルを超えている。
酒は水と同じと思っているところがあり、実際そう言いながら飲んでいる人をよく見かける。
女性もまたやたらと、酒が強い。
酒好き猛女の街だ。

こんな酒好きが多い街、福岡に住んでいながら、私は酒が全く飲めない。
いわゆる下戸だ。
アルコールアレルギーでもある。
注射する時に、アルコールで消毒された部分が赤く腫れる。
一口ビールを飲んだだけで、顔がパァーっと赤くなり、心臓がドキドキしてくる。
さらに調子に乗って飲み続けると、体調によっては、全身に蕁麻疹がでることもある。
酒を受け付けない体質なのだ。

なのに、私が仲良くなる人は、なぜか酒豪ばかり。
時々私は酒豪ホイホイか!? と思ってしまうくらい、酒好き女子を引き寄せてしまう。

昔は、真の酒豪なら、下戸かどうか一目見ただけで判断できるでしょ? と思っていたが、その酒好きたちが「勝負を挑める相手」として確信をもって、私に近づいてくるのだ。
理由はただ1つ。私が「酒豪顔」だからだそうだ。
酒豪顔というのは、そもそもどういう顔なのか?
ほくろがあるとか、目の形に特徴があるとか、わかりやすく酒豪の相が顔に出ていれば、対処のしようもある。だけど酒豪女子達は「絶対に酒が強そうにみえたから」なんていう、なんとも曖昧な答えしかくれない。
メイクで隠せるものなら、技術の粋を集めてでも、ぜひ隠したいと本気で思っているのだが・・・・・・

私の父はキングオブ酒豪。酒を愛してやまない、生粋の九州男児だ。
毎晩かなりの量を飲む。
子供のころから、父が晩酌する姿をみていたので、自分がまさか飲めない体質だとは思ってもいなかった。限界がわからないので、学生の頃は無茶な飲み方もした。でもそのたびに惨敗。一口飲んだだけで頭が痛くなり、目の前がぐるぐる回りだす。次第に立っていられなくなり、トイレに駆け込む。これを何度も繰り返してきたので、鍛えても無理なものは無理! と挑戦するのは早々にやめてしまった。
「酒が飲めないなんて人生損している」という人もいるが、そんなことはない。
アルコールが入らなくても、酒の席は好きだし、素面でも十分盛り上がれる。父の晩酌に付き合ってきたおかげで、酒の肴は大好物だ。出されたものが珍味だろうが、グロテスクな臓物だろうが、何でも食べることができる。
私のこの酒豪顔は、父から受け継いだ酒豪DNAが、細胞からじわじわしみだしているからに違いないと、最近は勝手に結論づけている。DNA恐るべし!

ただ1つ、本当に申し訳ないと思う時がある。私の酒量目当てで近寄ってきた、酒好き女子たちに、飲めない旨の告知をしなければならない時だ。
初対面の挨拶の時、「お酒飲めないんですよー」と、必ず前もって申告するようにしている。
でも、まわりは私の顔をみるなり「またまたー、それなんの冗談? どうみても酒は強いやろ。飲み会楽しみにしとくね!」と笑顔で返してくる。

私、言ったよね。今、ちゃんとお酒飲めないって言ったよね。
でも、アルコールアレルギーの下りから、順を追って話すのは、初対面にしては長くなってしまうので、それ以上酒の話題にはふれないようにしている。

実際、本当に困るのが飲み会の時だ。
酒豪女子たちは、入れ代わり立ち代わり、アルコールの瓶を抱えて私のところにやってくる。
「あれー? 何を飲みよるん? 今日は一緒に飲めると思って楽しみにしてきたんよ! さあ、飲もう! 飲もう!」
「えーっと、私お酒飲めんのよ」
「はぁーっ??? 聞いてないよそんな話。その顔は相当酒が強いはずやろ。私の勘は外れたことないんやけ」
くっ・・・・・・また、顔で判断されてしまった。
「初めてあった時に、お酒飲めんってちゃんといったよ」
「そんなこといいよったような気もするけど、福岡女の飲めんは、あてにならんけねー。冗談はそのくらいにして、早く飲もうや!」
「いや、本当に飲めんとって、アルコールアレルギーなんよ」
「はあー、嘘やろう? 何かの間違いよね? 久しぶりにじっくり飲めそうな人みつけたと思ったのに・・・・・・」(ほぼ忠実に会話を再現しています)

この会話を今まで何十回何百回と交わしてきた。
飲み会の度、あっちでっもこっちでもこのやり取りを、繰り返さないといけない。
酒好き女子たちが、心からがっかりする姿をみる度に、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。全く、酒豪顔っていうのはなんて罪つくりなんだろう!

関心することに、酒が飲めない宣言をすると、酒豪女子達は、それ以上飲もうとは言ってこない。
酒好きの父をみてきたのでよくわかるのだが、真の酒豪は、飲めない人に対して無理強いはしない。
酒豪とは、実は下戸の見方でもあるのだ。
酒好きは、愛する酒と向き合い、じっくりと楽しみたいだけだ。
飲めない人が無理に飲んでもお酒を美味しく感じるはずもなく、
まして、無理に飲ませるのは、相手に対しても酒に対しても失礼になる。
飲めない人は飲まなくても全然かまわない。
下戸を尊重することは、愛する酒へのリスペクトでもあるのだ。

福岡に観光や出張、転勤でやってきて、夜の街で出会う酒好きの多さに、驚くこともあるだろう。
でも、下戸でも、酒が強くなくても、福岡人とコミュニケーションをとるのに、全く心配はいらない。
酒を心から愛する人は、「飲めんでも、よかよかー」とまるっと受け入れる懐の広さを持っているのだから。

「で、酒はどれくらい飲めると?」福岡人からこの質問がきたら、
それは、あなたともっと仲良くなりたい! という合図だ。
ぜひ、ドーンと飛び込んでみて欲しい。
一度飛び込んでしまえば、酒の席を楽しくするのは、後は福岡人の仕事だ。
酒と酒の席と、今目の前にいる人を楽しませる事が、福岡人にとって何よりの楽しみなのだ。
酒豪の街に生まれた下戸の私でも、この地で楽しく生きていけるのは、福岡全体に流れるこの気質のおかげだ。

だからぜひ、下戸の人よCome on! 福岡へ
酒豪は敵ではない、下戸の味方なのだよ。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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