【恥ずかしい話】私、とんでもないものを発見してしまった。《海鈴のアイデア帳》
天狼院スタッフ海鈴です。
わたくし、とんでもないものを発見しました。
それは、夏の風物詩(?)であり、誰もが一度はその存在に頭を悩ませる強大な敵でもあり、
そう―――
中学生時代の読書感想文である。
今、こうして天狼院で働くことになるとは、当時の私からすると思いもしなかったことですが、私のルーツはやっぱり子供時代にあるんだなあと、最近すごく感じます。
そんな時に、中学生時代の読書感想文が、数年の時を超え、このタイミングで再び陽の目を浴びることになったのには、必ず何か意味があると思うんです。
中学一年生の私は、いったい何を考えて、何に共感していたのか。
と、いうことで。せっかくですから、恥を忍んで、当時13歳の私が感じていたことを、ここに記したいと思います。
あー、変な汗出てきた。(笑)
題材とした本は、『リズム』(著:森絵都)です。
『自分のリズム』 作:当時13歳の海鈴
「おれのリズム。まわりの音なんて関係ない、おれだけのリズムをとりもどすんだ。」
そう言って、さゆきにスティックを手わたした、真ちゃん。本をパタリと閉じてからも、しばらくこの言葉が頭のどこかに引っかかっているような気がしました。同時に、自分だけのリズムをとることができることに素晴らしさを感じました。
私が、この言葉がなかなか頭からはなれなかったのは、きっと私もさゆきのように、自分だけのリズムがとれていなかったからだと思いました。もっと毎日にきちんと計画を立て目標を持ち過ごしていればいいのかもしれない、という気持ちが、頭のどこかすみに浮かび上がっていたからなのだと思います。
実際、私はあまり計画性がなく、ふだんから手間のかかることや面倒臭いことは後回しにしてしまいます。結果、余裕がなくなり、最後にあたふたして大変な思いをするということが、これまでに何度もあったように思います。「これじゃ駄目だ。計画を立てて、余裕を持って行動したい。」と思っても、やっぱり同じことの繰り返しでした。
でも、さっきの言葉があったから、この本を読む前より自分が変わったような気がしました。これからは、もっと計画を立てて目標を持っていこう、という気持ちを、自分が変わったように強く思うようになったからだと思います。
さゆきも、自分の周りで色々なことが起きて、リズムが分からなくなってしまいました。でも、最後には自分のリズムをとり戻し、前向きに進んでいくことが出来たようです。あの言葉が力をくれたのだと思います。
「植物のいいところはね、光にむかってのびていくところよ。」
先生の言ったこの言葉も、さっきと同じように頭の中に残りました。さゆきの言った、
「考えなくても、自分の好きなもののことくらいわかるじゃない。」
という言葉は、正にその通りだと深く考えさせられました。植物は、誰かが教えたわけでもないのに、太陽に向かってぐんぐん伸びていきます。雨の日も、蛍光灯の光にはまどわされず、ただ太陽の方を向いています。それが当たり前だと思っていましたが、言われてみればそれはとてもすごいことなのだなと感心しました。小さいながらも太陽だけは見失わない植物を見習いたいです。
植物も人間と同じで、好きなことには太陽に伸びていくようにまっすぐ進むのではないかと思います。私も、植物のように目標に向かってしっかり伸びていければいいなと思いました。
「海ってさ、夕焼けに染まるとパーッてオレンジ色になるんだよねぇ。そんなの見たのってずっと昔だから、わすれちゃった、どんな色か。」
さゆきのお姉さんが言った何気ない一言も、何故か私の心の中に残っていました。私は、海に行くことはありますが、夕焼けを見たのはここ数年間ずっとありませんでした。でもその海は、今まで見た海の中で一番きれいなもので、まだ映像が浮かび上がってきます。
今年、私はとてもきれいな星空を見ました。山の方に行った時、空を見上げると天の川と数えきれない星が見えました。これも今までに見たことのない星空で、心をうばわれました。もう、空が星で埋めつくされそうなほどでした。
たくさんの自然を見て、地球に生まれて良かったと思いました。まだこの世界には、不思議なこと・面白いこと・きれいなものがもっとあります。これからの人生で、それらのものをたくさん見つけていければいいなと思いました。
この本から得たものは、「計画を立てて生活していくこと」「目標に向かってまっすぐに伸びていくこと」「これからの人生で素敵だと思えるものを見つけること」です。あまり意識しなかったことも、この本のおかげで気付くことが出来たことに感謝したいです。
おばあちゃんの言った「つーくんふと」、未来は真っ白だとありましたが、私も真っ白だからこそ、自分で好きなように変えていけるのでいいな、と思いました。一日一日を大切に、目標を持ちながら過ごしていって、私もさゆきのようにこれからも自分のリズムをしっかりしていきたいです。
もし、また自分のリズムが分からなくなったら、この本の言葉を思い出して、そして目標をもって生活していきたいです。そうすれば、自然と自分の中に、またリズムを取りもどすことが出来るのではないかな、と思います。
この本から得ることの出来たことを、いつまでも心の中にとどめておきたいです。そして、いつまでも自分のリズムを保っていけるよう頑張りたいと思いました。
あーあーあー。とうとう載せちゃったよ。恥ずかしくないふりしてめちゃくちゃ恥ずかしいですよ。(笑)
作文内に変な箇所があったとしても、当時の私に免じてどうかお許しください。
当時13歳のピュアピュアな私の作文を読み終えて、私、まず、笑っちゃいました。
だって、私がいま大事にしていることと、まったく同じことを言ってるんですもん。
タイトルからして、すでに、今の私が必要としていることの的を射ています。
「自分のリズム」ねぇ。上手いこと言うじゃないの、13歳の私。
今の私は、13歳の何にも知らない狭い世界で生きていた時とは違って、いろんなことに挑戦してきたし、いろんな困難にもぶつかってきました。
でも、13歳は13歳なりに、狭い世界の中で精一杯生きてたんです。中学校では、誰と誰が付き合った・別れただのいう話が飛び交い、次々やってくる定期テストにおびえながら、放課後部活でクタクタになりながらも、友達と帰るとつい話が盛り上がって帰りが遅くなったり・・・。今思えば、本当にくだらないけれど、小さなことで誰かと笑いあい、小さなことで悩んだり、感情の振れ幅が豊かだったなあと思います。
中学生の時なんて、その先の未来像とか、将来自分がどうなっているのか、全然見えない状態。だって、そもそもの経験値からくる情報がないんですもん。だからこそ、中学生の時は、今その瞬間を必死に生きて、必死に何かをつかもうと、アンテナを張り巡らしていたような気がするのです。
夏の匂いとか、あの時聴いた音楽、蝉の声と共に日が暮れていくあの何とも言えない切なさ、憧れの友達に抱いた嫉妬。
世界に触れる一つ一つの感覚が、もっと研ぎ澄まされていて、もっと生々しくて。あの頃は、なんて生命力に満ち溢れていたんだろう、そう思います。
でも、やっぱり、人って本質的にはぜんぜん変わらないものだなあとも思うんです。だって、現に13歳の私の感じたことは、今の私も痛切に感じていることなのですから。
中学生当時から大好きだった、『ハチミツとクローバー』での花本先生のセリフに、こんなものがあったことを、たった今思い出しました。
『子供が子供なのは
大人が何でもわかってるって思ってるところだ
――ったく 大人になったくらいで何が変わるよ?
せーぜー腰が痛くなったり
駅の階段で息切れする位だ』
あの頃読んでいても、へぇ、そんなもんか、としか思わなかったこのセリフが、今になって、少し分かったような気がします。
どこまで行っても、死ぬまで、私は「わたし」な訳で。
それだったら、年齢とか、経験に依らず、今の私が「中学生の頃の私のように、生命力に溢れて生きたい」って思ったら、そう生きれるはずなのです。
年齢のせいなのではなく、要は、気持ちの問題。
そう考えれば、きっとまた私はあの頃の私のように、世界はもっとキラキラ見えて、私はその一瞬一瞬を必死に生きていけるのです。
これからも、13歳の時のようなピュアな私のまま、私のフィルターで切り取った世界を、天狼院で伝え続けます。
ありがとう、13歳の私。
またこれからも、時々ひょっこり顔出して、私の背中を押してね。
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