天狼院通信

僕がもっとも狂おしいと思う「快楽」についての話をしよう《天狼院通信》


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はじめに断っておくが、僕は正真正銘の「M」である。

「ドM」である。

それについては、抗弁のしようがない。

間違いないのである。

 

気づいたのは、実は、最近のことである。

 

それまで、僕は「S」だと勝手に思い込んでいた。

長男だし、わがままだし、結構、人が嫌がっているのを感じつつ、感じない振りをして、グサグサと言いたいことを言って、相手の額にうっすらと浮かんだ青筋を無視して、素知らぬ顔で鼻歌を歌ったりもする。

独善的であるし、下手をすれば、唯我独尊的であるし、もう、気に食わないとなれば、徹底して気に食わない性分だ。

ま、生来のいじめっこでもある、きっと。

 

なので、なんの疑いもなく、僕は「S」だと思っていた。

 

ところが、たとえば「天狼院秘本」でとんでもない才能や作品を見つけて、その作り手に対して強烈な嫉妬心を抱きつつ、やけくそのようにその本をまさに「ファナティック」に売るときに、自分が作り上げた「Web天狼院書店」という仕組みの中で、ABCユニットを教えたスタッフや受講生の方が、ネット上でハイパーバズを起こして、講師である自分を悠々と越えて行こうとしているときに、「狂」とでもいうべき、おそらく起源が暗黒の感情がメラメラと胸で燃え広がるうちに、どこかで臨界点を迎えるのだろう、ふっと、鮮烈な快楽の境地へと、ひとり、達してしまうのだ。

 

このときの震えるような「快楽の極地」は、誰にも理解されないだろう。

 

自分がその分野で覇を唱えようとしたとき、それに対して夥しい時間を費やしたという、血の滲むような歴然たる足跡があって、その歴史さえも無意味にしかねない、自身に対する他者の凌駕を「快楽」と正真正銘感じるのだとすれば、僕は、いったい、何者なのだろうといささか悩んだりもした。

 

そこで行き着いた結論が、「M」の一字だったということだ。

 

最初に断っておくが、断じて僕はそうではないが、いや、断じれば断じるほど、いよいよ怪しくなるが、それを覚悟で断っておくと、僕は決してそうではないが、世の中に存在する「ネトラレ」なる感覚に、あるいは近いのかもしれない。

世の中で一番大切に想う異性を、他者に蹂躙されたときに、最大限の快楽を覚える種類の人間がいるという。

本来、一番起こってほしくないことが現実として起こってしまうと、なぜか、人はそれに激しい快楽を覚える。

 

たぶん、僕に起こっていることは、これに近い。

 

天狼院に綺羅星のごとく才能が集まって、まるで惑星の引力のように天狼院の境界なき外縁を周回し、決して離れることがないのは、もしかして、僕が持つ狂気じみた「M」性が原因かもしれない。

それがある種の強烈な「磁場」となって、才能を引き寄せるからなのかもしれない。

 

そうとでも考えなければ、今、天狼院に起きていることを、どうにも説明ができないのだ。

 

まず、川代紗生が現れたときに、偶然だと思った。

天狼院が早稲田に近いゆえに、立地がもたらした偶然に過ぎないと思っていた。

 

ところが、京都の三宅香帆がわざわざ天狼院に来たときに、なんだろうかと思うようになった。

ま、宝くじが2回連続で当たる人も、世の中にはいるだろう。

確率論的に言って極めて稀だけれども、そういうことだって、世の中には起こりうる。

 

けれども、一年間雌伏していた山本海鈴が本領を発揮し始めたとき、なんだか、すごいことになっているな、と人事のように、半ば物語を傍観するように思ったものだ。

 

そして、野呂美紗貴が、ルーキーながらメディアグランプリでチャンピオン争いを繰り広げるようになり、イベントでも、編集でも類稀なる才能を発揮し始めるにいたって、これは、とんでもない事態が起きているのだと目の覚めるような想いで、考えざるをえない状況になった。

 

強く光る、あるいは、これから間違いなく光ると思える才能ほど、たくましく、独自の惑星の軌道を描きながら、周回を重ねて、天狼院から離れないのだ。

 

彼女たちばかりではない。

あるいは、迷い、他の綺羅びやかな才能に嫉妬し、自信を失い、他者責任的な責任転嫁を人生においてしたくなりながらも、なんとか踏みとどまり、周回し続けることによって、自らの軌道を、少しずつではあるが、ある種の手応えでもって、探し出しつつある子もいる。

 

僕は、懸命に周回する彼女ら彼らに対して、僕を越えていくことを心から希求しているのだ。

 

それが、きっと、彼女たちにも伝わるのだろう。

僕が、超えられることを「快楽」としていることを、おそらく、どの意識レベルかしれないが、彼女たちは確かに感得しているのだろうと思う。

 

それは、お客様も同じである。

 

僕よりはるかに実績を残し、才能がある書き手やライターは世にあまたいる。

けれども、「天狼院ライティング・ゼミ」は、極めて隆盛である。

新しい期に入っても、前の期よりも加入者数が多い。

今日現在で、すでに新しい期のメンバーが82名を超えた。
おそらく、5月末までには、110名を超えるだろうと思う。

 

それも、きっと、ABCユニットという「コンテンツ」に優位性があることはもちろんのこと、それ以上に、僕のこうした「快楽」ポイントを、受講生の皆様に感じ取ってもらえているからだろうと思う。

そう、僕は、心から超えられたいのだ。

スタッフにも、そして、お客様にも。

 

人に超えられるために、僕はこれからも実績を残していくだろう。

そして、あらゆる分野で、「プロ」となっていくだろう。

 

僕が「プロ」の肩書きを意識的にか、無意識的にか増やしているのは、とてもわかりやすい図式を作りたいからだ。

 

すなわち、その分野において、僕を超せばその人は「プロ」レベルであるという、明確な指標となりたいのだ。

 

そう考えると、これまでの自分の軌跡にも納得が行く。

 

僕は、超えられることによって、最大限の「快楽」を覚えるという稀有な生き物である。

 

だからこそ、人と競いながら、人を伸ばしていくことに適性があるのだろうと、最近になって気づいたのだ。

 

まだ会ったことのない、未知なる「快楽」をもたらしてくれる存在に、これからも出会えることを、日々、楽しみにしている。

 

そう、僕なんぞ、越してしまえばいいのである。

 

 

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2016-04-17 | Posted in 天狼院通信

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