チーム天狼院

【京大院生の読書術】私、ストーカーなんです。《リーディング・ハイ》


私、ストーカーなんです。

 

……というと、おそらく驚かれる方がいらっしゃるかもしれません。
だからあんまり大きな声では言えないのだけど、こそっとあなたにだけ打ち明けたいのです。
私のストーカー癖。

 

だって、好きになったら、ぜんぶ知りたいじゃないですか!!!
どういうふうにその嗜好が生まれて、何を思ってそれをしたのか。
ぜんぶ知りたいから、私は誰にも言わずに、ひっそりとストーカーを続けます。今日も。

それにしても、こんな風にストーカーを続けていると、たまに、何も知らない人から驚かれることがあります。
「なんでそんなに知ってるの?」
うん、ストーカーをしてることはバレていない。私は内心思います。

いやあ、私、ストーカーなもんで。
へらっと笑ってそう言うときっとドン引きされるでしょう。
だから、まぁ、好きだから、とかなんとかお茶を濁します。
ストーカーだから、なんて言えない。

 

……待って、警察に通報しようとしないで!

あの、一応ね、私のストーカー癖は合法なんですよ。

 

私は、単に「思考ストーカー」なだけなんです。

 

しかも、相手はほとんど死んでる人。

 

―――そう、私のストーカー相手は「作家」さんなんです。

 

**

 

というわけで、今日は私の「読書術」についてお話します。

といっても読書術なんて大層なものではありません。
「どうやって本を選んでるのか」という話です。

「いつもよく本読んでるけど、どうやって本を選んでるの?」
時々そんなことを聞かれます。
そんな時、逆にきみはどうやって選んでるの? って私が聞き返すと、
本屋に行って気になった本。ネットで取り上げられてた本。友達からオススメされた本。
大抵こんな答えを返してくれます。

「私も『なんとなく気になった本』みたいに選ぶことも多いけど、
それ以前に、たぶん私、ストーカー体質なんだよね」

私がそう言うと、「は?」とみんな怪訝な顔をします。

はい、上にも書いた通り、私、単にストーカーなだけなんですよね。
思考ストーカー。
ストーカーしたくなるほど愛が込もる相手が現実にはほとんどいないのが残念なような安心なようなって感じなんですが、
とにかく、相手はほとんど「作家さん」。
あるいは、なにかしらの「問い」。

私の読書は、ほぼ、―――あくまで合法的な―――「ストーカー行為」に収斂されるんです。

 

順番にご説明しますと……、

 

①作家さんへのストーカー

私は一度作家さんを好きになったら、その人ばかりを読んでしまうという癖がありまして。
もう、ある期間、その作家さんの思考しか頭の中に入れたくない!! というテンションで読みあさっていきます。
好きな作家さんの頭の中身をトレースしたいんですよね。
で、その作家さんの著作を読み終わった後、その人が好きな作家さんを読むんです。
膨大だと一気に読むわけにはいかないんですけどね。でも読む。好きな人が何を好きかって知りたいじゃないですか!
ちなみに私は恩田陸という作家が昔から大好きなのですが、恩田陸さんはほんと~~~にたくさんの本を読まれてまして(エッセイでもおすすめ本を多数紹介されてます)、私の読書が尽きないのは恩田陸ストーカーだからじゃないかと思います。ストーカー行為が追いつかない!

◆恩田陸好きにおすすめする本
『小説以外』(恩田陸、新潮文庫)
……この本にはたくさんの本がおすすめされてまして、まぁこの本に書いてる本を網羅するだけでも一年はかかりそうです。恩田陸ストーカー入門本。(恩田陸さん、気持ち悪いファンで申し訳ございません……)

 

②問いへのストーカー

問いっていうと大げさで、もっと単純な「お悩み解決」なんですけれども。
「なんで私はイギリスが好きなんだろう!」とか「どうしたら自己愛人間から抜け出せるだろう!」とか「日本って結局どんな国なんだろう!」といった「問い」が自分の中にあって、その答えをさがして、延々本を読んでるんですよね。
だから、その問いに関係しそうな本はストーカーのごとく貼り付きます。地の果てまで追っかけてやるぜって感じです。
悩みは尽きませんから、私の読書も尽きません。

◆問いを見つけるのにおすすめする本
『合本 AERAの1000冊』(AERA MOOK)
……佐藤優さんやヤマザキマリさんといった読書家たちの「問い」とその答えを見つける「本」を載せている、情報たっぷりな雑誌です。一冊持っておけば、本選びに役立ちそう。私もたまにめくって「おおこんな本が読みたかったのだ」とにやけています。

 

そんなわけで、私の読書はほぼこの二通りのストーカー行為に基づいてるんですね。
冷静に考えて大変気持ち悪い人間です。

ああ、この性癖が身の回りの人間に向かなくてよかった。本当に。気持ち悪すぎる。
あくまで作家さんや概念限定ですので、どうか許してくださいね。

 

私の読書術はこんな感じでしたが、ほかにも有効な読書術はたくさんあります!
漠然と読むことも楽しいけれど、自分の読書を見直してみるのもまたいい経験です。
あなたの本の選び方も、ぜひ教えてください!

そして天狼院書店のおすすめする読書術は、「読/書部」に入ってぜひ体験してくださいませ~~!

 

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