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『ガイアの夜明け』伊勢丹本店の大改装/その裏で何があったのか《READING LIFE EXTRA》


僕はフリーターをしていた時代があったのですが、そのとき、バイトをしていたのが、所沢の西武に入っているロフトでした。ロフトも西武から派生した会社だったので、西武式の試験や研修を受けなければならなかったのですが、ある研修のときに、西武の偉い人がこう言っていたことを今でもはっきりと覚えています。

 

「我々が目指すのは、三越でも高島屋でもありません。新宿伊勢丹です」

 

それを聞いていた僕の頭の上には、「はてな」マークが無数に浮かんでいたことでしょう。

田舎から出てきて間もなかった僕にとって、百貨店と言えば、仙台の駅前にあった西武であったし、仙台にあった三越だったからです。正直、伊勢丹という名前は、ぼんやり聞いたことがある程度だったので、当時はその人が言う意味がわかりませんでした。

 

今では、よくわかりますが。

 

伊勢丹新宿本店は、単体としては世界一の売り上げを誇ると言います。

 

売上高約2350億円。

年間の来店者約3000万人。

 

もちろん、百貨店業界のトップに君臨しています。

 

その伊勢丹が、100億円をかけて大改装を行いました。

それについて、社長の大西さんが言っていることが興味深い。

 

「今、変わらなければ、百貨店という存在そのものが必要とされなくなる」

 

トップランナーだからこそ感じることができる強烈な危機感。それがあったからこそ、今の地位に甘んじることなく変化を求めたということでしょう。

 

大改装のために、招聘したのが、デザイナーの森田恭通さん。

 

TBSの『情熱大陸』などでも出演されたことのある、世界的なデザイナーです。

 

彼が創る空間には、人が吸い寄せられる。

 

森田さんが打ち出したアイデアは斬新なものでした。中央の部分を「パーク」と見立てて、まさしく公園のようにして、そこを中心として、回遊性をもたせて、お客様が買い物をしやすくする。

それまでの区割りの常識を打ち破ったアイデアでした。

ただし、「パーク」を実現するためには、売り場面積を約10%ほど縮小せざるを得なくなる。

もちろん、スタッフの皆さんは戸惑います。

これまでなら、増床によって、売り場面積を拡大するリニューアルがほとんどで、それなら、売上を拡大するのは容易だったのに、今回は、減らして、なおも売上をとっていくという。

ただ、人間とは不思議なもので、追い詰められると、パワーがでるものなのですね、アイデアもでるものなのです。

 

それなら、利益率が高い商品をしっかりと売っていかなければならない。

 

そこで、バイヤーたちが考えたのが、世界的なブランドとコラボして、伊勢丹でしか買えない商品を開発することでした。

ただし、オリジナル商品は、買いきりのため、リスクが大きい。売り切れれば、利益は大きいが、売れ残れば、損失が大きくなる。けれども、そういった、緊張感こそが、いい仕事、いいアイデアを生むのだろうとおもいます。

 

名著『1坪の奇跡』には、日本が誇るアントレプレナー伊神さんの、こういう言葉が上げられています。

 

「なければ、頭を使えばいい」

 

また、この言葉は、『売れ続ける理由』の著者、秋保さいちの佐藤社長を訪れた際に受けたアドバイスの中にもありました。

 

「ないということはいいことです。必死で考えるようになりますから」

 

こう考えると、ほとんど徒手空拳で始めようとしている天狼院ですが、ないことが何と幸せなことだろうと思えてなりません。

僕は文字通り、ない故に、日夜アイデアを絞り出しております。

今年に入ってみた夢のほとんどが、天狼院書店に関することだったと言っても言い過ぎではないでしょうし、本当に四六時中、そのことばかりを考えております。

それは、きっと、「ない」から必然的に考えざるをえないのでしょう。先人たちの言葉通り、やはり、ないとはいいことなのだろうと思います。

もし、僕の手元に、どうとでもできる資金5000万円がぽっと積んであったら、きっとこんなに考えなかったでしょう。

僕が天狼院を成功させることができたのなら、その原因は、考えぬいたからだろうと思います。

そして、その考えぬいた前向きなビジョンと夢に対して、多くの方が、共感してくれるからだろうと思います。

 

新宿伊勢丹が、これから先、どう進化していくのか、勉強しつつ、僕は天狼院書店1店舗目の東京天狼院のために、フルスロットルで準備を加速させたいと思います。

 

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