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【今回は「倍返し」ではありません。】堺雅人好きの、堺雅人好きによる、堺雅人好きのための、『俳優・堺雅人の心揺さぶる映画シーンベスト3』《スタッフ海鈴の独り言》

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天狼院スタッフの海鈴です。

 

昨年、「倍返しだ!」の決め台詞が社会現象にもなったドラマ『半沢直樹』。その渦中にいて、一世を風靡しておりましたのが、ご存じ、俳優・堺雅人さんです。私の同じ大学の大先輩でもあり、私のとってもとっても大好きな俳優さん。今ふと気付いたんですけれども、彼の演技を初めて目にし、惹かれてから、かれこれ10年の月日が経っております(あれからもう10年も経ったのかあ・・・信じられん)。

 

今回は、そんな私の大好きな俳優・堺雅人さんについてお送りしていきたいと思います!

 

10年前、なぜ私が堺雅人さんに注目するようになったかと言いますと。2004年に大ヒットしたNHK大河ドラマ『新選組!』内で、山南敬助役を演じていた彼の演技に心打ち抜かれてしまったからなんですね。このドラマ、大好きでずっと見てたんですよ、私。今でもオープニングテーマのメロディを口ずさめるくらいです。堺さん扮する山南さんが、隊のために切腹するシーンはあまりに有名ですね。リクエストが殺到して、主演でないのにも関わらず、唯一この回が再放送された・・・なんていうことも起こったくらいですから。いかに彼が、この作品を通して、山南敬助という人物の人生を生き抜き、いかに多くの人の心を打ったのかが分かります。あー、これを書きながら私もまた見たくなってきたー!(笑)

 

これまで、彼の出演している作品はほとんど制覇してきましたが、なぜそこまでして惹かれるのか。俳優・堺雅人の魅力とはいったいどこにあるのでしょう。

私が感じる彼の魅力とは、作品ごとにまったく違った毛色を見せてくる引き出しの多さ、言い換えれば、本性がいったいどんな顔をしているのか分からない、その妖しい得体の知れなさにあると思っています。

 

ある作品では、芯を貫きどこまでも真っ直ぐな男の生き様を表現していたり。ある作品では、社会に溶け込めないどうしようもない大人を演じていたり。「カメレオン俳優」や、「喜怒哀楽をすべて微笑みで表現する男」などと言われることもあるようですが、どんな役だったとしても、その役柄を、まるで初めからそう生まれてきたかのように、空気感と共にぴたりと身にまとわせてしまう、そんな不思議な魅力があると思うんです。

 

さらに、なんとも素敵なのが、彼の眼光の強さです。普段こそ、いつもふわんとした微笑みを浮かべて、目を三日月形に細めて笑っているのが、堺雅人さんのチャームポイントだと思います。けれども、彼が作品を通して見せる表情の中には、普段の彼の姿からは想像もつかないほど野性的で、人間じみた一面を垣間見ることができるんです。

 

彼が作品の中で生きる人物の生き様に、今まで何度、私は心震わされたことでしょうか。

 

さて、そろそろこの辺で、私の堺さん語りも終わりにして。

世にたくさん出ている堺雅人さんの出演作品のうち、今回は映画作品に焦点を絞って、わたくしの独断と偏見による、

『俳優・堺雅人の心揺さぶる映画シーンベスト3』

をお送りしていきたいと思います!

 

①映画『ゴールデンスランバー』

「僕にとって残っている武器は、人を信頼することくらいなんだ」――青柳雅春

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伊坂幸太郎による原作も大好きな、この作品。堺さんは、総理大臣暗殺の犯人に仕立て上げられ、国家の陰謀から必死に逃げる男を演じ切ります。構成が本当に秀逸で、いったん見始めると一気に引き込まれて、冒頭から終わりまであっという間に2時間経っちゃいます。もう、全部のシーンがお気に入り。最高のエンターテインメントです!

個人的におすすめなのが、堺雅人さんと吉岡秀隆さんの掛け合いのシーンですね。いやあ、この二人のかもし出す存在感といったらもう・・・!

そういえば、ドラマ『半沢直樹』の役柄で因縁の関係だった相手、香川照之との敵対関係も、この映画から続いていますね!他の映画で言えば『鍵泥棒のメソッド』などでも共演していましたが、この二人が出演している作品での関係性を追っていくのも面白いかもしれません。

 

②映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』

「それで助かる命が一つでも増えるならな」――速水晃一

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救命救急センターの天才医師・速水役として、いつもチュッパチャップスを咥えている、一風変わった人柄を演じています。最初は掴みどころのないキャラクターだと思いきや、明かされてくる真実に人間味を感じます。

なんといっても、タイトルにある「ジェネラル・ルージュ」がどういう意味なのか、クライマックスで明かされることになります。注目すべきは、そのシーンでの、堺さんの表情です。決意に満ちたそのまなざしは、どんな言葉よりもまっすぐ心に突き刺さります。

監督・中村義洋さんと堺雅人さんのタッグも非常に強いですね。ちなみに、先ほど挙げた映画『ゴールデンスランバー』も、同じ監督さんがメガホンを取っています。堺さんの表現力に惚れ込んでの連続オファーなのでしょうね。

 

 

③映画『クライマーズ・ハイ』

「あんな状況だったらあれがギリギリでしょうが!」――佐山達哉

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1985年に起きた日本航空123便墜落事故を題材にしており、堺さんはその取材に奔走する新聞記者・佐山を演じています。

「伝える」ということに命を懸け、仕事を全うする男たちの、骨太で、重厚で、想いにあふれた生き様が描かれています。主演の堤真一さんもめちゃくちゃ素敵なのですが、堺さんも負けず劣らず、全身全霊で、佐山という人間の信念を表現しています。特に、取材を終え、会社に戻ってきたシーンは秀逸です。現場で、真実をその目で見てきた後の、あの表情。あの視線。目が語る想いの熱量は、言葉では表しきれません。

 

こうして挙げてみるだけでも、一人の人間の生き様を生き切る、そのエネルギーは計り知れないことが分かります。と、同時に、いろんな作品を通して彼のさまざまな表情を見れば見るほど、ますます「俳優・堺雅人」という人間の、層の厚さを思い知らされます。いったい、この人は、どれだけ多くの顔を持っているのだろうか。

堺雅人、恐るべし・・・。

しかし、人間に怖いもの見たさの心理が働くように、彼の底なしの人間性の深みに、多くの人がどんどん嵌っていってしまうのです。

 

一筋縄ではいかない感情の複雑さが、人間を人間たらしめている所以なのだと思います。だからこそ人間はおもしろくて、だからこそ人間は魅力的。堺雅人さんの生きる役柄を通じて、私はそう感じるのです。

今や大人気俳優になってしまって、舞台に出演する機会がなかなかないですけれども、いつか、絶対にこの人の演技を生で見て、肌で感じてやる!そう思っています。

その時に私の中にどんな感情が生まれるのか、今から非常に楽しみです。

 

 
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