2014年9月26日、プロローグの終焉《天狼院通信》
天狼院書店が船出をしたのは、2013年9月26日のことです。
そう、今からちょうど1年前の今日、天狼院は産声を上げました。
今日は天狼院の誕生日で、生みの親としましては、少し振り返って感慨に耽ってもいいはずですが、不思議と何も湧き起こらない。
極めて平静なのです。
あ、そういえば、今日で1年だったと、それくらいのことです。
天狼院といえば、僕が全てをかけて生み出した「子ども」といっていい。
子どもの1歳の誕生日といえば、それはもう泣けるはずなのですが、少なくともジーンときてもいいはずなのですが、皆様に「おめでとう」といわれてはじめて、そうですよね、おめでたいはずですよね、と脳に言い聞かせるように思うほどでしかありません。
たしかにおめでたいことです。
書店という凄まじく難しい業態で、何とか1年沈まずにやり切れたと言えば、ちょっとは自分を褒めてもいいはずです。
けれども、心は、実に穏やかです。
なぜなのでしょう。
僕が薄情なだけなのでしょうか。
実は、今日一日、そのことについて考えていたんですが、今日という日の終わりに差しかかってようやくその理由が見えてきました。
天狼院にとっての生誕1周年は、プロローグの終わりに過ぎないのだと、脳というよりは全身の細胞が「わかって」いるからなのではないでしょうか。
準備運動がようやく終ったといいますか、ここからが天狼院が本領発揮できるステージに突入する。
今までは準備運動する中で、たとえば、素手で戦ってきたようなものです。
素手で戦いつつ、それでも立っていることができた。
それは、きっと実戦を経る中で足腰が鍛えられたからだろうと思います。
雑誌「READING LIFE」の創刊、劇団天狼院の旗揚げ、そして福岡天狼院の開設。
それらが揃うことによって、やっと、戦うための武器を装備することができます。
つまり、ここからが本番です。
プロローグで語られたことの意味を、ひとつひとつ解き明かして行かなくてはなりません。
僕は、存続するために、起業したわけではありません。
天狼院は「死なないために生きている」わけではない。
想い描く明確な未来を、ひとつひとつ実現するために、今こうして息をしている。
おそらく、前を向き、自らの理想を実現していく中で、天狼院はそれに相応しいかたちに変容し、やがて世の中の多くの人が新しい何かが始まったことを、否応なく認識することだろうと思います。
人は、自らが理解できる範疇で物事を捉えようとする性質を持っています。
たとえば、
天狼院はブックカフェで、
なになに書店のような文脈棚を持ち、
どこどこ書店のようにイベントでなりたっていて、
それらの系譜に連なる新しいかたちの書店のひとつだと、
人は認識しようとします。
そうではない。
天狼院という名の「新しい何か」がもはや始まっているのだと力説したところで、現在進行形で変容し続ける天狼院に、何らかの兆しを見たとしても、それをその通りには認識しようとしないだろうと思います。
なぜなら、自分の知っていること以外のことが起きていることを認識するには、恐怖を伴うからです。
変化に付随する、とてつもない恐怖が認識を誤らせる。
ところが、恐怖を感じることなく、天狼院をそのままの天狼院のかたちで、すっと認識してくださる方々がいます。
わくわくしながら天狼院に通い、中から天狼院が変容する様を感じ取り、何か新しいことが起きていることを、理屈ではなく体で感じてくださる方々がいます。
そう、天狼院に来てくださるお客様です。
そういったお客様に、僕が提供できるものといえば、今まで誰も見たこともなかった面白さを提供し続けることです。流転する中で、常に面白さを魅せることです。
それこそが、天狼院に宿命づけられていることなのだろうと僕は考えております。
ようやくプロローグを終えたばかりの天狼院は、これより、本番に突入します。
「天狼院ビッグバン」と名づけた、爆発的に加速する化学変化のただ中に、我々は突入することになります。
その爆発的な化学変化の中で、天狼院は徐々にあるべき「姿」を見せていくことになるだろうと思います。
未だかつて誰も見たことのなかった「面白さ」を体現して行くだろうと思います。
準備はよろしいでしょうか。
これから、天狼院の「本編」が幕をあけます。
ぜひ、皆様も一緒に楽しんでいただければと思います。
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