妄想上等!メルヘン上等!面白いものこそ正義でしょうっっ!!!~予約受付中・雑誌『READING LIFE創刊号』編~《三宅のはんなり妄想記》
『 ごうごうごうと、燃えています。
私は、ただ、息を飲みながら、見るしかありませんでした。
その、燃え朽ちてゆく、天狼院書店を。
―――話は数日前に、さかのぼります。
それは京都の大学生かつ京都天狼院店長である私、三宅香帆が、司馬遼太郎大先生の『国盗り物語』を読んでいた時でした。
全4巻のこの物語は、司馬作品の中でも大傑作との呼び声高し!魅了的なヒーローたち、緻密な構成、人物描写、文章、どこをとってもふひゃあ最高傑作ですねっと言わざるをえません。
今日も、おとものお酒は『安土天主』をちびちび。お菓子はしっとりずっしり羊羹をいただきます。
そして、4冊目を読んでいたところでした。うとうとしていた私は、気がついたら、
……それはそれはお美しいお顔を、目の前にしていたのです。
「ああ、久しぶりに使ってみたけれど、私もまだ陰陽道を使えるのね!嬉しい、成功だわ!」
その方は、私を見るなり、そう言ってきゃっきゃと喜ばれていました。
「ねえ、あなた未来から来たのよね?」
そう聞かれた私は、こくん、と頷きます。
「お願い、殿に、『不老不死の手法』を教えてあげてほしいの!」
―――そんなふうに突拍子もないお言葉を口にしながら、溌剌としたお顔で私を見るそのお方は、かの名高い戦国時代の姫君、濃姫さまだったのです。 』
ふう。
今日もかなしく人のいない京都天狼院の中で、私は、三浦さんから内密に一冊いただいた雑誌『READING LIFE』のページをめくっていました。
素敵な表紙をめくってゆくと、面白そうな特集の数々。東京の天狼院で皆さんが必死に作っていたようなのですが、私は京都にいたためあまり雑誌の内容を知りません。これはこれはどの特集も心して読まなくては、とページをめくりながらにっこりしていました。ちなみに、本日の読書のおともは「出町ふたば」という有名な和菓子屋さんの豆餅と、熱燗にした「玉乃光」です。ふにゃあ、熱燗がおいしい季節になりましたねえ、とひとりごちてしまいます。
しかし、と私はふっと雑誌から顔をあげました。
こんなふうに、雑誌や本を手にするたびにいつも思うのです。
みなさんは思ったことがありませんか?
私の生きてるこの世界は、ほんとうに現実なのでしょうか?って。
これ、ほんとは夢じゃないのでしょうか……って。
こんなことを考えるなんておかしいのかもしれません。
ですが私には、現実の世界のそこらじゅうに、空想の裂け目が見えています。京都という街はそれがすっごく顕著なのです。だからこそ京都を舞台にした物語はたくさん存在するのでしょうし、たくさんの人が訪れるのでしょう。一度でも京都を訪れたことのある方は頷かれるかもしれません。お酒の隙間に、桜の合間に、紅葉の裏側に、幾多の寺社の奥底に。手に取れない「空想」の世界は広がっています。
だけど、私は思います。
……手に取れないそれらは、本当に「空想」の世界なのでしょうか。
それらは現実じゃないって、なぜ言い切れるのでしょうか。
ほんとはあなただけが見たことないだけかもしれないのに、
「空想」の、妖精や、魔法や、ドラゴンは、なぜ「現実に存在しない」って言い切れるのでしょう。
そして同時に、あなたが現実だと思ってるものは、なぜ「空想じゃない」って言い切れるのでしょう。
それは、あなたにとっては現実でも、誰かにとっては空想上の出来事なのかもしれません。
あなたは誰かの空想の産物なのかもしれない。
あなたも、私も、この世界も、現実だって、言い切れますか?誰かの空想じゃないって、言い切れますか?
……そんなことを考えてみるたび、私はこの世界の不確かさに怯えてしまうのです。
ですが。
―――――――――だとしたら。
私は大きく頷いて、呟きます。
「妄想上等」と。
どうせ現実だか空想だか私には分からないのです。現実にだって、確かなものなんて、なあーんにもないのです。空想だって、いつか現実になるかもしれないのです。
だったら。いくらだって、妄想しようじゃありませんか!!!
おいしいお酒と甘いものを嗜みながら本を読み、想像の翼をはためかせ、この世界を、もっともっときらきらしたものだって信じて妄想してみようじゃありませんか!
凝り固まったこの現実を、少しでも面白く、素敵なものにしようじゃありませんか!
――私はそんなことを思いながら、いつも京都天狼院を開いております。
膝の上でREADING LIFEをぱらぱらめくっていると、あるページのもとで手がとまりました。
『女子大生三宅香帆、「京都天狼院」店長に就任しました。~『国盗り物語』「本能寺の変」篇~《三宅のはんなり妄想記》』
私は、ふふっ、と笑みをこぼします。そしてお酒をきゅきゅっといただくのです。……すると、あれまあ、なんだかまぶたが重くなり、意識が遠のいてゆきます。
そうすれば、私は、いつだって、どこへだって、行けるのです。
――――不老不死を望む織田信長。
陰陽道に通じる濃姫。
織田信長に献身的に尽くす、若き頃の明智光秀。
そして、いつもどおりのぼんやりふんわりちょっとは動け!な女子大生店長。
彼らの想いが重なり合って、歴史の狭間で、天狼院書店が、燃え出してゆきます!?
妄想上等!ジャンル不問の和風メルヘンラブロマンスファンタジーSF!?!?
お酒も甘味も増量で、ボリュームアップの「本能寺の変」でございます!!!
こんなにコムズカシイ世の中なんですもの、どうせなら、私と一緒に、オモシロオカシイ京都の夢をみようじゃありませんか!
あなたが生きてる世界は現実?空想?それともその狭間?
私もいまだに、よく、分からずに本を読んでいるのです。
そう、今日も、本とお酒と甘いものをじゅわっと堪能できる、この夢のような京都天狼院の中で!
【雑誌『READING LIFE』予約する際の注意と通信販売について】
雑誌『READING LIFE』編集長の三浦でございます。
『READING LIFE』は3,000部作りますが、造りがかなり複雑になっていますので、最終工程は手作業となっております。それなので、発売日にお渡しできる分の数に限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。
また、万が一予約が殺到した場合、予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ。
店頭、お電話、メール、下の問い合わせフォーム、Facebookメッセージなど、あらゆる方法で予約受付致します。
雑誌『READING LIFE創刊号』2,000円+税
11月8日(土)10時から発売開始・予約順のお渡し
今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(360円相当)」をおつけしますので、東京に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、11月8日より、予約順に順次発送致します。
《通信販売》
雑誌『READING LIFE創刊号』2,000円+税
送料・手数料 500円(*360円相当コーヒーチケットつき)
11月8日(土)から予約順の発送
【天狼院書店へのお問い合わせ】
TEL:03-6914-3618
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をして頂くだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。イベントの参加申し込みもこちらが便利です。
天狼院への行き方詳細はこちら