【編集部員の本音】自分の記事が掲載されているにも関わらず、わたしはこの雑誌を買うべきか真剣に悩んでいる。「人生を変える」雑誌『READING LIFE』予約受付開始!《2017年6月17日(土)発売/東京・福岡・京都店舗予約・通販申し込みページ》
記事:木村保絵
——雑誌で2,000円って高いな……。
ここだけの話、雑誌『READING LIFE』の値段を初めて聞いた時、そう思ってしまった。
わたしは普段からあまり雑誌を購入していない。
書店に立ち寄ると、ファッション誌やビジネス誌等面白そうな雑誌はたくさんある。
パラパラっと捲ってみると、キレイな写真や誘い込む文章に夢中になり、もっともっと読みたいと思ってしまう。
ふと裏を見てみると大抵は700〜800円。
ワンコインランチですら節約するためにお弁当を持参するわたしにとっては、ひょいひょい買えてしまう金額ではない。
「絶対必要ってわけじゃないし……」
後ろ髪を引かれる思いで、結局雑誌を棚に戻す。
10〜20代の頃は定期的に購入している雑誌があったものの、30代になってからはすっかり雑誌から離れてしまった。
それなのに、だ。
2017年6月17日に発売される雑誌『READING LIFE』の価格は2,000円+税。
雑誌なのに2,000円ってどういうことだろう。
最近では大人の間でも「プチプラ」が人気を集めている。
2,000円もあれば、無印良品ならスキンケア商品を買い足すことができるし、ユニクロやGUに行けば1〜2アイテム加えることもできる。キャンメイクやセザンヌといった「プチプラコスメ」を活用すれば、メイクの雰囲気だって変えることができる。
最近見つけたお気に入りのお惣菜屋さんに閉店間際に駆け込めば、1,000円で1週間分のお弁当のおかずを用意できるし、2000円ランチなんて贅沢すぎるし夜ご飯だってお酒を飲まなければたっぷり美味しいものを堪能することができる。
今の時代、2,000円あればファッションもメイクもグルメもそれなりに楽しむことができる。
それなのに、雑誌一冊が2,000円だなんて、時代に逆行してやいないだろうか。
そもそもそんな雑誌なんてあるんだろうか。そんな価格で販売していいんだろうか。
雑誌編集部のメンバーに加わったわたしは不安になり、大型書店へと足を運んだ。
雑誌コーナーに行き、「この雑誌人気がありそうだな」「これ高そうだな」と思うものを手にとり、その価格を確かめた。
やはり大抵は700〜800円。サイズが大きくカラーの記事が多いものでも、1,000円を超えるくらい。今をときめく俳優を丸々一冊取り上げたものですら1,200円程度だった。
——やっぱり2,000円って高いだろう。
段々と不安になってくる。
本当に2,000円の雑誌を買いたいと思う人がいるんだろうか。
わたしは雑誌コーナーをしばらくグルグル歩き回り、時々写真集のコーナーや新刊コーナを見てはまた雑誌コーナーに戻っていた。
何冊もの雑誌を手にとり続け、どのくらいの時間が経っただろうか。
結局2,000円以上の雑誌を見つけることはできなかった。
それどころか、書籍でさえなかなか2,000円以上のものは珍しかった。
それなのになぜか、わたしの心の中には、
「あれ? それでもいいんじゃないか」という気持ちが湧いてきた。
実際、どんなに有名な出版社が出しているものでも、有名人が掲載されているものでも、2,000円を超えている雑誌にはその時は出会えなかった。
だけど同じ様に「人生を変える」ことをテーマに掲げ、そこから視点をぶらさない雑誌も見つけることができなかった。
それに「うわー、これは読みたい!」と思う面白い雑誌も、「え? これで1,000円は安い!」と思える雑誌も、必ず途中で商品や企業の広告が入っていたし、よく考えたらこれは「商品カタログ」と変わらないんじゃないか? と思うようなものもあった。
——あ、そうか。
自分の心の中でストンと腑に落ちる瞬間があった。
別に、みんながみんな値段を揃える必要はないのかもしれないな。
雑誌の中身も、作り方も、それを読みたいと思う人も結局はバラバラだ。
腕時計だって、100円で買えるものから100万円するものもある。
使う人に合わせて、選択肢が用意されている。
それなら、雑誌だってそれぞれ違っていいはずだ。
「一般的に」とか「みんなもそうだから」という理由で、合わせる必要も怖がる必要もないのかもしれない。
例えば、野菜だって今は何を食べるか自分で選ぶことができる時代になってきている。
毎日食べるものだから、出来るだけ安いものを購入して節約をしたいという考えもあれば、毎日食べるものだから、出来るだけ体に良いものを購入して健康に過ごしたいと考える人もいる。目的が変われば、手に取る商品も行くお店も変わってくる。
「安さ」にこだわるのであれば、「他店より1円でも安く」をアピールする大型スーパーに行けば、低予算でお腹いっぱい美味しい食材を手に入れることができる。
「安全」に優先順位を置くのであれば、無農薬など育て方にこだわったお店に行くといい。値段は少し高くなるけれど、体は食べたものでできていると考えると、数十円、数百円プラスしても、安心・安全を購入したいという気持ちにもなる。
もし「ブランド」にこだわるのであれば、百貨店や有名専門店がいいかもしれない。
頂き物やレストランなどで「ブランド野菜」を口にすると、その味の濃さや甘さに驚き、一度食べたら忘れられなくなってしまう。時々の「ご褒美」として味わうのもいいし、こういう美味しいものを毎日食べられるように稼ごう! と、仕事のモチベーションにするのもいいかもしれない。
自分がどう生きたいか。
それによって、同じものでも何を選んでいくら支払うのかは全く変わってくる。
自分が欲しいと思うものがあって、その価格に納得すれば購入する。
「他がこうだから」と価値を擦り合わせていたら、目的も出来上がりも変わってしまう。
雑誌『READING LIFE』
この雑誌のコンセプトは「人生を変える雑誌」だ。
人が「人生を変えたい」「現状から抜け出したい」と思う時には、それなりの覚悟がいる。
そうでなければ、結局甘えてしまったり逃げてしまったりして、今と変わらないままになってしまうからだ。
中には奇跡が起きて、一瞬で人生がガラリと変わった! という人もいるかもしれない。
宝くじが当たって、人生が変わってしまった! という人だってきっと実在している。
だけど、それが自分の身に起こる確率はそう高くはない。
本気で「人生を変えたい」と思えば、現実的な向かう先は「宝くじ売り場」ではないはずだ。
中には、一冊の本のたった一行で人生が変わる人もいる。
中には、ある映画のたった一言のセリフで人生が変わる人もいる。
ヨガなどをしながらじっくり自分と向き合うことで人生が変わる人もいるかもしれない。
それに、恋愛をしたり転職をしたりして、環境や接する人が変わることで、人生が変わることもあると思う。
人生を変えようと思えば、環境や出会う人や習慣や考えや視点や、何かしらを変えなければいけない。
『READING LIFE』は、その何かを変えるためのきっかけがたくさん詰まっている雑誌だ。
第一特集『本の「再定義」』は、これまでの「本」との向き合い方をガラリと変える。これを読めば普段は書籍を読まないという人でも「本屋」に行かずにはいられなくなってしまう。それに「あーそうか。自分もこう考える」「いや、でもこうも言えるんじゃないか」と、いろんな考えが浮かんでくる。普段はそこまで意識していなかった「本」に対する自分の思いや考えに気が付くと、視点も行動も変わってくる。
第二特集『博多美人はなぜ美人なのか?』
女性にとってこの特集は危険な特集だ。
「美人なんて自分には関係がない」そう思っていた人ほど、心の中がざわつき始めるはずだ。「もしかして……」「いや、そんなはずはない」と顔を出し始める本音に戸惑ってしまうかもしれない。
もちろん男性にとっても危険な特集だ。まさか「人生を変える」雑誌と銘打ち、小説も収録された文芸誌的要素も持つこの雑誌の中で、あんな選手権が行われているとは、誰も想像できないはずだ。
第三特集『世界都市「京都」を楽しみ、「京都」を学ぶ』を読めば、黙ってたって行きたくなる京都にますます行きたくなってしまう。それどころか、実際に京都で暮らしその生き方や考えた方を学びたいという気持ちすら生まれてくる。
どの特集から読み始めても、これから起こる未来に対するワクワクと、どうなってしまうんだろうというソワソワが止まらなくなってしまう。
それに、当初は白黒ページを入れる予定だったはずが、気が付けば出来上がった雑誌は176ページフルカラーになっている。
思わず目を奪われてしまうような写真が、あちこちに登場する。
一枚の写真からインスピレーションが湧いて人生が変わってしまう人もいるかもしれない。
一枚の写真をきっかけに、「自分もこんな写真を撮りたい」「自分もこんな風に撮られたい」と思ってしまう人もいるかもしれない。
どの特集もどの記事も「人生を変える」というコンセプトから離れることなく、グッと心を惹きつけてくる。
だとすれば。
——人生を変える雑誌が2,000円で本当にいいのだろうか。
改めてそう考えてみた。
もちろん、わたしにとって2,000円は大切なお金だ。
だけど、わたし自身の覚悟を問われ、人生を変えるための入口の切符になるのだとしたら、
2,000円は手を出せない値段ではない。
むしろ人生を変えるには、あまりにも気軽な価格かもしれない。
もし、本当は人生なんて変えたくない、このまま何も変わらなくていいんだと思っているのに、うっかり興味本位で買ってしまったら、ページを開かないようにしてベッドの奥にでも隠しておいた方が安全かもしれない。
もしもうっかり読んでしまって、
あの雑誌の中の被害者の人たちみたいに「レンズ沼」にハマりでもしたら……
恐ろしくて仕方がない。被害額がどんどん大きくなればなるほど、嬉しそうに笑う彼らの輪の中に未来の自分がいることを想像してしまうと、身震いがする。
——被害が少ないのに、周囲をあっと言わせることができたら、どんな気分だろう。
——たとえ被害が大きくても、誰かを感動させることができたらどれだけ嬉しいんだろう。
駄目だ駄目だ。
カメラには興味なんてなかったはずなのに、「レンズ沼」の被害者達が、ページの奥に潜む沼の底から手招きをしているように思えてならない。
それに、WEB天狼院書店に日々更新される編集部の人達の記事を読んでいると、この雑誌に携わることで人生が変わってしまった人がどんどん現れている。
編集部に入ることがなければ、心の中の想いはひっそりと隠しておきたかった、決して誰にも話したくなかったという人だっているはずだ。
編集部員のひとりのわたしも、普段は会社で働きながら平日の仕事終わりと休日は記事を書く時間に費やした。担当になると必死で書き上げ、赤を入れられて戻ってきては、また急ピッチで書き直した。雑誌の記事を書くなんて、当然生まれて初めてのことだ。他の記事を読んだり、資料を調べたり、すぐ対応できるようにと考えつく限りの準備に取り組んでいた。「もしこれで失敗したら担当がなくなってしまうかもしれない……」そう考えるだけで、わたしの胃は、日に日におかしくなっていった。
毎朝起きて会社に行って仕事をすれば、月の決まった日に生活するのに十分なお金がもらえると言うのに。なぜ仕事で傷めない胃を、余暇で傷めなければならないのか。
恐ろしい。
興味本位で編集部に入ってしまったら、そこからあっという間に生活が変わってしまう。
もし今回発売される2017夏号を読んで「自分も作りたい!」「記事を書きたい!」と実力ある人が加わってしまったら、数に限りのある記事の枠がどんどん埋まってしまう。
これまでのわたしなら「まぁ、仕方ないよ」「向いてる人がやったほうが良い物が出来るよね」と流せていたかもしれない。
でも。もし雑誌『READING LIFE』2017夏号を手に入れてしまったら。
この雑誌を読んで心を奪われてしまったら。
その中に、自分の書いた記事を見つける喜びを覚えてしまったら。
もう後戻りはできない。次の号もさらに面白く、より多くの人に感動してもらえる雑誌を作りたくなってしまう。自分でもまた記事を書けるように、何が何でも書く技術を磨きたくなってしまう。きっと、今以上に勉強をして書くことに時間も気持ちも何かもを注がなければなくなってしまう。
あぁ、どうしよう。本当に人生が変わってしまう。
わたしは本当にこの雑誌を買うのだろうか。
買って読んでしまうのだろうか。
いや。
できることならばむしろ、発売される3,000冊を買い占めて、誰の人生も変わらないようにできないだろうか。
わたしだけが、どんどん人生を変えることを楽しめないだろうか。
困ったな。
——雑誌で2,000円って高いな……。
そう思っていたはずなのに、今はどうにか6,000,000円を用意して、この雑誌の発売を阻止できないか、そんな妄想をしてしまっている。
自分が書いた記事を読んで欲しい! そう思うべきなのに、この雑誌は誰にも見つからないでほしいとすら願い始めている。
どうしよう。
自分の記事が掲載されているにも関わらず、雑誌編集部員のわたしはどうにかしてこの人生を変えてしまう雑誌を全冊買い占められないか、今真剣に悩んでいる。
でも、きっとそんなことはできるはずがない。
だとしたら。
せめてもの出来ることとして、
「この雑誌と出会えてよかった」
そう思ってもらえる人の元に、この雑誌が届くことを願っている。
【雑誌『READING LIFE』予約する際の注意と通信販売について】
いつもありがとうございます。雑誌『READING LIFE』副編集長の川代でございます。
『READING LIFE』は3,000部作りますが、発売日にお渡しできる分の数に限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。初回限定特典として、ご予約先着順にて、雑誌『READING LIFE創刊号』(2160円相当)を差し上げます。この創刊号のお渡しは、なくなり次第終了となります。ご了承ください。
また、万が一予約が殺到した場合、予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ。
店頭、お電話、メール、下の問い合わせフォーム、Facebookメッセージなど、あらゆる方法で予約受付致します。
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
6月17日(土)19時から東京天狼院、福岡天狼院、京都天狼院各店にて発売開始・予約順のお渡し
今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(360円相当)」をおつけしますので、店舗に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、発売日より、予約順に順次発送致します。
《一般先行予約》*雑誌『READING LIFE創刊号』つき
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税《通販先行予約》*雑誌『READING LIFE創刊号』つき
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
送料・手数料 500円(*360円相当コーヒーチケットつき)
発売日から予約順の発送
【天狼院書店へのお問い合わせ】
天狼院書店「東京天狼院」
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