【ちはやふる、俵万智、そしてあの純文学に合う!?】 YUKI好き書店員が、本気であの本にピッタリな「テーマ曲」を選んでみた。 《天狼院スタッフの勝手にテーマソング!シリーズ》
京都スタッフ三宅です!
スタッフの海鈴さんが、以前こんな記事「スピッツ好き書店員が、「小説」にピッタリな「テーマ曲」を選んでみた。《海鈴のアイデアクリップ》」を書いておられました。
わかる! わかりますよ海鈴さん!! イヤホンから流れてくる音の粒が、「もうこの物語のことを歌ってるようにしか聞こえない……!」って思うほど、物語の情景をつくる曲ってあるんですよね!!!
と、いうわけで、便乗企画。
私は歌手のYUKIが大好きなのです。もう影響受けまくった。というかね、他にも好きなアーティストはいるのですが、「聞いてて泣けてくる」って思うのはYUKIちゃんだけなんですよおおおお。もう聞いてて何度泣いたことか。JUDY AND MARY時代も好きだけど、ソロになってからの方がもっと好き。
と、いうわけで、趣味上等! だって好きなんだもん!!!!
「この作品と合わせて聞きたい、YUKIの曲」をご紹介いたします~~~!
小説、漫画、なんでもありだぜ!
聞いたことない方も、読んだことない方も、ぜひぜひご覧下さいませっ!
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1.YUKI「誘惑してくれ」(アルバム『BETWEEN THE TEN』収録)
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末次由紀『ちはやふる』
『誘惑してくれ』という曲は、YUKIちゃんが「若者への応援歌」と言ってた(どこでこの言葉を読んだのかは覚えていないのですが)ことを記憶しています。
さてそれに合わせるは、『ちはやふる』という漫画。(最近映画化しましたね! めちゃくちゃいい映画なのでオススメです!)競技かるたを題材にしていて、かるたに青春を懸ける主人公たちを描くスポ根漫画なのですが……
ここに出てくる「真島太一」というキャラが! もう! 『誘惑してくれ』がぴったりな男の子すぎるんですよー!!!
彼は、主人公(映画では広瀬すず演じる、かるた大好き女子高生)の幼馴染みで、主人公にずっと片想いしてるんですね。で、イケメンで勉強も運動もできる奴なのですが、ずーっと実らない片想いをしていて、かつ、かるたにだけは才能がないんですよ……!(泣)
そんな不憫なイケメンなのですが、彼の、主人公やかるたに対する、届かないものに憧れた苦しみや切なさや美しさが……もう、この曲ぴったりすぎて……!
いつも私はこの曲がiPodから流れてくると、太一を思い出して号泣してしまいます。(※不審者)
『ちはやふる』を読んだ皆さん、ぜひこの曲を聞きながらもう一度読み返してみてください。太一を応援したくなること間違いなしです!
そして読んだことない人、ぜひぜひぜひ聞きながら読んでください。私と一緒に太一を応援しましょう!!(そこかい)
2.YUKI「ひみつ」(アルバム『megaphonic』収録)
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俵万智『チョコレート革命』
次は歌集です! 俵万智さんの『チョコレート革命』。
実はこの歌集のほとんどが、不倫を詠った短歌。不倫をすることによって、罰を受けることも、苦しみや罪の意識に苛まれることも、誰かを不幸にすることも、全部引き受けて、なお詠われる短歌たち。
たとえば、
「焼肉とグラタンが好きという少女よ私は あなたのお父さんが好き」
「妻という安易ねたまし春の日のたとえば墓参に連れ添うことの」
「男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす」
……おうふ。なんつー生々しい。だけど切ない。まさしくチョコレートが溶けてゆきそうな瞬間が、ぎゅっと詰まっています。
そして、合わせる曲『ひみつ』も、不倫している女性の心情を歌った曲です。
「2人を写す記念写真は 残らなくってもいい 今の君が好い」
……おうふ。なんという歌詞。だけどこの、「今だけでいい」っていう感情が、『チョコレート革命』の短歌を彷彿とさせられてしまうんです。
もちろん、私には不倫を肯定する気はありません。が、それでもその一瞬に懸ける感情を題材にしたものに名作があるのもまた、事実だと思います。不倫なんて実体験ではできないからこそ、こうやって曲や歌集を味わうことができるのかもしれません。
3.YUKI「プリズム」(アルバム『PRISMIC』『five-star』に収録)
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池澤夏樹『スティル・ライフ』
はい最後は純文学いっときます! 池澤夏樹さんの『スティル・ライフ』。
私はもうこの本が大好きで大好きで大好きで………
そしてこの「プリズム」という曲も大好きで大好きで大好きで………
で、なぜこの大好きな二つがかぶるのかといいますと。
この『スティル・ライフ』という小説は、
「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない」
という文章から始まるんですね。
そして、「きみの意識は、外の世界と、きみの中にある世界の境界の上にある」と言います。「大事なのは、外の世界ときみの中の世界との調和をはかることだ」、とも。
これって、よく忘れがちな事実だと思うのです。世界は私のためにあるわけじゃないけど、私の中にだってちゃんと世界がある。その調和をとることが大事なんだってこと。
そしてYUKIの『プリズム』という曲は、この「調和をはかる」ことを思い出させてくれる曲なんです。自然とか外の世界と、自分が、一体になりつつ距離があるということ。
たぶん、『プリズム』も『スティル・ライフ』も、自然と自分ってテーマだからなんでしょう。
日常に疲れた時、ふっと思い出して、聞いて、読んでみるのがいいかな、と思います。
きっと癒されて、ああ頑張ろう、って思えるはずです。
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こうして見ると、どれも私の趣味全開な大好きな作品ばかり並べてしまいましたね……やっぱりジャンルは違えど、好きなポイントは同じなんだろうな、と思います。
しっかし、ほんとに大好きな曲に合う本や漫画を探してみるの、めちゃくちゃ楽しいのでオススメです!
単品で味わうのも楽しいけれど、自分でセットを見つけてみると、なお楽しめる。
今回はYUKIちゃんでしたが、ほかにも「こんな本と音楽が合いますよー!」と思った方、ぜひ天狼院でお聞かせください! お待ちしております!