【※都会っ子には衝撃強すぎ注意※】思わず帰りたくなる「田舎あるある」【上京・一人暮らし前に読んでほしい】《海鈴のアイデアクリップ》
晴れて上京、または一人暮らしをこの春から始めることとなった皆さん、おめでとう。
「こんなちっちゃな町、出てってやるわ!!!」
そう思って鬱憤を晴らすがごとく机にかじりつきペンを走らせていた日々も、ようやく一息ついたばかりだろうか。
いいよなあ、一人暮らし。
都会での生活に憧れ、頭の中で妄想を繰り広げるしかなかった自由な生活が、今やすぐ目の前に迫っている事実に心踊らないわけがない。
上京という言葉の響きの、なんたる甘美なことか。
しかし。
しかし、なのである。
今のうちに、田舎を存分に楽しんでおけ。
頭に焼き付けておけ。
五感をフルに使って、匂い、音、色を叩き込んでおけ。
今君が見ている景色は、都会では二度と体験できない稀有なものだからだ。
地元を離れ数年。
私は、あの時普通だと思っていたことが、ぜんぜん普通じゃなかったと思い知らされたのだーーー
①夕方、道を歩いているとコウモリが激突してきそうになる。
都会育ちの人に聞いたら「コウモリ見たことない」って。 え? おい、うそだろ?
いやいやいや、家のまわりにあんなにいっぱいいたんだけど。ふだんは身を潜めてるだけで、夕方になるとめっちゃ出てくるんだけど。
電信柱くらいの高さのあたりを、わっさわっさ飛び回るんだけど。1匹ならまだしも、もうウジャウジャ。
しかもヤツら、人間には到底予測不可能な軌道を描きやがる。
ウィンドウズのスクリーンセーバーで、なんかボールが四隅に当たって跳ね返るやつよりか圧倒的に、予測不可能。
目が悪いんでしたっけ、コウモリって? なんであんなめちゃくちゃな飛び方するん? 訳わからんわ。
じゃあ避けて帰ればいいじゃんって、私の家にたどり着くまでの道はすべてコウモリロード(コウモリがたくさん発生する道をそう呼ぶ)という、どうしようもなく張り巡らされたトラップ。
時には頭上すれすれを羽ばたいていくからね、ヤツらは!
「人間の頭の上をどれだけギリギリの距離飛べるか」のチキンレースをしている他に考えられない。完全に我々人間をおちょくっている。
友人は、チャリンコに乗ってたら、コウモリに顔面激突されたらしい。
そのコウモリは、その後、地面に落ちて動かなくなったそうな。アーメン。
危険にさらされているであろうに、どうして人里まで出てきてしまったのだろうか。世間一般のコウモリのイメージ通り、早急に洞窟に帰っていただくことを切に願う。
②チャリンコで、パヤパヤ虫の大群に顔から突入してしまう。
あったかくなってくると、もうそこらじゅうに発生しだす、小さな小さな虫の塊。
ちっちゃい虫が、群れを作って宙に浮いている、アレだ。
私たちは、その形態から「パヤパヤ虫」と呼んでいる。
春あたりは、本当に最悪。
犬も歩けば棒にあたる、チャリも漕げば鼻に虫が入る。
経験はないだろうか? 超ちっちゃい虫の大群に顔から突っ込み、鼻に虫が入り込み、入り口あたりで蠢いているあの感覚を。
チャリで全力疾走していると、前方にあるパヤパヤ虫の存在なんて、気づきようもないから。まじトラップ。
手放し運転もできないから、鼻息で「フンッ」ってやって鼻から追い出すしかなかったわ。
でも、だんだん学習してくると、目の前1メートルに現れたパヤパヤ虫の塊を、顔だけサッとズラして避けれる技法を身につけるようになったりね。
ピストルから放たれた弾丸を、目の前で避けるかのような動き。
遠目から見た人からすると「チャリに乗りながら一人マトリックスごっこしてる痛い子」でしかなかっただろう。アーメン。
③ほーほー 、ほっほー。ほーほー、ほっほー。ほーほー、ほっほー。ほ ………………という鳥の声
あの鳥はいったい何だったのだろうか。
のどかな午後。どこからともなく聞こえてくる、かなりシュールな鳴き声。
鳥らしく可愛らしい声で鳴くでもない、なんかちょっと音程低め、テンションも低めな鳥。
しかもこの鳥、そうとう根気がない鳥らしいと見ている。
「ほーほー、ほっほー」を1セットとして鳴くのだが、かならず4セット目の最初の「ほ」を言った時点で急に鳴くのをやめるのだ。
それがあまりにも唐突すぎるから、そのあとの沈黙がやけに目立つ。
おい! そこでやめるなよ! 続けろよ、ちゃんと!!!
と、幼少ながらに思わずツッコミたくなる鳥だった。
こんな当たり前の日常が、都会に出るとまったくやけに恋しくなる。
たとえば旅行で緑の多いところに行くと
「わー! すごーーーい! 綺麗な景色ーーー!(パシャパシャパシャ)」
と写真を撮りまくる友人を傍目に、
「いや、こんなの地元にあるしな……」
とカメラモードすら開かないのは、田舎出身あるあるだろう。
上京・一人暮らしを控えている全ての人に告ぐ。
今、自分が見ている景色は、時にはお金を払ってでも体験したいと思う人もいるであろうほどの財産なのだ。
だからどうか、「こんな町」なんて言わないでほしい。
きっとそのうち、戻りたくなる場所に変わるはずなのだ。
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