チーム天狼院

楽していると、腐っていく音がした。《スタッフ平野の備忘録》


記事:平野謙治(チーム天狼院)
 
腐っていく感覚がした。
多分それは、気のせいなんかじゃなかった。
 
 
天狼院に合流してから、10ヶ月が経った。まだ、一年目。新人といえば、新人なのかもしれないけれど。
 
そんな感覚は、もう一切なかった。
なんでだろう。いろいろと要因はある。その中でも大きいのは、新入社員が入社したことだった。
 
4月に合流した3人は、全員が歳下。今の天狼院で、「新人」といえば、彼女たちを指す。僕はもう先輩として、業務内容を共有する立場にあるのだから。
 
そうでなくても、天狼院スタッフは20代〜30代前半が中心。あるいは他社を経験してきたメンバーも、ほとんどが合流してから3年以内。
そんな中にあって、入社10ヶ月の僕が、新人とは言い切れないのは自明だった。
 
そうだ。たったの、10ヶ月。
だけども様々なことをやってきた。
 
右も左もわからず入ってきた、昨年の7月。
覚えることがたくさんで、精一杯だったのを思い出す。
 
柄にもなく、メモなんか持ち歩いて。教わったことは、いちいち書く。わからないことは先輩に確認して、少しずつ、できることを増やしていく。
 
毎日、頭を使った。家に帰る頃には、脳みそが疲れ切ったと思う。
そんな、大変な日々。
 
だけど同時に、充実していたなとも思う。
新しいことを覚えるのは、大変だったけれども。できることが増えていくことに、喜びを感じていたのも事実だった。
それこそ、RPGのレベル上げのように。少しずつ、自分がパワーアップしていく感覚。
最初はできなかったことが、メモを見返して、一人で出来るようになる。いつしかメモも必要なくなり、確かな記憶に基づいて出来るようになる。
 
嗚呼。俺、前に進んでいる。
身体に溜まっていく疲労感とは反比例するように、心は満たされていった。
 
自分のレベルを上げながら、3ヶ月、4ヶ月と時間が経っていき、年が明ける頃には、先輩から何かを教わることもすっかり減っていた。
できるようになったことを、繰り返す日々が続く。そうして迎えた、4月。
 
店舗の休業が、決まった。
政府が発令した、緊急事態宣言を受けての判断だった。
 
それは、やむを得ないことだった。
東京・京都・福岡の店舗は、休業となった。
 
ただ幸い、天狼院には通信講座がある。
おうち時間を活用して、今こそ学びたい。そんな方々に、有益なコンテンツを届けるために。僕らは止まるわけには、いかなかった。
だから仕事が無くなるようなことは、決してなかった。けれども。
 
普段に比べて、明らかに余裕ができた。
それは、そうだ。日々の店舗業務が、ないのだから。
 
それだけじゃない。4月に3人、5月に1人、スタッフが増えた。仕事を任せる場面も、増えてきた。
 
できることが増えて、新しく何かを覚える機会も減っていた。そういった、様々な要因の中で。
余裕が増えていたのは、明らかだった。
 
なんだ。よかったじゃないか。
いつもより、ゆっくり休める。好きなことに、時間を使える。
 
この状況を、好ましく思う気持ちもあった。だけど同時に、退屈を感じる自分もいた。充実どころか、焦りを感じていた。
 
なんで?
その答えは、明らかだった。
 
レベルが上がって、いないからだ。
最近の自分は。停滞していた。その中で、焦りを感じていた。もっともなことだ。
 
まるで、腐った水溜りだ。新たな水を、取り入れることなく。気づけば酷く、濁りきっている。
そんな、状態だったと思う。
 
危機感を覚えた。だって今のレベルなんて、全然大したことなんかない。こんなの、なりたかった大人の姿なんかじゃない。
むしろ、しょぼい。ダメに決まっている。このままでは。
もっともっと、ずっと上へと、進んでいかなければならないはずなのに。
少し余裕ができたからって、胡座をかいて良いはずがない。
 
誰かに教わるのを、待っていてはダメだ。何か新しいことを、始めなければ。
 
前々から、あった。やりたいことが。
だけど何かにつけて、後回しにしてきた。
 
そうだ。僕は、カメラを始めたかったんだ。
 
天狼院には、様々な講座がある。
その中でも特に人気があるものの一つが、カメラに関する講座だ。
 
スタッフの多くが、カメラを持っている。日々写真の話を、している。
彼女たちが何を話しているのか。僕にはさっぱりだった。
 
でも、興味はあった。撮れるようになりたいと。そう思つ気持ちは、日々強まっていた。
 
今しかない。思い立った日。僕はすぐに、友人に電話をした。
前々から、そいつは言っていた。「持て余しているカメラがある」と。
 
「貸してくれないか」。そう言ったら、快く了承してくれた。
 
そうして僕の手元に、カメラが来た。
ボタンがたくさんある。まだよく、わからないけれど。
幸いなことに、学べる環境がある。天狼院という、この場所なら。講座の中から、確かな情報を得ることができる。
あとは僕が、実践するだけだ。
 
早く、撮れるようになりたい。記事を書くたびに思う。
何か気の利いた写真が、あれば良いのに。
 
フリー素材では、味気ない。だから、友人にもらった写真をいつも使っているけれど。毎回毎回、記事に合う写真があるとは限らない。
せっかく、こだわって書いた記事だ。写真だって本当は、選び抜いたものを使いたい。強く、そう思うから。
 
ならば自分で、撮ってしまえばいい。
イメージ通りのものを。自らの手で、撮影して。ひとつの記事に、できたなら。
 
より良いものが、創れる気がした。
レベルアップへの道が、開けたような感覚がした。
 
そうだ。ワクワクするんだ。
レベルが上がっていく感覚は。
 
倒せなかった敵に、勝てるようになるかもしれない。
遠くの街まで、たどり着けるかもしれない。
もしかしたら思いもよらぬアイテムが、手に入るかも。そんな妄想をするだけで、なんだか楽しいものだ。
 
そしてそれを、妄想で終わらせないために。
日々学ぶ。実践する。そうして前に進む。
 
気づけば「できない」が、「当たり前」へと変化していく。
そうやって、生きていけたら。なりたい自分の姿へと、近づいていけるはずだから。
 
やりたいこと。投げ出したこと。勇気がなくて、逃げ出したこと。
始めるのに、「遅すぎる」なんてことはない。
 
なんだって、始めてみたらいい。それが、「やるべきこと」で、あるならば。
あなたに充実を、もたらすはずだから。
 
だけどどうしても、ひとりじゃ始められない。挫折してしまいそうだ。
そんな気持ちも、理解できるから。
 
そんな時はどうか、天狼院を利用してほしい。
あなたが踏み出す、その一歩を。必ず支えて、見せるから。
 
「学びたい」。
そんな気持ちを持った、すべてのビギナーを、
僕らは応援しています。
 
 

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◽︎平野謙治(チーム天狼院)
東京天狼院スタッフ。
1995年生まれ25歳。千葉県出身。
早稲田大学卒業後、広告会社に入社。2年目に退職し、2019年7月から天狼院スタッフに転身。
2019年2月開講のライティング・ゼミを受講。
青年の悩みや憂いを主題とし、16週間で15作品がメディアグランプリに掲載される。
同年6月から、 READING LIFE編集部ライターズ倶楽部所属。
初回投稿作品『退屈という毒に対する特効薬』で、週刊READING LIFEデビューを果たす。
メディアグランプリ33rd Season総合優勝。
『なんとなく大人になってしまった、何もない僕たちへ。』など、3作品でメディアグランプリ週間1位を獲得。

 
 
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