「母親の勘」は、今の時代に必須なビジネススキルである《スタッフ大募集》
記事:田岡尚子(チーム天狼院)
「重たいですよー」
いつも決まって、そうだった。
“ワレモノ注意”“時間指定便”
決してカッコよくもない見た目。
配達員の方からしたら、なんてことない、茶色の段ボール箱。
「お米送ってあげるよ」
ちょうど家にあるお米が底をつきそうだったときに
ナイスタイミングで来た母からのLINE。
「お米、欲しい! 送って!」
「他に何かいるもんある?」
「うーん、とりあえずお米だけでいいよー」
というなんてことないやりとり。
お米だけで、いい。
そんなの、もちろん嘘である。
むしろ、逆だ。
欲を言えば、お菓子とか、懐かしの地元の土産物とか、
買うの面倒だから何か生活用品入れてくれたら嬉しいな、
などと色々浮かんでくる。
でも、あえて言わない。
だって、知っているから。
母がわざわざ実家のある広島から「お米」だけを送ってくるわけじゃないと。
そう、「母親の勘」とは、恐ろしいものである。
「喉渇いたなー」と思っていたら、声に出してもいないのに、「お茶いる?」と言ってくれる。
帰省するとき、「久しぶりにあのパン屋さんのパンが食べたいな」と思って帰ったら、ちゃんとキッチンに用意されている。
実家の広島から679kmも離れた東京で、つい風邪をひいてしまった日に、見えているわけがないのに、
「最近寒いけど、風邪ひいてない?」というLINEに、
今月、お金厳しいな……と思っていたら、「お金足りてる?」というLINE。(自立しろ)
そんなわけで、今年24歳になるが、いまだに大きな買い物をするときは
「これどう思う?」と、つい母に聞いてしまうほど、母の意見や勘を、かなり信用している。
「こっちの服と、あっちの服、どっちがいいと思う?」と聞いて、
自分が思ってるのと違うのを言われたら「え〜〜」と機嫌を悪くするという
彼氏彼女の間でよくやるケンカみたいなのをよく母とやっていたが
この歳になると、「いや、お母さんの勘は当たるんだわ」と
素直に信じるようになった。
そんな母から届く段ボールだ。只者ではない。
大学から東京に出てきたため、かれこれ5年ほど一人暮らしをしている。
実家からは、たまに段ボールで荷物が送られてくるが、期待を裏切られたことはない。
そして、ついこの前、
社会人になって久しぶりに、実家から荷物が送られてきた。
「重たいですよー」
コンパクトな見た目にも関わらず、持った瞬間ずっしりと腰にくる重さ。
伝票には、母の字で書いてある、懐かしい住所。
もちろんパンパンのため、カッターで中身を切ってしまわないよう
慎重に、そっと、カッターでガムテープに切り込みを入れる。
そうして開くと、決まって最初は、懐かしい匂いに目を閉じる。
「実家の匂い」に気づいたのは、こうやって一人暮らしをして、
初めて荷物を送ってもらったときだったなぁと思い出しながら
段ボールの口を開くといる、いつも新聞に挟まっているチラシたちをそっととってみる。
……ほら、やっぱり、そうだった。
これは、段ボールの見た目をした宝箱だった。
お米の横に、ありとあらゆる隙間に、ぎっしりとテトリスのようにうまくハマっている宝石たち。
待ちわびていた5kgのお米に、
親戚からよく送られてくる、大好物の、“いかなごの釘煮”に、
美味しくてお気に入りの、いつも決まっている出汁のパック。
隙間には、この時期花粉症でつらい私には必需品のポケットティッシュが詰められていて、
毎日は飲んでいるコーヒーの詰め替え用もぴったり入っている。
ついには、少し時期は過ぎているけど、バレンタインのチョコレートまで。
やっぱり、期待を上回る。
何も言っていないのに、それ以上のおもてなしをしてくれる。
親だからなのか。テレパシーで伝わってしまうのだろうか。
いや、もしかして、家に盗聴器でも付いているのか……。
いや、きっと、そんなことはないだろう。
きっと、私のことを、いつも「よく見て」くれているのだと思う。
ちょっとした私の表情の違い、目線、声のトーン、仕草、テンションの違い……
18年間一緒に住んでいたのだから、離れていても、きっと染み付いたようにわかるのだと思う。
これ、好きなんじゃないかな。
これ、欲しいんじゃないかな。
そういえば、この前あれ足りないって言ってたな。
来月はあれがあるから、これが必要かな……。
ちょっとした小さな言葉を、聞き逃さずしっかり覚えていて
相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら、ぴったりなものを選ぶ。
きっと簡単なことではない。
全く見ず知らずの人に、相手を何も理解しないまま
相手の望むものは送ることはできない。
私が今働いている、小さな書店。
ただの書店ではない。「人生を変える書店」である。
きっと、ここに来るお客さんに、「ただの書店」と思わせて帰ってしまったら、
私の負けだ。
「期待以下」でも、「期待通り」でも、だめだ。
「期待以上」の提案を、家族でも、恋人でも、友達でもない
初めて会う人たちにしていく。
もちろん、お客さんに対してもだが
一緒に働く同僚、上司、取引先もそうだ。
相手が想像していることの、もっと先のことを考えて、提案をしていく。
「親だからできる」と諦めるのではなく、私が親にこう感じるように、
周りにいる人に、同じことができたら……。
段ボールの中からフワッと香る懐かしい匂いに
目を閉じながら、そんなことを思った。
□募集要項
募集職級:正社員候補/契約社員/2022年4月入社新卒正社員候補/中途入社/アルバイト
業務内容:
①店舗オペレーション・スタッフ
②編集本部候補スタッフ
③経理・総務スタッフ
その他、天狼院書店および運営会社が関わるすべての業務
*編集本部候補スタッフは、基本的には店舗オペレーション・スタッフの中から職能および適正がある方を選抜するが、すでに経験がある中途入社の場合はこの限りではない。
応募資格:
・正社員候補/2022年4月入社新卒正社員候補は、4年制大学卒(見込みも含む)以上が望ましい
・業務に支障がないレベルでパソコン等を扱える方
勤務時間:配属部署の規定による
*店舗オペレーション・スタッフは営業時間に応じたシフトによる契約シフト制
待遇:当社規定(グレード制/職級制度)による
*基本給+インセンティブ給(インセンティブ給与は年に2回のボーナスの際に支給)+諸手当
*正社員・契約社員社保完備
*交通費は1回往復500円まで月に20,000円まで支給
*交通機関を使わずに10分以内の距離に住めば、住宅手当支給(正社員・契約社員のみ)
*各職級、昇給あり
*アルバイトは8週間毎に昇給の可能性あり(*昇時給上限:基本時給+250円)
*読書手当あり
試用期間:
①正社員になることを前提に契約社員として新たに採用した者については、採用した日から6か月間(契約期間)を実質的な試用期間とする。
②アルバイトの試用期間は3ヶ月とする。
*試用期間は設けない場合がある。
勤務地:全国の天狼院書店および編集を担う者は任意の場
〔店舗オペレーション・スタッフ募集店舗〕
天狼院書店「東京天狼院」(池袋)
天狼院書店「STYLE for Biz」(Esola店/池袋)
シアターカフェ天狼院(WACCA店/池袋)
天狼院書店プレイアトレ土浦店(茨城県土浦市)
天狼院書店「福岡天狼院」(福岡)
天狼院書店「京都天狼院」(京都)
*東京池袋は基本的に全店舗兼務
*正社員は転勤あり
*新店舗立ち上げの担当をしていただく場合もございます
特記事項:
面接時および契約時に申告した雇用契約の条件に反する場合は、直ちに試用期間を打ち切り、解雇するものとする。
(例:土日出勤できるとの履歴書への記載、面接時および契約時の申告があったにも関わらず、守られなかった場合)
*店舗オペレーション・スタッフの場合、固定シフトの空きを埋められるかどうかが、採用の大きな判断基準になります。勤務可能な時間帯は、正直に申告してください。または、勤務できない可能性がある曜日、時間帯は勤務できる時間帯として申告しないでください。
*面接を合格し、契約に進んだとしても、契約時と面接時の申告に相違がある場合は、契約を見送ります。
□応募の流れ〔エントリー方式〕
1.「お問い合わせフォーム」にアクセス
・必要事項の記入
・題名:スタッフ募集への応募
・本文:簡単な履歴と希望職級(例:正社員候補/アルバイト)、希望勤務地
上記、記入の上、送信してください。
*数日以内に、担当者から折返し、メールをお送りします。
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2.選考書類の送付 *担当者からのメールの返信に「添付」すること
① 履歴書(証明写真添付)のPDF *必ずPDFファイル形式
② 【社員希望者のみ】志望動機2,000字程度(Wordファイル) *PDFファイルでも可※アルバイトスタッフ希望の方に関しては、志望動機のご提出は必要ありません。
*この書類審査を1次選考とし、担当者から「合・否」をメールで通知します。
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3.面接(2次選考)
*合格者のみに担当者から「合・否」をメールで通知します。
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4.契約
・面接の内容を双方確認し、それに基づき作成した「雇用契約書」に双方署名(または記名)、押印
*新卒正社員候補の場合、正社員への登用自体は2021年3月末までに判断します。
*募集時は、毎回、数多くの応募がございますので、お早めのエントリーをおすすめします。
*定員に達した場合、予告なく、募集を打ち切ります。
募集詳細ページ
【天狼院書店へのお問い合わせ】
TEL:03-6914-3618
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら