【3月11日は天狼院に鍵を持ってきてくださいということだけ】みはるの古筆部屋
「やばい、やばい、やばい。また、かけてくるの忘れた……」
「あれ? ない! え、どこいれたっけ?」
「あ、家に置いてきた」
道端で急に焦り始めたあげく、異常に落ち込んでいるひとや、
建物の前でかばんの中をゴソゴソ漁っているひと、
ふいに「あ、家だ」とつぶやいているひとを見かけても通報しないであげてください。それはきっと高確率で私です。
どうして私が、こんな一歩間違えば職務質問をされてしまうような行動をとってしまうかというと……
よく鍵を忘れるからです。そもそも家に忘れたり、かけ忘れたり、どこにいれたのかを忘れたり。忘れ方のレパートリーってこんなにあったのかってくらい忘れます。こんなに忘れるのならいっそ鍵なんてかけなくていいのではないかと思うくらいです。それでも、今日も私は鍵をかけて出かけました。
では、なぜ私は鍵をかけたのでしょうか?
家にはお金や高価なものなど盗まれては困るものがあるからといったところでしょう。でもひとが鍵をかける理由が本当にそれだけなのかは甚だ疑問なのです。
私が小学生だった頃は交換日記が流行っていました。女の子の友達同士、4〜5人でひとつのノートを回し、文字通り順番に日記を書いていくというものです。通常は友達の書いた日記を読むだけなのですが、ときには何かしらのコメントを残すなんてこともありました。
そして、私たちはノートと一緒に鍵も回していました。もちろん、家の鍵ではありません。ノートの鍵です。そう、交換日記の鍵。私たちの交換日記には鍵がかかっていました。ノートの端に開いている穴に南京錠を通し、カチャっと鍵をかける。翌日にはノートと鍵を次のひとに渡す。そして、鍵を開けて日記を読んだり書いたりする。小学生だった私たちの交換日記には福沢諭吉が挟まれていることも、高価なアクセサリーが付いていることもありませんでしたが、私たちは鍵をかけていました。甚だ疑問です。
当時の私たちは、交換日記に鍵をかけることで日記の内容を自分たちだけの秘密にしていたのです。日記に付いている南京錠と鍵の両方が揃わないと日記の内容を知ることはできません。私たちは幼いながらに日記の内容を秘密裏に共有し、そのことを楽しんでいました。
ひとは、周囲に秘密にしたいことがあるときにも鍵をかけるのです。
そして、私たちの交換日記には内容を他言してはいけないというルールもありました。せっかく鍵をして誰にも見られないようにしている内容をしゃべってしまっては元も子もないからです。他のクラスメイトにバレないように日記の内容をこっそり話したり、親に日記の内容を言及されたりしても「秘密!」と頑なに教えはしませんでした。
そんなこんなで始めこそ楽しかったこの交換日記ですが、私は途中から続けることが辛くなりました。面白かったテレビの話や好きな男の子の話は日記に書きたい。でも、書いてしまったら他の友達や親に話すことができない。学校で友達に聞いた流行りのお店のことはその日の日記には書けない。完全にジレンマにはまってしまっていました。
限定されたメンバー内での秘密を持っていることは特別な感じがして確かに楽しかったんです。一方で、面白いことや流行っていること、好きな子の相談をみんなに共有できないことが辛くもありました。
鍵付きの交換日記をすることで私は、内容だけではなく自分の気持ちにまで鍵をしてしまっていたのです。
みなさんも当時の私のように自分に鍵をかけてはいませんか?
周囲に言っていない秘密がある→はい
本当は好きなのに、好きだと言えていないことがある→はい
それを言ったら変わり者だと思われるから言っていない→はい
ひとつでも当てはまった、そこのあなた!
自分自身で閉めてしまっている鍵を開けに3月11日に天狼院に来ませんか?
私は今回初めて夜ファナティック読書会のマスターを担当することになりました! 今回のテーマは“自衛隊に関する本”です!
私は自衛隊、特に航空自衛隊が好きなのですが、そのきっかけは高校生のときに読んだブルーインパルスの小説でした。空という真っ青なキャンバスに白いスモークで様々な絵を描く…… なんて素敵なんでしょう! その絵にもたっくさんの種類があって…… 語り始めるときりがありません!
私の地元の友人には自衛隊好きがたくさんいたのですが、上京してからはなかなか自分の自衛隊好きを周囲に言えずにいます。私もまだまだ自分に鍵をしたままです。ですので、自衛隊に関係することが好きだけど意外と誰にも言っていない方がいらっしゃいましたら、一緒に盛り上がりましょう!!
本の種類は小説、雑誌や図鑑など何でも構いません!!! テーマの拡大解釈やこじつけもドンドンきちゃってください!!
まずは下記のリンクからアクセスしてみてください!!
https://www.facebook.com/events/1690417941237081/
では、3月11日金曜日、19時より東京天狼院書店でお待ちしております!
あなただけの鍵(本)を持って、扉を開けに来てください!
【天狼院書店へのお問い合わせ】
TEL:03-6914-3618
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