チーム天狼院

芝居をやる理由≪11月13日劇団天狼院旗揚げ公演≫


劇団天狼院の構想はもうずいぶん昔からある。

店主との付き合いはかれこ7年か、彼が起業した当初よりこの計画はあった。

 

 

私は芝居が好きだ。

芝居をするのが好きだ。

芝居を観るのも好きだ。

そして色々構想し、それを体現化していくのも、させていく作業も好きだ。

演じる事はもちろん、演出する事も好きだし、裏方で舞台を建てる事すらも。

 

芝居を始めたのは「お前が芝居?むりむり」との友人の言葉であり、それを覆して目にもの見せてやる!と意地になって受けたオーディションに受かったのがきかっけである。

言ってしまえばもはや私が今、芝居に携わっているのは意地のせいなのだ。

もしその時、「そうだよねえ」と返していたらきっとそれなりに学歴を経て就職し、それなりに一般的な女としての幸せなんかを掴んで父母を安心させることが出来ていただろう。

でも私は「目にもの見せてやる!」と答えてしまった。

父よ、母よ、親不孝な娘ですまん、と思いつつ、今もこうして意地を張り続けている。

 

そう、意地を張り続けているのだ。

 

周りが就職しだした時も「ここで負けてたまるか、やめてたまるか」と思い、

周りが結婚しだしてからも「ここで負けてたまるか、やめてたまるか」と思い、

周りからそろそろ(女優として)旬が過ぎるでしょと言われても「今負けてたまるか、やめてたまるか」と心の内で叫んできた。

 

大人の事情というやつに翻弄されたこともある。芸能界の暗黙の了解に黙らされたこともある。

結婚したいと思ったこともあるし、芝居なんかやめたいと思ったこともある。

 

それでも芝居をしているのはひとえに意地を張り続けているからなのだ。

 

「負けてたまるか」と思う相手は誰だ、戦っている相手は誰だ。

誰でもない、自分自身である。

自分の選択である。自分の判断である。

役者は孤独だと誰かに言われた。

役者は孤独な戦士だと、自分と永遠戦い続けなければならない、演技者というのはそうしないと上達しない、上へあがることは出来ない。

 

人生を生きる者は皆役者であるとどこかの劇作家は言った。

その言葉を信じるなら、生きるすべてのものが孤独な戦士である。

もちろん、私も例にもれず戦士だ。

あなたも、こなたも戦士なのだ。

 

意地を張って絶対に地に膝はつかぬと戦っている。

もはや戦う理由など忘れた、ただ、抗っている、何かに。

自分の選んできた道に、自分自身の影に、自分の未来に。

 

劇団天狼院は戦うものどもの集まりだ。

誰もかれも何かしらの戦いを持って挑んでいる。

プロとかアマとかそんな括りでは括れないものがそこにはある。

それは戦士としての生き様があるからだろう。

企業戦士として生きてきた生き様、人の母として生きてきた生き様、十人十色の生き様が、戦ってきたすべてが、そこにはある。

すべてを一夜の公演にかける思いは、とても眩しい。

 

人ごとじゃない、人ごとでいられない何かがある。

意地の張り合いである、芝居を続けてきた意地をここで見せなくてはならない。

そしてキャストは、今までの人生の重みを見せつけなくてはならない。

 

 

 

と、思う。

劇団天狼院演出の本山です。

本山が劇団天狼院に演出として関わるのは、最後のチャンスだ、と店主にも言われているし、そう思う。

初めにこの劇団の構想を聞かされたのは数年前、その時は非現実的だと思ったし、なんてリスク高いこと考えてんだ馬鹿かよ、と思った。

「やらないなんて馬鹿」

と言われて、

「やるほうが馬鹿だ馬鹿」

と心中で言い返していた。

 

けれど、いま、わたし、やってる。

どうも馬鹿の仲間入りです。

キャパ800の劇場で演出するなんて早々できるもんじゃないし、凄い事だ!やるぞ!となったのには数年の月日の内の経験と、その間、店主の振り切れた馬鹿パワー(悪口じゃないです)を見てきたからだ。

馬鹿をする、意地でも馬鹿を貫き通す、そうしたあとの何かを共有したくなった。

 

でも、さあ、いざ、公演を前に、一瞬しりごみしている自分がいたのは確かだ・・・。

本当にできるのか、本当に劇になるのか、一瞬の躊躇いはもうすぐに店主に見抜かれた。

付き合いは長い、かれこれ7年になるだろうか、もうそれはもうすぐ見抜かれた。

こうして家に帰って悶々と考えて、芝居を始めた理由とか色々考えていると、「やるしかなくね?ここでやらないとかなくね?てか負けらんなくね?」と私の中の意地がずんずくでかくなってきまして、一筆したためさせていただいた次第でございます。

 

いや、出来るっしょ!

800埋まるっしょ!

てかキャストみんな本気だ!

もちろん私も本気だし!

 

意地の張り合いです。

意地を見せつけ合うのです。

そしてこの記事を呼んでいるあなたはその戦いの、戦場の、目撃者となるのです。

 

今こそ大一番、踏ん張りどころ、土俵際の競り合いで意地でも出てなるものかと、押し寄せる不安や過去や自分をむんずと掴んで上手投げで逆転勝ちです。

 

≪劇団天狼院旗揚げ公演『膝上29センチ以下の彼女』の詳細・前売り券はこちらから≫
劇団天狼院旗揚げ公演『膝上29センチ以下の彼女』≪11月13日豊島公会堂≫

 

TEL:03-6914-3618

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2014-11-07 | Posted in チーム天狼院, 劇団天狼院, 記事

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