【好きを仕事に、ってどういうこと?】脳みそお花畑でごめんなさい!私は就活を恋で乗り切ろうと決めました!《三宅のはんなり京だより》
おひさしぶりですあるいははじめまして、京都の三宅です。
いやー寒いですねっ。京都はもう底冷えっ冷えです。外出たくなくなります。
外も出ずに最近私が何してたかというと、まぁ本を読んだり勉強したり友達と喋ったりしながら、「うぇーん将来どうしよう~~~」とお悩みモードに入っておりました。
いったい何をそんなに悩んでたかというと、
会社とか院進学とかいろーーーんな選択肢がある中で、私は何を基準に一体どうやって選べばいいんだ!という、ものすごく初歩的なところでぐるぐるなっていたのでした。
やりたいこととか、自分の適性とか性格とか、いろいろ考えてみるのだけれども、
どうにもこうにもこじつけたようにしか思えない答えばかり出てくる。
こんなことを言っていると、
何やってる時が一番幸せ?それを仕事にしたらどう?ってよく言ってもらうのですが、
私の場合、「好きなことやってる時が一番幸せ」という答えが一番しっくりくる。
でも「好きなことを仕事にしないほうがいい」っていう言葉もよく聞く。
……この「好きを仕事にしないほうがいい」って言葉、どういう意味かなぁ……って、
結局のところ、ずっとそこにひっかかってぐるぐるしていたのです。
だって今まで私は、人生の大きな選択……たとえば受験中学、中高の部活、志望大学、専修……全部「なんとなく好きになったから」という理由で選んできたのです。
しかもそれで一切不満のない、幸せな選択をできてきた、というかなりおめでたい人間なのです。
でも、学生とは一線を画する「社会人」になるにあたって、「好き」とかいうふわふわした動機じゃなくて、もっとお金とか生きてくこと、社会と関わることそのものを考えなくては!と思うようになりまして。
しかしいきなり思考を変えるにしても、そんな急にはうまくいきません。
そんなこんなで「なんで『好き』を仕事にしないほうがいいって意見があるんだろう」ってぐるぐるしていたのでした。
しかしですね、最近になってようやく、もしかしたらこれがある種の答えかしら、というところにたどりつきまして。
それが、「好きではなく、恋に従えばいいのでは!」という結論なのでした。
………順を追って説明しますと、最近見た映画『インターステラー』の台詞から始まります。
『インターステラー』というSF超大作を見てる最中のことでした。
映画の中で、ものすごく、すとん、と心に落ちた台詞があったのです。聞いた瞬間、ああこの監督さんはこれが言いたかったのか、と思った台詞。
『愛こそが、時空を超えた力を知覚できる能力なのよ』
そして同じ日に、こんな言葉を見つけたのです。私の大好きな作家さんである山田ズーニーさんのお言葉。
『恋は「未来」からくる』
……この2つの言葉を見た瞬間、季節は冬なんですけど、ふわって春の風が吹いたように、悩んでたことの答えが出たように感じました。
というのも、これらの言葉が指す解釈は、
恋とか愛とかそういう感情の理由を説明できて、
なんで「なんとなく好きになったから」という曖昧な根拠のわりに私がこれまでいい選択をできてきたのか、ということも説明できたからなのです。
これらの言葉が言っているのは、
きっと、恋とか愛とかそういう、理屈では説明しきれない感情の所以は、未来にあるのではないか、ということだと思います。
「なんでこれに恋したか」ってsあんまり理屈じゃ説明できない。
それもそのはず―――「恋」は、「未来からの指令」だからです。
未来にすべきこととかたどりつくべきところがあって、そこに至るための、引力のようなもの。それが恋とか愛とかいったものではないか、と。
「あなたはこういうルートの方に来るべきだよ」「こういうことをしたほうがいいよ」というものの道案内のようなものが「恋」だ、ということです。
実際そうかどうかはともかく、人が行き着くべき場所に行き着くために、本能として「恋」を持っているというのは、私にとってすごく合理的な解釈な気がします。
そして、それがわかった瞬間、
「ああ私が今まで選んできた選択肢は、『好き』が理由というよりも、『恋』が理由だったんだ」ということに気づいたのです。
恋というと、一般的に異性に対するものとして使われます。
でも私の場合、「モノ」「コト」「場所」……そういったものに対して「恋」としか言い様のない感情を味わったことがたくさんあります。
本とか漫画とか映画とかドラマとかはもちろん、場所とかモノとかに対して、
出会って直感的に「やばい、出会ってしまった」と感じて、ハマって、日常生活でその名前が出ようもんなら脊髄反射で反応する日々を続けて、ずぶずぶ大好きになってゆくあの感覚。もちろん理由を言うこともできるけれど、理屈では説明しきれない「好きになったんだよ……!」っていうしかない感情。これを恋と言わずして何と言うのでしょう。
たとえば、
高2の春に新選組をすっごく好きになって、オープンキャンパスに行ってみたら京都の街ごと大好きになって、京大受験を決めた。
当時好きだった現代短歌からたまたま手にとった俵万智さんの本をきっかけに伊勢物語が好きになって、国文学の授業をとって、専修を国文学に決めた。
SNSでたまたま見つけた「川代ノート」の文章を好きになって、東京に行ったとき天狼院書店に立ち寄った。
どれもこれも、「なんとなく」「たまたま」の積み重ねで「なんだかとっても好きになった」という「恋」がきっかけだったなぁと思うのです。
それは決して、「その前の自分が好きなもの」じゃなかった。
ぜんぶ「自分が新しく出会ったもの」だった。
そこで、「恋したもの」だった。
それを好きになったのは全部、未来からの伝令だったんだ!と考えると、説明がつく。
恋は、「ここに来るといいよ~」っていう未来からの指令、なのです。
だとすれば、私の将来を選ぶときも、過去の私が好きだったものというよりも、
その時その時の私が「恋」した場所が、きっといい方向につながってるんじゃないのかなぁと思うのです。
きっと、恋する相手は、モノとか会社とかお客さんとか仕事内容とか社長とか未来の自分とか、人それぞれなのでしょう。
今の私にとって社会というものが未知の場所である以上、学生の私が持つ「こういうふうに働いてこういうことをやる!」というようなビジョン通りにできる会社を探す―――なんて、未来の私に対して傲慢かもしれないなぁ、とも私は思います。会社は自己実現の場所ではないでしょうし、今の私がやりたいことに拘泥するべきではない気がするのです。
世界は私が思ってるよりきっと広いし深いし大きいし、
「これだ!」って思えるものや場所に出会うまで、今の私が精一杯センサーをひらいて、いろんな生身の人と会って、そこに触れることが一番なんじゃないかなぁ、と。
まぁもし就活期間中にどこにも恋しなかったら、それは私のセンサーの問題か、そっちに向かわないほうがいいってサインだと思うので、その時考え直そう……と思っています。
もちろん恋の相手が異性のパートナーだったり自分の趣味だったりって人もいて。私もそうならないとも言い切れませんし。うん。
冒頭で述べた「好きなことを仕事に」という言葉についてですが、
今の自分の「好き」にこだわるのは、きっと「今の自分」しか見えてない……という意味なのではないか、と思います。
そうじゃなくて、そこに恋して、これのためならつらくても頑張れる!というよりつらいなんて思わないぜ!っていうふうに思えたら一番いいのかな、と。
私は、忙しそうだけど楽しそうに働いてらっしゃる人を見ると、「この人、仕事に恋でもしてるんじゃないだろうか……」なぁんて思っちゃうのです。
そして、もし、恋したところに就職できなくても。今の私が「やりたくない」と思う仕事をすることになったとしても。
私が常にセンサーを開いていれば、「今の自分」の好き嫌いにこだわることなく、とりあえずすることになったその仕事を頑張ることできるのではないか、と思っています。
飛び込んでみて、やってみたら面白かった、ってこともたくさんあるでしょう。
働くということを考えていると、生活するうえで「働く」ということ自体、その社会の循環の中にいること自体、尊くてすごいことだなぁと私は思います。
だから、あんまり学生である今の自分の価値観にとらわれずに、働くってことを考えたい。とりあえずご縁があるところで頑張ってみて、私のほんとにしたいこと、恋することにまた出会いたい。
今はそんな風に、仕事というものについて、考えているのです。
ま、まぁこれもすべて脳みそお花畑女子大生の言葉なので、きっと社会人の方々からすると「仕事はそんなに甘いもんじゃないから!!!!」とつっこみたくなるのだと思います……。
しかし、たとえば恋愛で相手に恋して、付き合ったら現実が始まるのと同じように、
この「恋」というのも、「選ぶ」際の基準でしかないのでしょう。
でも、とりあえず人がそれぞれ「基準」を持つ中で、私はそういうところに基準を持つのかなぁと思う、というお話です。
それにしてもノーランさんはすごいなぁ。うーん。
そんなふうに迷宮ラビリンスをまぁまぁ抜け出した(かもしれない)記念に、一応こうやって文章にしてみました。
社会なんていう今までとはまったくちがうところに行くのです、根がチキンの私は、恋でもしなきゃ飛び込む勇気が出ないのですよぅ。
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