写真を始めてとても後悔していること《スタッフ山中のつぶやき》
記事:山中菜摘(チーム天狼院)
写真を始めて一つ、とても後悔していることがあります。
カメラを持ち始めて6年経っている今は、もう今更どうしようもないないことなのですが、
もし過去に戻れるならば。
カメラを買う、その時からやり直したいとそう思うばかりなのです。
私がフォト部のマネージャーとしてイベント運営を始めたのは、今からちょうど6年ほど前のことでした。
当時大学生だった私はカメラを使い始めたばかりで
友達といく旅行にぜひ持っていきたい! そしてどうせ持っていくならば良いカメラがいい! そんなよくある大学生がカメラを買うきっかけのテンプレートのような理由でカメラを購入しました。
誰に聞けばいいかもわからず、価格コムで、一番評判のいい一眼レフカメラを、自分の予算から少し背伸びをして、分割払いで購入しました。
いざカメラが届くと、嬉しくて、嬉しくて。
大学のキャンパスの中でも時たま持ち出しては、友達となんの変哲もない日々を撮っていました。
そんなただの日常が、カメラのおかげで瞬く間にシャッターチャンスへと変わっていきました。
カメラを買って本当に良かった!という思いでいっぱいで。
カメラを買ったばかりの友人とみんなで旅行にいっては、とにかくパシャパシャと写真撮っていたのを覚えています。
その時は、楽しいばかりで後悔なんて絶対しないと、そう思っていました。
それは中のいい友人と4人でフランス旅行に行った時のことです。
1週間をかけた旅行は名所という名所をとにかく観光しました。
シャンゼリゼ通りに凱旋門。大聖堂に、エッフェル塔。
ガイドブックに載っている名所に行ってはとにかくそれぞれに写真を撮っていました。
中でも楽しみにしていたのはフランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島、世界遺産のモン・サン=ミシェルでした。
青い空に堂々とそびえるその神々しさに、唖然としたのを今でも覚えています。
天気も良く、自分が晴れ女ことを改めて感謝しました。
外から眺めて、中に入ってじっくりと。
朝から永遠と撮影を楽しみました
揃いも揃ってカメラを構えてキャッキャといつまでも楽しむ私たちに、
「夜ライトアップされて、夜景も綺麗なのでお楽しみに」
とガイドさんが丁寧に教えてくれました。
その言葉を聞いて、1日が終わるのが惜しいと思いつつ、
早く日が暮れて欲しいなと心躍るばかりでした。
歩き回って、写真も撮りに撮って、大満足して、ヘトヘトだった私たちでしたが、そんなことを忘れてしまうほど、夜景は塑像を遥かに上回ってほ美しく、絵はがきやパンフレットなどで見たことのある幻想的な景色がそのまま目の前に広がっていました。
もう、これは、どうしても。
そんな衝動に駆られて、急いでカメラの電池残量とsdカードを確認しました。
OK.OK.大丈夫。準備は万端!!
目の前に広がる景色に感動しながら、強く、シャッターを切りました。
切ったはずでした。
「……!シャッターが切れない!」
いつもなら思い通りの写真を撮ってくれるカメラくんが、この時ばかりはいうことを聞いてくれなかったのです。
いつもと同じ「オートモード」。どんなに長く、強くボタンを押してもカメラはカシャというシャッター音を鳴らしてくれません。
どうしたものかと思ってレンズを覗き込んでみたら、その時にやっとシャッターの音が聞こえるような状態でした。
どんなものが撮れたかと見てみれば、光の線が散乱したなんだかよくわからない写真。モンサンミッシェルのシルエットすら捉えられていない、光の塊だけがそこに写っていたのです。
故障? まさか。この前買ったばかりなのに。
刻々とすぎる時間と、電池残量に焦りながら、今度は今までほとんど触っていなかったダイヤルを回して夜景モードにしてみました。
でも、やっぱりシャッターは切れません。
「よくわからないけれど、「s」というモードにダイヤル合わせたらなんかシャッターは切れた!でもなんだ、真っ暗なんだけど!」
「なんか勝手にフラッシュ起動される! 光るけど全然撮れてない!」
「待って、待って、アイフォンならいけるよ!」
3人よれば文殊の知恵とは言いますが、4人カメラ初心者が集まったところで、どうしようもなく。寒さに震えながら、かじかむ指を必死に動かしても、
その時は結局、思い通り「モンサンミッシェル」は結局撮影することができなかったのです。
その頃カメラのフルオートモードに頼りっきりだった私は
カメラのどこをどうすれば、何がどう変わるのか全くわかっておらず、いざというときに、思い描いた写真を撮ることができませんでした。
本当になんとなーーーく。カメラの用語だけ知っていたけれど、
聞いたことある=知っている と思い、そこから深掘りして学ぶことができていませんでした。
「なんだかんだオートモードがあるし」とさえ思っていました。
そんななか、フォト部のマネージャーとしてイベントも運営させていただくことも増え、周りが知っていて、こんなこと聞いたら恥ずかしいのではないかという思いもあり、どんどんと基本的なことを聞けなくなってしまいました。
今でこそカメラマンとしてお仕事もいただいておりますが、最初の3年間はこの基本に悪戦苦闘して、それが原因で写真を撮りに行く事も億劫になってしまっていた時期もありました。
そう、私の後悔は「知ったかぶり」をしてしまったこと。
最初から、f値って何? シャッタースピードって何? iso感度って何? 素直に学んで聞けていたならば、
もっと撮影に行く機会も増えただろうし、こんなに長い年月をかけずにすんだと思うのです。
あの時「なんで撮れないの!」と思っていたカメラ君は、6年の年月をかけて今では私の掛け買いのない相棒になっています。
あの時に知識があればよかった。
そんな後悔をみなさんには決してして欲しくないのです。
この度、カメラマンとして5月開講の天狼院フォト部ビギナーズを担当させていただくことになりました。
偉そうなことは言いません。 だって私が一番わかっていなかったんですから。
皆さんよりカメラを理解していなかったことにはとても自信があります。
私だけでなく、フォト部で他の方がどんなことを疑問に思っているのかというその聞いてきた経験則があります。
何より、こんな写真が撮りたかったのにという悔しい後悔があります。
あのモンサンミッシェルも今であれば間違いなく思い通りに撮れるのに。
そんな後悔しないように。知ったかぶりをやめて、カメラが皆さんにとって相棒になれれば嬉しいなと思っています。
★【2020年5月開講!】天狼院フォト部ビギナーズ開講いたします!
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