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チーム天狼院

【クリスマスに悩める若者諸君!】書店員が「恋バナのネタに使える」恋愛小説&漫画をセレクトしてみた。≪リーディング・ハイ≫


12月ですね! いかがお過ごしでしょうか。

街はクリスマスモード一色。なんでやねんっまだクリスマスまで時間わりとあるやろっ、と心の中で突っ込みつつ「今年も街がキラキラしてきたな~」なんて思ってしまう時期です。
私もまあ現代日本に生きるワン・オブ・若者なわけですが、この時期に避けられない話題が「クリスマスどうするの~!」というきゃいきゃいした話題。
クリスマスにはどんなプレゼント贈るの、だれと過ごすの、そして雪崩込む恋愛トーク。まぁクリスマスという話題をきっかけに恋バナしたいだけなんですよね(特に女の子は)! ええ、わたしもです。だって人の恋愛トーク聞くの面白いんだもん。

しかし、同時に思うんですよね。
クリスマスといえど、若者みんながみんな、新鮮な恋愛ネタがあるとは限らないよな!!!!

広い日本、そりゃもう恋人がいない人もいる人もいれば、恋人になるんだかならないんだかわからない人もいるでしょう。人にいい感じのテンションで話せる話題が……あるとは……限らないよね……!
そんな悩める皆様に、私がおすすめしたいのは。題して、

「最近こんな恋愛小説読んだんだけど、こういう恋愛ってどう思う!?」という話題で乗り切ろう☆戦法。

ねえこの漫画に出てきた男ってクズだよね? わ~このキャラにそっくりな男知ってるわ私~。いや私は知ってる、こういう女に引っかかる男は結局同じことを繰り返すんだよ、等々……
案外、実際の恋愛経験談を語るよりも、ちょうどいい恋愛小説や恋愛漫画を話題に出すほうが、恋バナって盛り上がるものなんですよ。
ぜひお試しくださいませ。おすすめ。

というわけで今回は、いい感じの「女子会での恋愛トークの話題」に使えそうな本をご紹介します。

今年もクリスマスがやって来るぜ! というこの季節。
最近、胸キュンした人も、してない人も。
ここらでひとつ、ラブ・ストーリーでも読んでみませんか??

 

**

1.A子さんの恋人(近藤聡乃・KADOKAWA/エンターブレイン)
これ、私の中で今一番アツい恋愛漫画!!!
主人公・A子(NY帰りの漫画家アラサー女子)が、腐れ縁のA太郎と、NYに残してきた彼氏Aくんとのあいだでグダグダ迷う……というだけの「なにが面白いんじゃい」とツッコまれそうな話なのですが。
何が面白いって、登場人物全員に「お前らもっとしっかりしろよアラサーだろう!!!」とツッコミどころが満載なところ。しかも、ツッコミ満載なわりに、「ああ、しかし、分かる……」と共感してしまうところ。ファンタジーでもなく、痛過ぎもしないアラサー男女の恋愛漫画って、これまであるようでなかったように思います。
いつかはドラマ化されるよーな気がします。ていうか、してくれ。絶対女子会の話題にするから。

 

2.夜はやさし(フィッツジェラルド、森慎一訳・集英社)
『グレート・ギャッツビー』の作者が描いた、ど直球「恋愛」小説。アメリカを舞台に、病んだ男女の恋愛を描いていて、読むと、「まじで人生どうしようもねーな……」と虚無感に包まれます。でもそこがいい。恋愛が最初から最後までキラキラしたものなんだとかいう思い込みは早いとこ捨てたほうがいいよ!!(何があったんだ)
というのも、恋愛がきらきらしているのは、そこに虚無が確実に引っ付いているからであって、その虚無感こそがフィッツジェラルドが描く美しさそのものでもあるんですよね。女子会で「あれどう思うー!?」って話題にする……にはちょっと重たいかなぁ。でも大好きな恋愛小説。

 

3.失恋ショコラティエ①~⑨(水城せとな・小学館)
これこそ、ど直球恋愛トークのための少女漫画。私は仲良くなった人全員にこの漫画を読ませて感想を語らせたい……という欲望を抱いています。さすがに欲望のまま自重してるけど。
この漫画、ただの恋愛漫画ではなく、女性の恋愛パターンみたいなのが多様に詰まっているんですよ。強がってしまう女子、器用そうに見える女子、ふんわり欲望がわからない女子などなど。でも水城せとなは、「どんなに恋愛が上手そうに見えても見えなくても、結局陥る落とし穴というものはそれぞれにあるんだよね」ってことを描いていて、その視点が割とニュートラルなんですよね。サエコさん、恋愛上手に見えるけど、結局そこで掴む幸せにも落とし穴はあるしさ。難しい。
というわけで恋愛トークが盛り上がること必須の漫画です。ぜひ!

 

 

4.向田邦子の恋文(向田和子・新潮社)
向田邦子といえば昭和の脚本家として有名かもしれませんが、このひとの「恋文」……見てみたくなりませんか? こんな、秘密の恋人への手紙なんて、読んでいいんかいっと突っ込みたくなるけれど、向田邦子の妹さんが公開しちゃったんですよね……。いいのかなぁ。でも読んじゃう。
「ゆうべは、ねむくて、十二時でダウンしました。すべて、電気毛布の責任です。あれは、少々悪魔的なムードで、人をねむ気にさそいますね。私には大敵です」
――こんな、向田邦子が綴った何気ない文字が、私には、どうしようもなく胸に迫ってしまう。恋のかおりが立ち上ってきて、子どもの時に映画の恋愛シーンになるとちょっと緊張した、あの感じを思い出させるのです。

 

5.錦繍(宮本輝・新潮社)
恋愛小説の名作といえば? と聞かれたら、この小説を挙げたいな。離婚した元夫婦の「手紙」をそのまま載せた書簡小説。小説なのですが、全編手紙なのですよ!
若い時だけじゃなくて、歳をとってからも絶対楽しめる。ていうか、歳取ってからのほうが味わい深くなるんだろうなぁ、この小説。
恋愛とか結婚とかもそうですけれど、結局人と関わるのは痛くて大変で、だけど人と関わるからこそそこに希望があるんだ、っていう宮本輝の明晰な人間賛歌が読める作品です。一生の中でいちどは読みたい、名作。

 

6.つめたいよるに(江國香織、新潮社)
江國香織の恋愛小説、ひとつは入れたいな~と思っていろいろ迷った結果、こちら……。読んだことある方からは「恋愛小説集じゃないやんけ!」と怒られそうですが、あえて『つめたいよるに』を推したいっ。江國香織による珠玉の短編集。
江國香織の目線は、結婚前の男女が出会って恋をすることだけが「恋愛」じゃないよね、というやさしいあたたかさがあるんです。関わりの数だけ関係性のグラデーションはあるもんだから、たとえば犬相手でも、幼女相手でも、おばあちゃん相手でも、だれかを想う気持ちは「恋」のようなものである……気がしてくるんですよね、この短編集を読むと。冬の夜に、心をあたためたいあなたにおすすめです。

 

7.恋しくて(村上春樹選・文藝春秋社)
というわけで、「恋バナのネタに!」というコンセプトがぶれぶれな今回のセレクトですが(結局おすすめのラブストーリー列挙になってしまったよ)、最後は「素直に恋っていいよね!!」と思わせてくれる恋愛小説アンソロジーでどうぞ。
『恋しくて』は村上春樹が「いろんなレベルのラブ・ストーリー」を海外の短編小説からセレクトして訳し、おまけに自分の新作恋愛短編小説まで書き下ろしたというなかなか豪華な短編集! 一作品ごとに村上春樹が解説を加えているのも、なおよし。わりと読後感としては良質でささやかで、素直にあーいいなぁと思う。世紀の泣ける純愛ラブ・ストーリーにはお腹いっぱいだぜという方、ぜひ。

 

***

 

なんかここまで書いてきて思ったんですが、恋愛小説・漫画のセレクトって……照れますね……!? 私は結構今照れています。しかしもう天狼院書店に発注してしまったもんで、仕方なく恥をしのんで書きました。はは。

というわけで、今回セレクトした本たちは、なんと「京都天狼院」ですべてお買い求め頂けるようになってします!

ラブ・ストーリーを久しぶりに堪能したくなったそこのあなた。ぜひ京都天狼院にいらしてくださいっ。
そして私とクリスマス前の恋バナでもしましょう!
こたつもあって店内はあたたかい! 冬にふらりと立ち寄るのにぴったりの京都天狼院にて、お待ちしております~~~っ。

それでは、これから寒い冬がやってきますが……読書で心だけでも温めていきましょうねっ。
おそまつさまでした!

 

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【天狼院書店とは?】

天狼院書店が提供するのは、「READING LIFE」という新しいライフスタイル。「本」だけでなく、その先にある「体験」までを提供する次世代型書店です。2013年9月26日、1号店となる天狼院書店「東京天狼院」をオープン。その後、2015年9月26日に天狼院書店「福岡天狼院」(福岡天神)、2017年1月27日に天狼院書店「京都天狼院」(京都祇園)、さらに2017年8月26日には天狼院書店「池袋駅前点」をオープンいたしました。
「天狼院のゼミ」をはじめ「部活」や「ファナティック読書会」など、様々な「体験」を提供しています。

 

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