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癒し効果抜群のオンライン英会話の実力


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記事:渡邊壽美子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
新しい年になった。今年こそ英会話をマスターしたいと思っている人もいるかもしれない。私は、仕事上、年に数回、海外の人とコミュニケーションをとることが必要になるのだが、そんなときは、いつも自己紹介だけしてあとはニコニコしている。英語力に自信がないので、仕事上の質問をするときは同僚に通訳をお願いしているのだ。しかし、通訳に時間もかかるし、会話の流れも途切れるし、いつも申し訳ないと思っている。学生時代に何年も英語を習ったはずなのに、なぜしゃべれないのか? 海外に行けば小さい子供もペラペラしゃべっているのに……。本当は、同僚の通訳なしで直接海外の人とコミュニケーションをとってみたいのだ。

英語が話せる人に、どうやったら話せるようになるかを聞いたら、話す機会をつくるのがいいと、アドバイスされることが多い。ただ、海外に留学するには年をとっているし、外国人の友人をつくるといってもそんなに簡単ではない。英会話教室にも以前通っていたが、今は自分にかけるお金や時間があったら、子供にお金をかけたいと思ってしまうようになった。そんなとき、1レッスン数百円で、自宅でできるというオンライン英会話を知った。

オンライン英会話はスカイプというインターネット経由のテレビ会議をフィリピンにいる先生につなげるという仕組みである。スカイプは仕事で使ったことがあったので、まずは無料の体験コースを受講することにした。

1レッスンは25分。時間のある日に予約をして、ドキドキしながら、スカイプがつながるのを待った。
「Hello! Can you hear me? (こんにちは! 聞こえますか?)」
「Hello! Yes, I can hear you. (こんにちは! はい、聞こえます)」
レッスンはこんなやりとりで始まった。
自己紹介のあと、やりとりをして、レベルチェックをしてくれる。テレビ会議もとてもスムーズだし、先生も親切だ。これなら続けられるかもしれないと思い、申し込んでみた。

正式にレッスンの予約をしようと思い、検索すると先生は5000人以上いる。選び方がよくわからないが、経歴や専攻など最初は自分の直感で選んで予約してみる。早朝の時間があるときにやろうと思い、予約してみた。何人かの先生のレッスンを経験すると、自分に合う女性の先生が見つかったので、その先生の予約がとれるときにしばらく続けていた。その先生は、私のたどたどしい英語を粘り強く聞いてくれるし、間違ってもやさしく正しい言い方を教えてくれる。修正して話すと、とても褒めてくれる。これなら続けられそうと思っていたのだが、それも長くは続かなかった。

理由はわからないが、その先生はあるときから、予約が簡単にとれなくなってしまったのだ。人気が出たのかもしれない。仕方がなく違う先生にしたところ、「何か違う」と思ってしまって、先生を探したり、予約したりするのが面倒になってしまったのだ。ちょうど、仕事やプライベートで忙しくなり、最初のやる気もうせて、しばらくできない状態が続いた。

挫折しそうになったが、少し仕事に余裕ができたときに、やはり再開しようと決心した。今度は自分で予約する方式ではなく、朝6時に「自動予約」する方式にした。先生を選ぶのが大変なので、この「自動予約」方式は私にはよかった。先生に若干バラツキはあるけれども、強制的に、朝、家族が起きる前にレッスンをすることにした。

毎朝、違う先生のレッスンを受けるうちに、ある共通点に気づいた。オンライン英会話の先生はフィリピン人だが、お国柄だろうか、どの先生もとても親切で、人懐っこいのだ。中断する前は、この先生はいい、悪いと評価することにも頭を使っていたような気がするが、自動予約にしてから、今日、教えてくれている先生が「ご縁」だと思い、自分のレッスンに集中するできるようになった。

レッスンの最初に先生とお互いに自己紹介をすると、実にいろいろなバックグラウンドをもった人が先生をしていることがわかる。会社勤めの傍らパートタイムで教えている先生、高校の英語教師を定年退職した先生、子育てをしながら教えている先生、ツアーガイド、音楽教師、学生……。自分と同じように子育てしながら、働いていることに共感したり、定年後にやりがいを求めて先生をしていることに感心したりする。このオンライン英会話は、人生100年時代にITを活用した新しい働き方にピッタリだと思ったりする。フィリピンと日本の人件費の差とIT技術を使って、このビジネスを考えた人はすごいなとも思うようになった。

そんなこんなで、私は、毎朝違う親切な異国の先生と、新鮮な気持ちで英会話レッスンをしている。拙い英語でも、うまく話せて励ましてもらうことは、最大の癒し効果になるようだ。この生活にしてから、気持ちのよい朝がスタートできるようになった。一度挫折しかけたが、毎朝6時の英会話生活が3カ月続いているし、今後も続けたいと思う自分がいる。

オンライン英会話は、私にとっては英語学習だけではなく、最大の癒しなのだ。

 
 
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2018-01-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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