【寝るのを惜しんで読み進めてしまった本】本を読むのが苦手な私でも、一気見してしまった本がある。《天狼院スタッフのおすすめ本①》
いつもお世話になっております。天狼院書店の田岡です。
実は、書店員をしてそろそろ2年が経つのですが、つい先日、「こら、自慢げにいうな!」と社長からも喝を入れられたことがありました。それは、
「本を全然読まない」
ということです。
いや、もちろん、めちゃくちゃ恥ずかしいです。「月20〜30冊、年には◯◯◯冊読んでいる私が……」と言っている書店員の方々を見ると、「どうせ私はしょぼい書店員だ……」と劣等感を抱くばかり。
でもでも、私も「全く」「一冊も」読まないわけではありません。
ただ、どうしても、途中で寝てしまったり、語彙力がないために漢字が読めない、言葉の意味がわからない、とスマホで検索し、いつの間にか読書が中断している……なんてことが、正直、あるあるです。
でも、そんな私でも、
「寝るのを惜しんで読み進めてしまった本」
と出会いました。
常にいつも眠たいと思っている(怒られる)こんな私に、逆に
「寝る時間がもったいない」
と思わせてくれる本。
最近あんまり本読んでないな、なかなか本読み進められない、と思っている方がいれば、
ちょっとこちらの3冊、手に取ってみてください。
『楽園のカンヴァス』
原田マハ著/新潮文庫
寝られない度:★★★★★
「7日間」というリミットを主人公と一緒に過ごしていくのですが、これがもう、
本当に目が離せないのです。
1日ごとに、ひとつずつ読み進めるか……と呑気なことは言っていられません。
ページをめくるごとに、“秘密”の正体が露わになっていって、
心拍数がどんどんあがっていきます。その中に、恋心が切なく絡んでくるのがたまらない。
そして、見事に伏線が回収されるんです。それが気持ちよくて仕方ないっ……!
「でも、私美術に疎くて……」という方でも楽しめるし(私も詳しくない)、美術関係に興味がある方はもっと楽しめる本です。
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
花田菜々子/河出書房新社
寝られない度:★★★★☆
この本はビジネス書の棚に置かれていてもおかしくない、と思えるエッセイ。
どん底にいる状態から、自分にできることを探して、未完成だけどまず歩いてみる。
うまくいかなければ、その度に改善して、もっとより良いものを目指す……。
とにかくエネルギッシュで、「花田さんどうなってしまうの?!」とページをめくる手が止まらないのです。
私たちの言葉が、選ぶ本が、こうやって人を繋いでいくんだ……と教えてくれます。
「今やりたいことが特にない」「このままでいいんだろうか」「一歩踏み出す勇気がない」「自分の殻を破れない」などなど
そんな思いが少しでもある方には、ぜひ手に取ってほしい一冊。
『そして生活はつづく』
星野源著/文春文庫
寝られない度:★★★★☆
「あぁ、星野源も、同じ人間なんだ」
私なんかが「わかるわかる」と星野源に共感するなんてとても恐縮ですが、
めちゃくちゃ親近感が湧き、なんだか友達になれそうと思わせてくれるのです。
別に特に星野源のファンです! というわけでもなく、
なんとなく曲も聞いたことある、ぐらいに思っていた私だったのですが、
ページを読み進めるごとに、「もっとこの人のこと知りたい!」とだんだん好きにさせられてしまうのです。ずるい、ずるすぎる。(女からも男からも好かれるのはこういう人なんだろうな……)
「ちょっとそこまで言って大丈夫??」と星野源が心配になりながらも、
星野源の絶妙な変態さとクソ具合(文庫版あとがきを読めばわかる最大の褒め言葉)がクセになる文章です。
・・・
……と、いうわけで!
寝るのを惜しんで読み進めてしまった本シリーズ、最初はこちらの3冊でした!
最近ガーッと一気に夢中になってしまう本に出会っていないな、
今日寝る気になれないな、なんて日にはぜひ読んでみてください。
※寝不足になってしまっても保証はいたしません。
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