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チーム天狼院

女子だけど、男性週刊誌のグラビアページを毎週かかさず愛読している理由。《海鈴のアイデア帳》


天狼院書店の山本です。

唐突に告白させていただきますと、グラビア写真を見るのが好きです。

贅沢を言わせていただけるなら、できるだけ体のラインがわかる感じが良いです。
趣味は、『プレイボーイ』などの男性週刊誌の巻頭グラビアをチェックすることです。新しいグラビアアイドルが出てきたらとりあえず画像検索をします。

可愛くて、魅力的なボディラインをした子たちが、こちらを見つめ、ときに魅惑的な表情で訴えかけてくる……はあ、たまらん。

これは、私にとって至極自然な、日常的なおこないだったわけなのですが、どうやら周りの女子たちは、必ずしもそうではないようなのです。

「おー、今週のこれ、やばいわ!」

いつものように新しい週刊誌をチェックしながら感嘆の声を挙げていると、天狼院書店のあるスタッフは言うのです。

「ほんと、グラビア写真見るの好きだよね……」

その感覚がわからない、というので、私はきょとんとしていました。
しかし彼女だけでなく、別のスタッフも、こう言うのです。

「私も、グラビア写真見る気持ち、ぜんぜんわかんないや」

そうか……私にとって自然ななりゆきだったけれど、これはちょっと異質なことなんだな。女子には、グラビア写真を好んで見る女子と、そうでないのがいるらしいのです。

思い返せば、たしかに今まで「男性週刊誌を見てますー」という女子はあまり見たことがありません。単に口に出さないだけかもしれないですが、この習わしは、一般的にはあまりポピュラーではないのかもしれないです。まあ、それもそのはず。男性週刊誌は、女子が見るように作られていないのです。

ちなみに、私は男の人が好きです。女の子のグラビアを見たからといって、性的に興奮しません。

ですが、スマホの画像フォルダにはお気に入りの子の写真が保存してありますし、スマホの待ち受け画面も、今好きな女優さんがおそらく昔プレイボーイだかなんだかに出ていたときの写真を設定しています。「お気に入りの画像フォルダ」をつくって、そこにいろんな女の子の画像を貯めては、眺めるのです。

これはいったいどういうことなんだろう。どうして、私はこんなにグラビア写真が好きなのか。考えてみると、ああ、そういうことかと、腑に落ちることがありました。

私がグラビア写真を見るのは、ほかでもありません。女性にとって圧倒的にプラスな作用になることを、知ってしまったからです。

グラビア写真のなかでも、水着などのボディラインが出ているものを眺めるのが好きです。

数人の女の子が水着で並んでいるショットがあったのですが、そのなかでも私が特に魅力的だなと思ったのは、決してモデルのように細いとは言えない、ある程度肉つきのある子でした。逆にしすぎている子は、ちょっとなあ、とあまり惹かれませんでした。

ファッション雑誌もよく見ますが、モデルさんたちはほんとに背が高くて、細くて、手足も長くて、顔もちっちゃくて。こんなふうなスタイルで生まれることができたら、どんなによかっただろうかと思います。

けれどそれはあまりにも雲の上すぎて。もうちょっと痩せたらこうなれるかな、頑張ろうかなという次元ではないのです。「あー、私はちんちくりんだかならな」と、絶対的なスタイルを目の前にしては、諦めざるを得ないのです。

細いのにどうしようもなく憧れた時期もありました。でも、最終的に行き着くのは自己嫌悪でした。

けれど、グラビアモデルさんの体を見ていると、やっぱりみんなそれぞれ違って。胸は大きいけど、ほかの子よりちょっと足が太かったり。腕に肉がつきやすいのだろう子や、腰回りがしっかりしている子。ムダな肉ゼロより、背中あたりがちょっとフニッとしているほうが、そそるという写真も。

十人十色というのはわかってはいるけれど、こうして視覚的にみると、ほんとうにそうなんだな、みんな違うんだなあ、としみじみと思ったのです。そんなことは義務教育でもなんども教えられてきたし、違うことがいいよね、という金子みすゞの詩もあります。小さいころから耳にタコができるくらい言われてきていたし、「知って」はいたことでした。しかし、そんな当たり前に言われていることが、まったく腑に落ちていなかったのです。

むしろどこか欠点があったほうが、何倍も可愛く魅力的に思えてくる。完璧なんて、ない。当たり前すぎるこの事実を、私はグラビア写真を見ることで、本当の意味でしっかりと認識できたような気がするのです。自分を諦めなくてよくなったような気がするのです。

なにより、欠点があって、ほかの子より劣っている部分があって、それでも被写体として撮られるその表情には、自分に対しての絶対的な自信が感じられる。私はグラビア写真の中に立っている人を見て、そこにみなぎる生命力と、薄い布一枚を残してすべてさらけ出す自身への圧倒的な肯定力に、惹かれているのです。
あんなふうにかっこ良く、魅惑的な目線をできたらどんなにいいかと思いました。
自分を100%さらけ出すことができたら、どんなにいいだろうと思いました。

私はグラビア写真を見て、自分を肯定しているのです。

胸はほかの子のほうが大きいかもしれない。くびれは表紙の子のほうが美しいかもしれない。脚はつぎの特集に載っている子のほうが細いかもしれない。それでもみんな、自分にとっての武器がどこかわかっていて、それさえあれば、戦っていける。その自信からうかがえる表情や、みなぎる全体の雰囲気によってこそ、その人の「本当の魅力」は作られているのだということ。
忘れがちになってしまう、この事実を、私は事あるごとに確認していたのだと思います。

自分を諦めないために、自分でも良いのだ、むしろ自分だからこそ良いのだ、と思うために。
私は今日も、グラビアページを開くのです。

 
 

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