【答えが運ばれてくるまでに】切望していた大手からの内定を辞退してみて、わかったこと《直接は伝えられないからこの本を君に贈る》
皆さま、こんにちは。私、東京天狼院スタッフのみはるでございます。天狼院の記事でお目にかかるのは、かなーりお久しぶりです。
というのも、私
ここ4ヶ月くらい「就活」に必死だったために、東京の店舗に顔を出すことも、たくさんある天狼院のイベントを手伝うことも、ましてや記事を書くなんてことも、してなかったんです。完全に天狼院ボイコット状態でしたすみませんでした。
いやー、辛かった。本当に辛い4ヶ月間でした。我ながらよく頑張ったなと思います。もう、一生やりたくないです、ええ。
とは言っても、完全売り手市場(学生が有利な就活市場のこと)だった今年の波にうまく乗ることができ、比較的早い時期に内定をいただいた方で、恵まれた就活生だったと思います。そして、いくつかの内定先の中から、先日ひとつの企業に就職することを決めたばかり。就活終わりたてホヤホヤです。
そんな私が、この記事を書こうと思ったのは、決して自分がしてきた就活や考え方が正しいことを証明するためとか、人より少し早く就活が終わったことを自慢したいとか、辛かったことを羅列して頑張ったねと褒めてほしいからとか、そういうことでは一切ありません。
就活を終わらせ、実家に帰って報告をし、一息ついた今。
経団連の面接が6月1日にやっと解禁して、面接真っただ中で頑張っている同期が多い今。
自分が死ぬほど悩んで、吐きそうになりながら考えて、心身共にボロボロになりつつ乗ってきた就活の波や飲まれそうになった渦の中に、彼らがいるかもしれないなら。
周りが見えなくなる私の手を引いてくれて、いつも一人で引きこもる私を助けてくれる、なんだかんだ優しい彼らを
私は「どうにかして応援したい」そう思ったのです。
不器用な私は、一番辛いときかもしれない彼らに直接声をかけていいかも、何て言う応援の言葉がベストなのかも、正直わかりません。
こうやって今、文章を書くことにしても
これが正しい応援の仕方なのかなんて確証はありません。でも、たくさんの人が書く天狼院の記事に、私は何度も励まされ、鼓舞され、考え方を変えてもらいました。だから、私も彼らにとってそんな存在になりたいと、今強く思っています。
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少しずつ就活を意識し始めた3年生の頃、私は周囲に
「絶対有名な大手企業にはいりたい」と言いふらしていました。大きな仕事ができそうだから、安定だから、みんなが知っている企業の方が当然鼻が高いから、考えられる理由はたくさんありましたが、何でそう思うのかは自分でもはっきりわかっていませんでした。
「就活は辛く、苦しいものだ」「なかなか内定なんて出ず、死ぬ思いをするはずだ」「自分の望む未来なんて、きっと手に入らない」と思い、就活を始めました。周囲には強がっていましたが、自分がどこかの企業から必要とされるような人間だという自信はなく、内定をもらう数ヶ月後の自分なんかは全く想像できませんでした。
俗に言う「みんなが知っている大手企業」を中心に就活をするはずの自分は、きっとたくさんの企業に落とされ、自分なんて世の中に必要ないんじゃないかと自暴自棄になり、内定が出ないことに苦しみ、焦り、夏直前にやっとひとつ出た内定先の企業に就職する、そんな就活をするだろうと想像し、そこに不安はありましたが、何の違和感も疑問もありませんでした。
しかし実際のところ
そんな私が就活で最も悩み辛かったことは「内定が出ない」ことではなく、「自分が何を目標に就活をしているかわからなかったこと」であり、最終的に決めた就職先は「みんなが知っている大手企業」ではありませんでした。
これはおかしい、想像していたのと違う、悩むと思っていたことが、辛いと感じるはずの時期が、結論が、私の就活計画にはないものばかり、とすごく戸惑いました。元々、イレギュラーな事態への臨機応変な対応が苦手な性分ではありましたが、そのときには必ず助けてくれる人が周りにいたので、特別困ったことはありませんでした。だけれど、今回ばかりは溺れている私を見つけてくれる人も、浮き輪を投げ入れてくれる人も、存在せず、手足をバタバタし続けることが精一杯でした。
自ら声をあげ、助けを呼ぶことすらできなかったのは、他のみんなは何らかの「就活の目標」というゴールに向け、自分とは違うルートを進んでいたことと、進むスピードに大きな差があったからでした。
自分の好きなことを仕事にしようとしている人、自分が成長できる最も厳しい環境に身を置く決意をした人、年収が高い企業を受け続けている人、安定し長く働くことのできる生活を求める人、ずっとはいりたい企業があった人、みんなそれぞれに手に入れたい未来があって、それに向かっていました。ただ、彼らが求めるたくさんの未来というものに、私のそれは一つも当てはまりませんでした。
至極普通で王道な選択、それが自分にとって最も正しいことなのだと信じて疑わなかった自分と、その未来がわからなくなったとき、私は就活中初めて焦りました。
とても早い時期だったと思います。
「自分は何を目標に就活をしているんだろう」
こんなモヤモヤはいくら考えても消えることはなく、こんな初歩的なことを誰かに相談する気にもなれず、ただひたすらに悩んでいました。整理できなくても、時間は1週間、2週間、1ヶ月と過ぎ、その間もちろん就活は進み、どんどん次のステップに進んでいるだけの自分が情けなく、目標が見えていない自分が何故最終面接に近づけているのか、気持ち悪くもありました。
このときには既に内定を一つもっていました。
これも、とても早い時期でした。
終始、目標なんてわかっていなかったものの、この企業には素直にはいりたいと思っていたところからの内定。当然、就活を辞めてもいい状況でしたが、ここから2ヶ月私は就活を続けることになりました。
「自分は何を目標に就活をしているんだろう」
内定を一つもらったところで、このモヤモヤは消えてはくれなかったからです。じゃあ、たくさん内定をもらえば、複数の中から選べる立場になれば、比べた上で自分が決めた選択なら、モヤモヤを消せるかもしれない。目標が何だったかわかるかもしれない。そう考えました。ここから、他2社の内定をもらうまで2ヶ月ありました。
もらってみて、わかりました。モヤモヤを消す術は内定の数でもないこと。考えてみれば当然のことでした。会社の規模や風土、社員の雰囲気、制度等、様々な条件が全く違う3社を何で比べればいいのか、目標がわからない私は均等なものさしなんて持っていませんでした。むしろ、それができるのは目標を持っている私以外の彼らの方でした。
「自分は何を目標に就活をしているんだろう」
こんなことを悩み続け、さすがに就活を続けることへの気力も体力も限界に近づき、半ば考えることを放棄する形で就活を終えようとしていたとき。
答えが運ばれてくるまでに
という一冊の本のワンフレーズを読み、気づいたときには、
内定をもらっていた大手企業、選考途中の大手企業、すべてに辞退の電話をしていました。
1年前、「絶対有名な大手企業にはいりたい」と言っていた自分からすれば信じられないことでした。でも、ボヤっと思っていた「大手企業にはいりたい」ことの理由は1年経っても見つからなかった一方で、一冊の本のたったワンフレーズだけで、この行動こそが、今の自分にとって正しい選択なんだと気づきました。
最終的には、最初に内定をもらった企業に来年の4月から就職することにしました。今思えば、素直にはいりたいと直感で思った企業はここだけで、何を自分は迷っていたのか不思議なくらいです。
私は、好きなことを仕事にしたいわけでも、ずば抜けた成長意欲があるわけでも、お金持ちになりたいわけでも、仕事に安定を求めているわけでも、憧れの企業があるわけでも、何でもありませんでした。
だから
それらの未来を目標に頑張っている彼らを、私は本当にすごいと思います。
ずっと
「自分は何を目標に就活をしているんだろう」
と悩み、結局答えは出ませんでした。
だけれど、就活を終えて
「自分は何のために働くんだろう」
と考えたとき、すぐに答えが出ました。
私は、私の周りの人のために働きたいんだ、と。
きれいごとだと笑う人もいるだろうし、社会はそんなに甘くないと思う大人もいると思います。大企業で大きな仕事をした方がたくさんの人のためになるだろうし、誰かのためにならない仕事なんて正直ないとも思います。
きっと、どの仕事に就いても誰かのためにはなっている、そんなことは就活をする前からわかっていました。
ただ、私がはいりたいと思った企業の社員さんを見ていると「私は、ここで社会人になりたい」と思います。彼らと仕事をして、彼らのために、この会社のために働きたいと強く思います。
私はまだ、自分の小さな世界を守るために必死で、自分の見えている範囲でしか何かを成し遂げようとしていないだけなのかもしれません。
でも、私は、
この記事を見て、読んでくれた人が、少しでも「こんな人でも何とかなるんだから、自分も大丈夫」と自信を持ってくれたら、モヤモヤ解決の糸口になれば、こんなに嬉しいことないと思える人間です。だから、これが私の正解なのです。
***
「答えが運ばれてくるまでに」を読んで、わかったこと
私なりの就活を終えてみて、それが確信に変わったことがあります。
迷ったとき、最も使えるのは自分の直感である
そうです。難しいことを考えるくらいなら、自分の直感を信じて、もうその後は何も考えないのが
一番だと、声を大にして言いたいです。
就活の波や渦に飲まれても、浮き輪や岸が見えなくても、自分の直感を信じて、進んでみてほしい、この言葉が彼らの助けになればと強く思います。
自分はこれまでずっと後ろから誰かに支えられて、助けられて、それなりに楽しく生きてくることができました。
だから、これからは自分が誰かの支えになれるような、誰かのためになることができる人間になりたいです。まずは、近くからということで、私の周りの就活生に向けて、記事を書くことからスタートしてみました。
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