上手に歩く方法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:秋田珠希(チーム天狼院)
「あなた、歩くの下手だねぇ」
肩こりが酷くて整体を受けに行ったとき、整体の先生に言われたことがある。その先生とは、初対面の時のことだ。
「え?」
きっと私はきょとんとしていたと思う。
歩くというのは当たり前の動きであり、歩き方に上手い下手あるのかなんて考えたことがなかった。
「歩くときはね、親指の付け根に力を入れて地面を蹴るの。それで、かかとからまっすぐ着地するんだよ。靴紐もきつく締めて」
たしかに私は、足の外側に体重をかけるくせがあった。
それに、地面を蹴るというよりも、しっかり足を上げず、ズルズルと引きずるように歩くことが多かったかもしれない。
靴紐も緩く結び、突っかけるように履いていた。
それから姿勢を伸ばす!と先生は言って、
「下手な歩き方をしていると、骨とか筋肉が歪むよ。気をつけてね」
と続けた。
私は驚いていた。生まれてこのかた、日常的にしてきた歩き方は、自分の身を歪ませる原因になっていたのだ。
そう言われてから意識してみると、ネットや本で「正しい姿勢で◯◯キロ痩せた!」とか「歩き方に注意することで脚やせが叶う」などのタイトルは多かった。
普段何の気なしにしていることが、自分に害を及ぼしていた。できていると思っていたことができていなかった。
何より、無自覚というのが恐ろしい。
歩き方と同様のことが、ネット検索でも起きているらしい。
「ネット検索って意外と下手な人多いんだよね」
高校のときに教わっていた先生が言っていた。進路担当の先生で、とても冷静に物事を見る人だった。
ネット検索の方法は、誰でも知っている。
ネット検索とは、言うまでもなく検索バーに自分の知りたいことに関するキーワードを入れて検索ボタンを押すというものだ。
インターネットを使う者としては、当たり前すぎて書いていて馬鹿らしくなってくるほど一般的なものだ。
それなのに、どうやら上手い下手があるらしい。
その先生には、「どうしましょう」とか「思いつかないんですよ」というたびに「調べろ」と言われた。
「とりあえず調べてみるの。頭の中に浮かんだ言葉を並べて、検索かけてみるんだよ。なるべく具体的な言葉で」
そう言われては、やってみるしかない。おかげで、目的の記事を探し出すのが随分速くなった。
例えば、最近私は歯の違和感で悩んでいた。
歯なのか顎なのかはわからなかったが、とにかくその辺りに違和感があった。疲れているときは特に、歯が歯茎から浮いてグラグラするような感覚があった。
困ってはいるが、歯医者さんに行くほど緊急事態ではない。
そんなときはネット検索である。
私はとりあえず、「歯 浮く感じ」で検索をかけた。そうすると、デンタルクリニックの記事がヒットする。
その記事によると、どうやら歯と顎の骨の間にある歯根膜がダメージを受け、リンパ液の流れが悪くなったことによるものらしい。原因は複数あるが、どうやら無意識に歯を食いしばっていたことが原因のようだとわかった。
その他の記事も見てみたが、大体似たようなことが書いてある。対処法も載っていたので、それもチェックした。
めでたしめでたしだ。
こんな風に、検索するときは、まず自分の状態や疑問をどうにか短い言葉で表す必要がある。
それが「モヤモヤ」とか「歯が浮く感じ」といった抽象的な言葉であってもいいから、とにかく言葉を探す。
そういった言葉をいくつか並べ、記事を絞り込む。
検索をしてみて、もっと短くわかりやすく状態を表していると思う言葉があれば、その言葉で検索をかけてみる。
検索がもっと下手だった時は、ネットに合わせた言葉に変換するという発想がわかず、「こんなの検索できない」と諦めてしまっていた。
もしくは多くの記事が当てはまるような言葉を入れるから、情報を絞りこめなかった。その結果、目的の記事にたどり着けなかったのだ。
ネットには膨大な情報があるのに、検索が下手なせいで自分に本当に必要な情報がとってこれない。解決できる問題が解決されない。出会うべきイベントや人に出会えない。
これでは自分の可能性を狭めているのと同じだ。
それなのに自分が検索が下手だということに無自覚だから、直さない。他の人の検索のやり方を見て、「こういうやり方もあるのか」と気づくまで直しようがないのだ。
無自覚とは本当に恐ろしい。
「まずい」と思わなければ直すことができない。
自分の意識に引っかからなければ、検索することもできない。
それがその人にとって“当たり前”になってしまっているからだ。
仕方ない、と諦めていることやできていると思っていることを、本当に?と疑ってみること。
違和感を言葉にし、調べてみること。
それが、上手に歩くための秘訣だと思う。
(終わり)
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