チーム天狼院

女の子は誰でも可愛いわけじゃない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:秋田珠希(チーム天狼院)
 
 
「女の子は誰でも可愛い」
漫画やコスメ用品の広告でよく使われるこの言葉に、私は反論したくなる。
 
中学生の頃、授業中にあった話だ。
「えー私やだ。適当にやっておいてよ」
グループワークで仕事を振った私に、一人の女の子が呑気な声で言ってきたのだ。彼女は目の大きくて彫りの深い、可愛い顔立ちをしていた。その一方、トラブルメーカーとしても有名な子だった。
作業内容は、班ごとに受け持ったテーマを調べてまとめる、というよくあるものだったが、さすがに一人抜けられるのは困る。
「なんでよ」
「だってめんどくさいもーん。じゃ、よろしくー」
彼女は手をひらひらと振り、他の班の所におしゃべりしに行った。
「信じらんない……」
こっちは真面目にやっている。全員に平等に仕事を振り、締め切りに間に合うようにすることまで、自分の担当に加えてやっているのだ。
そうしたら、同じ班の男子が信じられない発言をしたのである。
「じゃあしょうがないね」
本気で殴りたくなった。
そのあと全員で彼女のやる気を出させる羽目になり、なんとか作業は終わった。
それだけ自由な彼女だったが、なんだかんだ可愛がられるのだ。
これだけサボっていた後も、彼女の周りには人が集まる。今回同様、「しょうがないね」と許される。
なぜなら彼女は可愛いから。
 
女子の人権は可愛さで決まる。
存在価値が可愛いかどうかで常に計られている。
それは、幼稚園生から今に至るまで同じだ。
ちなみに注意しておくと、「可愛い」は外見だけではない。顔、仕草、体型、性格、全部含めて「可愛い」だ。
先述した可愛い彼女の気まぐれも、女の子らしいといえば女の子らしい。
もちろん、学力や運動能力など、他にも評価ポイントはある。
けれど、可愛さは人に好意を持たせるという点でずば抜けている。人から好感を得ていた方が、日々過ごしやすいに決まっている。
最近幾つになっても「女子」という言葉を使いたがるのも、言葉の可愛さからだろう。「女」より「女子」の方が乙女チックで可愛い感じがするから。
可愛く見られたいという気持ちに、年齢は関係ない。
 
幼い頃、私は背が高く、可愛いという感じではなかった。
褒められ方が、「しっかりした身体つきしてるね」なのだ。もはや褒めてない。確かに日焼けしていたし、食べるのも好きだったから細くはなかった。
性格的に誰かに頼ることをあまりしなかったことも、可愛気のなさに影響していたのかもしれない。
だから、周囲の女の子にものすごく劣等感があった。
周りがみんな可愛く見えた。細くて小柄な友人といると、自分が不細工でいかつい巨人になったような気がした。
クラスメイトに幼い頃の写真を見せても、隣に写ったいとこが褒められるという具合で、私は劣等感を年々加速させていった。
「私、女子としてはB級品なんだな」
そう思った時、私は自分を諦めた。
 
それから10数年ほど経ったある日のことだ。
「秘めフォト撮ってみない?」
と、三浦さんに、軽い感じで誘っていただいた。秘めフォトはよく知らなかったが、宣伝として「自分至上最高にSEXYな一枚を撮る」とHPに載っているのは見たことがあった。
「セクシーな写真って……服脱いで写真撮るの!?」
と思ったので記憶に残っている。
その時はちょうどこれから秘めフォトの撮影会が行われる時で、お客様が来る前の試し撮りみたいな感じだった。
「ええと……」
今!? 私!? もっと適役がいるんじゃ……と思ったが、見せてもらった他の方の写真があまりにも綺麗で、撮っていただくことにした。
「はーい、いいね、視線こっちにくれる?」
驚くほどの薄着で、言われるままに撮っていただいた写真を見た時、私は思わず目を見開いた。
「え、綺麗……」
思わず口走っていた。
自分で言ってるしと笑われた。私自身も驚いていた。
私には言えるはずのなかった言葉だった。だが、本当にそう思ってしまったのだ。
一応自己弁護しておくと、何も私だけが綺麗だと思ったわけではない。見せていただいた女の子の写真、すべてが綺麗だった。
肌は乳白色の柔らかい光に包まれていて、瞳は潤んだように光を映していた。西洋画の裸婦像みたいだ。自分のこんな写真、見た事なかった。
面白かった。自分の知らない自分がどんどん現れた。
「悪くないじゃん」
撮影が終わる頃には、そう思えるようになっていた。
 
もしかしたら、可愛さは魅力の一つなのかもしれない。
秘めフォトからの帰り道、私は素直にそう思った。
魅力、という大きなものがあって、可愛さはその中の一つの部門に過ぎないのかもしれない。
人権だったのはその人の魅力で、可愛さではなかった。
だから、自分は可愛くないと落ち込んだり、卑下する必要はない。
可愛いという枠に当てはまらなくても、かっこいい、綺麗、美しい、セクシー、優雅など自分を魅力的に見せる方法は他にあるのだから。
 
私は、今でも「女の子は誰でも可愛い」という言葉に反論する。
「そんなわけないよ」
可愛い、という言葉の枠にとらわれずに済むように。
 
 

▼秘めフォトについてはこちらから▼

【全国4会場/東京/福岡/京都/名古屋】自分史上最高にSEXYな1枚を撮る「秘めフォト部」!新しく「SEXY」な自分を見つけて明日に自信を持つための女性限定フォトサービス!《女性限定/初めての方大歓迎》


 
 
***
 
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

【間もなく開講!】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《全国通信受講対応》


 

天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
東京天狼院への行き方詳細はこちら

天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階

天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5

【天狼院書店へのお問い合わせ】

【天狼院公式Facebookページ】
天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。



関連記事