誰がなんと言おうと『ドラえもんズ ロボット学校七不思議』は傑作【ゆとり世代感涙】《海鈴のアイデアクリップ》
目玉焼き乗せトーストといえば、ラピュタ。
パスタ・サンドイッチといえば、村上春樹。
同じように、ホットケーキを焼くとかならず見たくなってしまう映画があります。
それが『ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?』。
控えめに言って、傑作。
まーーじーーで、完成度が高い。
本編の同時上映作として映画公開されたものなので、30分の短編であるこの作品。
舞台はドラえもんの卒業校であるロボット学校で、妹のドラミが卒業式を控えているのですが、異常が発生して、システムが混乱!
ロボット学校を運営している、さまざまなロボットたちが、学校で暴れ出してしまうのです!
その危機を救うべく集結したのが、ドラえもんズ。
そもそも、ドラえもんズってどれくらいの人が知ってますか?
ゆとり世代にとっちゃヒーロー!
その言葉が出ただけで懐かしすぎて感涙モノなんですよ!!
もともとドラえもんのゲームから派生したオリジナルキャラクターで、登場は、劇場版の同時上映のみ。
地上波アニメには出ていないのにもかかわらず、キャラクター設定が、考えた人天才すぎだろ! ってくらい、良いキャラしてる!
一世を風靡した「おそ松さん」のアニメがつい先日最終回を迎えたばかりですが、あれにも通じるところがあるような気がする。
「おそ松さん」は、そもそも画一されたデザインの六つ子に、それぞれ性格を与え、色を与え、個性を与えた。
ドラえもんも本来、大量生産の画一商品です。のび太のところに来たドラえもんはちょっと例外ですが、同じ型の教育ロボットは、まったく同じ製品としてつくられたはず。
一種類であるはずのドラえもんにこれまた性格を与え、色を与え、個性を与えて完成したのが、ドラえもんズなのです。
それだけで、もうどうしてこんなに愛おしいのだろうか!
アメリカをモチーフにした、ドラ・ザ・キッド。
スペインの、エル・マタドーラ。
中国の、ワン・ドラ。
ロシアの、ドラニコフ。
ブラジルの、ドラリーニョ。
サウジアラビアの、ドラメッド三世。
並べたときのデザインが、完成されている。計算し尽くされていると思います。
そこにドラえもんを加えた7人が正式メンバーなのですが、この映画、なんと、
ドラえもんがほとんど空気。
始まり1分もしないうちに、主人公であるはずのドラえもんは強制ログアウト。
妹のドラミちゃんと、オレ様ヒーロー、ドラ・ザ・キッドに、主役の襷が渡されます。
この、冒頭の入りがサイコーで!!!
「アナと雪の女王」でも同じ手法ですが、あれって最初の2・3分で、主人公たちにとってかなり劇的なことが起こりますよね(まだ見てない人は、映画をご覧ください)。
ロボット学校七不思議も同じ!
最初の冒頭部分で、一気に観ている人を「平凡な日常」から「非現実的」な物語へといざないます。
その引き込み力たるや、ドラえもんが国民的人気作ということでもはや説明不十分であるという作品であるにしても、観ている人を一気にドラマティックな世界へと持って行くスピードの、疾走感!
ドラえもんズのメンバーを知らなかった視聴者にも、ちゃんと最初で、ドラえもんズがどういうものなのか、わかるような演出になっているんです。
その演出が最高にカッコイイ!!
まじで見る度
サブイボぶわーーーー
です。鼻血出そうになる。全身の毛穴開きまくり。
よくヒーローもののアニメで、主人公がピンチになって、もはや絶体絶命! ってときに、仲間が一人一人現れる場面あるじゃないですか。
「助けに来たよ!」「俺も!」「僕もだ!」
「おっせーよお前たち……!」
みたいな(想像)。
見ているこっちまで、テンションマックス上がりません?
「あー今アドレナリンめちゃくちゃ放出されてるぅー」
って感じしません? まさに、同じ効果!
ジェットコースターの頂上から降りるその一瞬手前の高揚が、オープニングですでに味わえるんです。
それまでドラえもんズを知らなかった人も、誰がどういう名前で、どういう性格かだいたいのイメージを数秒で定着させてしまう。
ものの数秒で視聴者を映画の中へと没入させるこの技法。いやー、さすがすぎる!
ストーリーもこれまた誰もが大好きな要素が盛りだくさんなんですよ。
学校の七不思議的なホラー要素がメインなんですが、同時にコメディでもあり、なんといってもドラミとドラ・ザ・キッドのラブストーリーですね!
暴走する学校中のロボット事件を1件ずつ解決しながら、お腹がペコペコになって戦えなくなったドラ・ザ・キッドに、学校の給食室でドラミが作ってあげるのが、どら焼き!
どら焼きのパンを焼く映像なんですけどね。匂いがこっちまで漂ってきそうなほど、美味しそう。美味しそうすぎる!!!
なんか演出もニクいんですよ。
オレ様な奴だと思ってたキッドの優しさに、ドラミちゃんが気づくみたいな。どう考えても恋の始まり。
ぽんぽんとテンポよくストーリーが進んで、次々に登場するドラえもんズの愛らしさに癒されて、意外と敵キャラのホラー要素がっつりなとこにちょっと背筋ゾゾゾとなって。
クライマックスも、最高です。
いよいよドラえもんズが集結して、ラスボスを倒そうとしたとき全員がピンチに!
そのときのキッドが……
もう、
キッドーーーー……!!!!!(ぶわっ)
てなります。
ドラミちゃんじゃなくても、キッドまじカッコよすぎるよ惚れちゃうよ。
てか、よくこれだけの要素を30分のお話にまとめたなあ。
見終わった後、なんか2時間くらい経っちゃったような気さえしますよ。
これだけ怒涛のように展開するアニメ、なかなかないんじゃないか!?
ほんっとうに、見たことない人には全力でオススメできる。
絶対見たほうが良い!
アニメは新ドラえもんになってしまって、今はもう映画でも同時上映に出てこなくなってしまったドラえもんズ。
私は悲しい。非常に悲しい。
願わくば、またドラえもんズ復活してくんないかな!
だって彼らはゆとり世代の星だもの! 絶対的ヒーローっていうかアイドルだもの!!!
ドラえもんが好きだとかまあ普通だとか、ドラえもんズ知ってる知らないに関わらず、一回見てしまえば、もうあなたもヤツらの虜です。
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