夢をかなえるよりもはるかに難しいことがある。《天狼院通信》
2016年2月19日、22:29。
今、僕は京都から東京に戻る新幹線の中で、これを書いている。
京都の物件も決まり、いよいよ、僕の夢のひとつであった「京都天狼院」が実現に向けて、大きな大きな一歩を踏み出した。
これは「世界最高の書店を創る」というミッションの元に、天狼院スタッフも、関係企業さんも一丸となって推し進めるプロジェクトでもある。
また、水面下で天狼院に関して、様々な話が進んでいる。
まだ公にはできないが、未来に対して相当な抜け感がある話ばかりだ。
そんなさなか、先週のある日、僕に一本のメッセージが届いた。
それは、様々なメッセージやメールが飛び交う中で、下手をすると、対応処理すべき案件のひとつに埋もれてしまうかのようだった。
ところが、そのメッセージは、改めて思い返してみると、そして、二十代の僕の人生をかえりみるに、とても重要な内容であることに改めて気付かされた。
その短いメッセージにかかれていた内容は、若い時から抱いていた夢が叶うということだった。
もちろん、嬉しかったが、狂喜乱舞したか、といえば、そういうわけではない。
自分でも意外なことに、淡々としていた。
それよりも、期待してくれる人のためにも、しっかりと結果を残そうという気持ちのほうが強かった。
そして、何よりも、同じ夢を抱く仲間たちのために、道を切り拓けることのほうが嬉しかった。
こう言ってはなんだが、僕自身が、夢を叶えることはそんなに難しいことではないと考えている。
というか、想い描いている夢は、ことごとく、叶えなければ意味がないし、自分なら普通にやるだろうと、衒うでもなく至極当然のように想っている。
なぜなら、僕は自分が努力を続けることを知っているからだ。
動いている限り、幾度となく失敗しても、立ち上がって最善を尽くそうとすることを、知っているからだ。
僕は、努力を厭わないし、果敢に挑戦するし、失敗からの回復力も極めて強い。
それは、今までの人生が物語っている。
難しいのは、僕ではない誰かに、夢を実現させることだ。
自分が夢を叶えるよりも、人に夢を叶えさせるほうがはるかに難しい。
たとえば、僕より、はるかに才能がある人がいたとしても夢を叶えさせられるとは限らない。
僕から客観的に見て、夢を叶える可能性が極めて高いとしても、その人が、それに向かって一直線に努力するとは限らないからだ。挑戦するとも限らないし、一度や二度の失敗でくじけずに立ち直るとも限らない。
厄介な話だが、僕ではない、僕が関わる人に、夢を叶えてもらうこと自体が、僕の夢になってしまっている。
つまり、僕だけがひとつひとつの夢を単発的に叶えることは、総体的な意味で、僕の夢を叶えることに当たらなくなってしまったということだ。
人に夢を叶えてもらうことによって、はじめて、僕の夢も叶うことになる。
実に、難儀な夢である。
しかし、僕は、この難儀な夢を叶えるべく、今、着実に動いている。
去年の12月にローンチした「天狼院のゼミ」やこれからローンチする「プロフェッショナル・ゼミ」、そして、天狼院のスタッフのために設けた「ライセンス制度」が、僕の総体的な夢を大きく後押しすると思っている。
もちろん、僕は人に努力させることも、挑戦させることも、失敗から立ち直させることもできないが、少なくとも、努力し、挑戦し、失敗を繰り返し、また努力をするというサイクルを回すことによって、より夢が実現しやすい環境が構築されつつあると思っている。
そして、ひとり、ふたり、とその中から夢を実現する人が現れてくれば、「トキワ荘現象」が起きるだろう。「あ、となりで努力していた◯◯さんがデビューできるんなら、自分も行けるだろう」と、明るい未来を描けるようになって、それが連なって、自分の夢に没頭し、ある種の「狂」の境地に到達する人が増えてくれば、実現する人がさらに増えてくるだろう。
こうして、上昇螺旋が一度描かれると、きっと、それは二次曲線的な飛躍となって、その「場」に強烈な「上昇気流」のようなものが巻き起こるんだと思う。
僕は、天狼院をそうした「場」にしたいのだ。
そして、それは、叶う夢だと僕は信じている。
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