チーム天狼院

【くだらない話】「ねえ、やばいよ。三浦さん、死んじゃうんじゃない?」《川代ノート・『READING LIFE』予約受付中》


「ねえ、やばいよ。三浦さん、死んじゃうんじゃない?」
10月末、いよいよ寒さが厳しくなり、冬のかおりを感じるようになってきた頃である。
東京都、池袋、天狼院書店にて。スタッフの山中と川代は、当の店主・三浦に気が付かれないよう、小声でひそひそと話していた。
「うん、なんかもうさ、死相が見えてるよね。いくらフルスロットルって言ったってさ、人間には限界があるのよ。いくらなんでもあそこまでやったら普通は死ぬって」
「三浦さん、本当に大丈夫かな? 昨日とか30分そこのソファーで寝ただけって言ってたよ。あたし、いよいよ今度こそは、『あ、これ、死ぬな』って思ったもんね」
「うん。やばいね。サトエリさんも疲労が顔に出てたね。デザイナーの人たちは本当に大変だろうなあ」
サトエリ、というのは某グラビアアイドルのことではなく、天狼院スタッフのひとり、デザイナーの佐藤のことである。彼女もまた、チーフデザイナーとして、締切に間に合わせるべく四苦八苦していた。
大変そうだねと暢気におしゃべりする山中と川代であるが、彼らの手は休むことなく動き続けている。キーボードをかちゃかちゃと鳴らす音が聞こえる。
閉店後、夜23時。そう、いまだに編集作業の終わっていない、雑誌編集部員、そして天狼院スタッフは、夜ぎりぎりまで残って校正作業やらラフやら、はたまた三浦に「じゃ、この記事書いて。テーマは決まってるから。内容は任せる、よろしく!」と突然の無茶ぶりにえー、まじっすか、と文句をつけながらも、締切に間に合わせるべく仕事をしていたのである。
石坂など、昼間は天狼院の店の運営をし、仕事がたまりにたまっているなかでも朝天狼院を開け、イベントの運営をこなし、そして閉店後には窓際の席から何時間も動かずにテープおこしをするというすさまじいスケジュールの中、腰の痛みに堪えつつも明るく元気に働いていたのである。
もはや何徹しているのかわからない。お客様にはみんな顔大丈夫? 疲れ切ってるよ。ちょっと休みなよ、と心配をおかけしてしまう失態。ああ申し訳ないです、大丈夫です、もうすぐ終わりますんで、と言う川代は当然のごとくノーメイク出勤である。もはやメイクする気力もなく、朝起きたら原稿、少し仮眠をとって原稿、家に帰って原稿。しかもこれでもましな方であって、三浦やデザイナー陣などは人間とは思えぬスケジュールで動いていたのである。

***

「いやあ、まだ一週間しかたってないんだね」
そんな怒涛の時間を思い出しながら、チーフデザイナーの佐藤はすがすがしい顔で言った。川代が彼女と最後に会ったのは編集作業をしていた真っ最中だったので、あ、これ、この素敵な笑顔がサトエリさんだよね、としみじみと無事入稿できたことに安心したのであった。
「私からすると、もう一週間か、って感じですよ。実感ないですもん。あ、あの瞬間って本当に存在したのかな、みたいな」
「たしかにね。本当怒涛だったよね。さすがに三浦さん死んじゃうんじゃないかって思ったなあ」
スタッフは口をそろえてそう言うが、終わってしまった今となっては面白くて仕方ない。
「あのときはあんなに必死で、終わりが見えなかったのに、いざ終わってみるとこうして笑えるのがすごいよねえ。そこがさすが、三浦さんというか」
「本当ですね。思い出すと本当におかしいもん。でもやっぱり、頑張ってよかったですね。最高の雑誌になりましたよ」
喉元すぎれば熱さを忘れる。昔の偉人はよくこうまで的をえた言葉を残してくれたなあ、と川代は思う。
思えばここまで大きな山場を乗り越えたのは初めてかもしれない。中学のとき、合唱コンクールでクラス一丸となって練習に励み、最高のコンディションで本番を迎え、優勝したことを思い出す。もう限界、というくらいまで練習をした。放課後ぎりぎりまで残ってやり、朝早く学校に来てやり。休み時間も練習に費やした。
それがこの雑誌を売るというビジネスと同じと言うつもりはないが、何かひとつの目標に向かって、一致団結して死ぬ気でやる、というのは、その瞬間は辛くてもやはり、気持ちのいいものである。本当に。
まだまだ、発売も開始していないので、どうなるかはわからないけれど、編集部員の、あれほどの熱いエネルギーが込められた雑誌が、世の中に出るということを考えると、スタッフはわくわくして、夜も寝られないのである。
ああ、また寝不足で天狼院に行くことになってしまいそうだ。

こんにちは、スタッフ川代です。
そんなこんなで完成しました、雑誌『READING LIFE』、いよいよ明日、本の日、11月8日発売でございます。
本当に誰から倒れてもおかしくないような状況で作りました。読んでいただくだけで「ウワ、あちい!」とやけどしてしまいそうなものになっていると思います。やけどが心配なかたは読まれないことをお勧めいたします。

【雑誌『READING LIFE』予約する際の注意と通信販売について】
雑誌『READING LIFE』編集長の三浦でございます。
 『READING LIFE』は3,000部作りますが、造りがかなり複雑になっていますので、最終工程は手作業となっております。それなので、発売日にお渡しできる分の数に限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。
また、万が一予約が殺到した場合、予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ。
店頭、お電話、メール、下の問い合わせフォーム、Facebookメッセージなど、あらゆる方法で予約受付致します。

 雑誌『READING LIFE創刊号』2,000円+税
11月8日(土)10時から発売開始・予約順のお渡し

今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(360円相当)」をおつけしますので、東京に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、11月8日より、予約順に順次発送致します。

《通信販売》
雑誌『READING LIFE創刊号』2,000円+税
送料・手数料 500円(*360円相当コーヒーチケットつき)
11月8日(土)から予約順の発送




【天狼院書店へのお問い合わせ】

TEL:03-6914-3618

 

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