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週刊READING LIFE vol.88

光戦隊マスクマンにみる善と悪《週刊READING LIFE Vol,88「光と闇」》


記事:星永俊太郎(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
もう30年ほど昔の話ですが、高校時代の私の金曜夕方のお楽しみは、「光戦隊マスクマン」をテレビで見ることでした。
 
いやー、自分で書いててなんですが、
 
せっかくの高校時代、青春まっさかりの若者の金曜夕方のお楽しみがテレビ、しかも、特撮戦隊物で良かったんだろうか? なんか他にもっとやることがあったんじゃないだろうか? そんな気がして仕方がないです。まあ今更そんなことを言っても青春時代は返ってはこないのですが。
 
それで、改めて「光戦隊マスクマン」ってご存知でしょうか? そう1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から現代まで脈々と受け継がれるスーパー戦隊シリースの第11番目の作品です。しかし、1975年から現在まで45年間続いてるってすごいですね。ちなみに現在は第44作目、「魔進戦隊キラメイジャー」という作品だそうです。
 
特撮、ヒーロー物といえば、必ずヒーローと悪役が戦います。光と闇のように対象的な正義と悪がぶつかり合い、必ず最後には正義が勝つ。そんなお約束の物語だと思っていました。
 
実際、「光戦隊マスクマン」も随分昔の話なので、「カッコ良かった」「面白かった」というイメージと「オープニングが格好良かった」「変身シーンが革命的」という印象しか残っていませ。
 
オープニングは、「チャチャチャチャーチャッチャチャー♪」で始まる元気の出るトランペットに続き、影山ヒロノブさんのパンチのある歌声が続きます。影山ヒロノブさんといえばアニメ、特撮好きの人には説明するまでもないでしょうが、そうでない方にもドラゴンボールZの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を歌っている方と言えばピンとくるでしょうか。伸びやかでパンチがあって聞いても気持ちがいいし、カラオケで歌っていても気持ちのいい曲が多いです。実際に、いまだにカラオケに行くと「光戦隊マスクマン」歌うことありますもの。家族とか親しい人とのカラオケで、ですけどね。
 
そして、変身シーンは、なんと手で印を結ぶのです。密教などで出てくる九字護身法の印を結ぶことで精神を統一し、自身のオーラを増幅し、光の壁をぶち破ることで変身するんです。
 
この印を結ぶってのが、少年の心を鷲掴みにしたのです。「かっこえー」さっそく印を結ぶ練習をする少年。少年と言ってもすでに高校生なのですが……。
 
っていうのが印象の大半で、あとは戦隊物だから戦ってたんでしょ? って記憶しか残っていませんでした。
 
そこで改めて調べてみました。すると、なんと全51話。懐かしいけれども、1話20分だから全部見るには17時間掛かります。今回は涙をのんでWikipediaのあらすじや登場人物紹介を眺めることに。
 
……戦隊物を舐めていました。
 
しょせん子供が見るヒーロー物、善と悪が戦う戦闘シーンがあったらいいんでしょ? 設定もせいぜい「悪の組織〇〇が侵略してきたので、正義のヒーローが戦って撃退した」くらいなんじゃないの? なんて軽い気持ちで見たWikipediaページ。
 
びっしりと書かれた舞台背景とキャラクター設定。物語の熱量と共に、このページを編集した方々の熱量に、正直圧倒されてしまいました。
 
そして、単純に善は善、悪は悪ではありません。
 
戦隊物と言えば、リーダーはレッド。熱血漢で正義感が強い男。そんなレッドの彼女が実は悪の組織のスパイだったそうなのです。えーー。全然覚えてないので、素直に驚きました。そんな、いきなり引き裂かれる恋人同士。つらい。しかし、彼女はレッドを愛するがために組織を裏切ろうとするのですが、組織は彼女を捕まえて冷凍してしまいます。そんな彼女を取り戻そうとするってのがレッドの原動力になるようです。
 
そして、戦いの最中に悪の手に落ち、悪の側で戦う羽目になるブルー。
 
悪の組織の幹部、地帝王子イガムは実は悪の組織のボス、地帝王ゼーバ、にかつて滅ぼされた地底王国イガム家の王位継承者であした。地帝王ゼーバが、両親や国の仇であったことを知り、最後はマスクマンと協力して地帝王ゼーバを倒す。
 
子供の頃には、ただただ格好いいとしか思っていなかったお話が、大人になって見返してみたら全然違った意味合いを含んだ物語だったことに気付かされました。
 
善はいつまでも善だとは限らないし、悪は必ずしも悪ではない。悪の中にも善はあり、なにかの拍子に善と悪はひっくり返ることもある。
 
人の中にも必ず善と悪は潜んでるもんな……
 
そういえば、この感じ何かで聞いたことがあるがなんだろうか?
 
ああ、太極図だ。太極拳や道教といったキーワードで見たことがある。円の中に白い領域と黒い領域がゆったりと混ざり合うような図で、それぞれ黒い領域の中に白い丸が、白い領域の中に黒い丸が存在する。
 
一説によると、黒い領域は陰(女性、月、静)を表し、白い領域は陽(男性、太陽、動)を表し、世の中には100%陽もないし、100%陰もない。お互いがバランス良く存在し、陽と陰がバランス良く変化していくことを表しているそうです。
 
特撮・ヒーローものは、勧善懲悪で善が悪を叩きのめしてすっきりするって印象を持っていました。でも、「光戦隊マスクマン」では、実は太極図のような善・悪はきっちり分けられるものではなく、変化していくものなんだってこと、30年経ってやっと理解することができました。
 
しかし、なんで金曜日の夕方に家でテレビ見れてたのかなあ? 当時部活をやっていたはずだけど、さぼってた……のかなあ? いやいやきっと3年生で部活を引退してたからか……? それはそれで受験勉強しなさいよって気がしちゃいますね。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
星永俊太郎(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

ソフト開発のお仕事をする会社員
2018年10月から天狼院ライティング・ゼミの受講を経て、
現在ライターズ倶楽部に在籍中
心理学と創作に興味があります。
「勇気、不安、喜び」溢れた物語を書いていきます。

この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いてます。 ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-07-20 | Posted in 週刊READING LIFE vol.88

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