READING LIFE

映画「昼顔」を観に行こうか迷った主婦に、手に取ってほしい雑誌がある。「人生を変える」雑誌『READING LIFE』予約受付開始!《2017年6月17日(土)発売/東京・福岡・京都店舗予約・通販申し込みページ》


記事:中村美香

「ねえ、ドラマのさ『昼顔』見てた?」
「え? ああ、見たり見なかったりだけど、少しは見たよ」
ママ友に聞かれて、ドキッとした。

今から3年前の、木曜午後10時の枠でやっていたそのドラマは、上戸彩という、有名な女優が主演という条件を持ってしても、リビングで、堂々とは見づらいドラマだった。

ちょうど、子どもを寝かしつけ終わって、リビングに戻れる時間ではあった。
だけど、夫が早めに帰ってきていれば、子どもを寝かしつけた後、一緒にリビングに戻ってくるから見づらい。
あるいは、帰りが遅ければ、こっそりつけたドラマの途中に帰ってくるから、急いでテレビを消すか、偶然、つけたらやっていたという雰囲気をつくるしかなかった。
堂々と、HDに録画すれば、なんのことはなかったのだと思うけれど、夫にさえ、それを見ていることを、いや、見たいという気持ちさえ、気づかれたくなかった。
しかしながら、「見たいという気持ち」は、私に中に、確かにあって、放送が終わった後に、やっぱり見ればよかったと思っていたのだ。
だからといって、DVDをレンタルする勇気もなく、月日は流れていった。

今年6月10日から公開されている、映画『昼顔』の話から、その前作にあたる、同じ題名のドラマについての話をママ友にされて、当時の後ろめたい気持ちが思い出されたのだった。

ドラマは、ひとことで言えば、“平凡な主婦が、ある事件をきっかけに知り合った高校の教師と、禁断の恋に落ちる話”だった。

「私は、見ていたけどさ、結構すごかったよね! 映画もちょっと気になるよ」
「そうだね。だけど、あんなにきれいな平凡な主婦はいないよね」
「確かに」
「それに、そんな簡単に、人って、不倫とかしないでしょ?」
「いや、そうでもないよ」
「え? 身近にいる?」
「うん、いるよ」

ママ友の話によると、知り合いの中に、パート先の店長と不倫して、離婚した人がいるということだった。

「子どもはいたの?」
「うん。子どもは、旦那さんに残して、出て行ったみたいだよ。だけど、今も、結構近くに住んでるみたい」
「へーそうなんだ!」

ドラマの中の上戸彩演じる主婦には、子どもはいない。
子どもがいると、もっとややこしいことになるのだろうな……。

「他にも何人か、話聞くよ」
「えーそうなの? 私の周りにはいないけど……あ!」

そう言えば、私が子どもの頃、友だちのお母さんが、家を出て行ったという話を聞いたことがあった。
私の母が、近所のおばさんと立ち話をしていたのを、こっそり聞いて得た情報によると、自動車教習所の教官と友だちのお母さんが不倫関係になり、離婚したらしいと知ったのだった。
「この前、あそこの奥さん、子どもと外で会ってる姿がさ、いかにもこっそりって感じで、子どもが可哀そうだったわよ」
噂好きの近所のおばさんがそう言っていたのを、ふと、思い出した。

あの子のママもそうだったっけ?
同級生のママの顔が浮かんだ。
あ、あれは、違った。くも膜下出血で亡くなったんだった。心臓発作でママが亡くなったという同級生もいたな。

中年女性というのは、「不倫」というアクシデントにも、「突然死」というアクシデントにも、合う確率が一定数はある年齢なんだと、改めて感じた。

私が、約1年前に、天狼院書店と出合ってから、いや、正確には、天狼院書店のライティング・ゼミ・プロフェッショナルコースに入ってからと言った方がいいかもしれないけれど、今までの人生の中で、あまり、口にしたこともなければ、思い浮かべたことも少ない言葉を、日常的に聞くことになった。

それは、「背徳」「不倫」「エロ」という言葉だった。

ライティング・ゼミ・プロフェッショナルコースでは、天狼院書店の店主であり、講師でもある三浦さんが用意してくれたカリキュラムに沿いながらも、その場の空気感で、ゼミの内容が流動的に変わることがあった。どちらかというと、その方が多かったかもしれない。

あれは確か、通信で受講していた私が、家族にわがままを言って、日曜の夜に、初めて、東京天狼院の店舗で講義を受講した時のことだった。

今まで、画面でしか見られなかった講義が、目の前でリアルに繰り広げられていて、ワクワクした。明らかに私は興奮していた。
そのためか、いつにも増して、饒舌になった。
だから、あんなことまで、つい、話してしまったのかもしれない……。

「自分はそう思っているけれど、世の中では一般的にそう思われていないんじゃないか? と思うことって、実際に口にしてみると、『私もそう思ってた』って言われることってあるかもしれないですね。フェチみたいなものとか……」
そんな感じの話を受講生の誰かがしたのをきっかけに、「実は、私は、こうです」ということを発表し合おうという告白大会が始まった。

そして、私は、その独特の空気感から、ずっと気になりながら言えていなかったある悩みについて告白したのだった。

「私は、エロい記事が書けないんです」
思い切って言うと、場がシーンとなった。
やはり、まずかったか! そう思った時、三浦さんが笑ってくれて、みんなも笑った。
「え? 別にエロじゃなくていいよ」
「だけど、エロがうまく書けたら、たくさんの人に読んでもらえるかもしれないじゃないですか? だから、書いてみようと思うんですが、うまく書けないから、自分にコンプレックスがあるんじゃないかと悩んでるんです」
「満たされているから、気持ちが平坦なんじゃない? だから、欲求がないのかもしれないよ」
私のくだらない質問に、真面目に答えてくれてありがたかった。
だけど、なんだか、自分の気持ちを正確には伝えられていない気がして、もどかしかった。
不安だったけれど、続けてみた。
「満ち足りているというよりは、どちらかというと、罪悪感とか、嫌悪感みたいなものがあって……だけど、それって、エロが好きじゃないのか? それとも、本当は、欲求としてあるのに、抑えているのか、よくわからないんですよ」
「なるほど! 欲求があるのに、抑えている人ってBLとかに行きやすいかもしれないね」
話は、コミケの話に移っていった。
そうか、だけど、私は、BL「ボーイズラブ」には、今のところ興味はない。

そのうちに、「背徳感」に話が移っていった。

「背徳感に惹かれるってなんだろう?」
「本当はやりたいけど、理性的にダメと思っているものに惹かれるってことじゃないかな」
「宗教とか、ルールとか、正義がはっきりしていると、それを破ってしまったことへの後ろ暗さとか、罪悪感が生じるけれど、実は、それ自体が欲求なんじゃないかな?」
目の前を、活発に意見が飛び交っていた。
私には、その時、そういった言葉自体を、自由に使い、話し合えるこの場が、輝いて見えた。
それに比べて、私は、本来持っているはずの、本能的なものに対して、それこそ、後ろめたさがあるのか、口にすることもできない……。
それについてコンプレックスがあると言ってみた。
「確かに、この場は、怨念とか、背徳感とか、普通なら、あまりよくないとされるものを『いいね!』っていう普通じゃない場所かもしれないね!」
場が湧いて、講義は続いていった。

本当に、伝えたかったものがなんだったのか? 自分さえよくわからなくなっていた。けれど、その時の講義をきっかけに、頻繁に、店舗受講させてもらうことになり、だんだんと、そういった「本能的なもの」に対しての議論に慣れて行ったし、よく見えないままの、しかし、確かにある、自分の中の「欲望」のようなものを意識するようになった。

ライティング・ゼミ・プロフェッショナルコースでは、1週間に1回、5000字の記事を出すことになっていた。
みんな、とても文章がうまくて、面白かった。
自分の熱量を表現するのと同時に、読者を楽しませようとする工夫や気持ちが感じられた。
特に、福岡天狼院でこのゼミを受講している仲間は、とても、セクシーな記事を書く人が多かった。
そこ、かしこに、「背徳」「不倫」「エロ」が、美しく描かれているものだから、すうっと心に入ってきて、それらが、とても身近に感じるようになった。

振り返ってみると、今まで、私は、「~したい」と思うよりも「~すべき」と考え、行動することが多かった。
親の躾が、とりたてて厳しかったわけではないと思うけれど、「しっかりしていなければならない」「勉強ができなければならない」「正しい行いをしなければならない」という強い思いに囚われていた。
最近、そういった「完璧にしろ」「満足させろ」「努力しろ」「強くなれ」「急げ」という強制が、“そうするならば生存してよい”という「拮抗禁止令」というもので、“努力し続けることが自分の証明だ”と思い込んでいる場合もあると知った。

思い当たり、胸が痛かった。だけど、親のせいには、したくない。
言葉なのか、態度なのか、環境なのか、はたまた、私自身の気質なのかは、はっきりしないけれど、「~すべき」を探し続けてきた結果、自分の中の「~したい」の気持ちがわからなくなってしまったのは事実だった。

その重い扉を、私は、この1年をかけて、少しずつ、こじ開けてきた気がするのだ。

私の中にも、「欲望」がある。
それは、人間として、当たり前のことなんだ。
自分の中の「欲望」を認めたって、生きていていいんだ……。

「ある」と知ってしまったら、もう「ない」ことにはできない。

そうかといって、私は、「不倫」をしたいわけではない。
だけど、「不倫」を全否定していた気持ちから、そういうこともあるんだろうという気持ちに変わってはきた。

愛してはいけない人を愛してしまうこと……。
それは、「そんなものはない」と言い切ってしまうよりは、ずっと多く、この世に存在しているし、例え、社会のルールや正義といったものに反していたとしても、その気持ちそのものは、誰にも責められるものではないのかもしれない。

そうかといって、現実には、やはり、許されないことの方が多い。
「ある」と知ったとしても、現実の自分の世界には、あまり現れてほしくないし、穏やかに暮らしたい。
その気持ちが強い時、それらが表現されたドラマや、映画や、小説を通して、自分の中に確かに存在するその「欲望」は、癒されるのかもしれない。

さあ、では、映画館に「昼顔」を観に行こうか!

そう思って、やはり、まだ、足がすくむ。
それを観に行く「私」を、認めないもうひとりの「私」がまだ、引き留めている。

では、どうしようか……。

あ、あの雑誌だ! あの雑誌が発売されるんだ!

6月17日(土)に発売される雑誌『READING LIFE』は、3つの特集記事によって構成されている。
特集1 「本」の再定義
特集2 博多美人はなぜ美人なのか?
特集3 世界都市『京都』を楽しみ、『京都』を学ぶ

それぞれ、天狼院書店の店主の三浦さんを初め、スタッフ、お客さんが、どうしたら、面白くなるだろうと妥協せずに作っていたから、1ページ1ページから受けるメッセージが半端なく濃いのだ!

なぜ、それを発売前に知っているのかというと、私もその制作の過程を、間近で見せてもらえる立場にいたからだった。
編集部員として、編集会議に何度か参加させてもらっていたのだ。

この雑誌には、特集以外にも、様々な企みがあって、読者の欲望に揺さぶりをかけてくる。

全部カラーで、いろいろな写真がたくさん載っているけれど、女性の美しいセクシーな写真も多く、主婦の私でもドキドキしている。
「背徳」「不倫」「エロ」をテーマにした小説も載っている。

3000部作られて、東京、福岡、京都のそれぞれの天狼院書店で売られる。
通信でも販売される。
ただいま、予約受付中だ。

これなら……映画館に行くよりも、敷居が少し低いかもしれない。

この、雑誌『READING LIFE』には“人生を変える雑誌”というコンセプトがある。
1ページ1ページから受けるメッセージを、読者ひとりひとりの感性で、自由に受け取ってほしい。
心が動いた時に、自分の中にある「欲望」や「可能性」に気がついたり、あるいは、行動したくなるはずだ。

私たち、主婦は、そうでない立場の人から見ると、気楽に見えるかもしれないけれど、知らず知らずのうちに、自分を犠牲にして、自分の中の「欲望」をなかったことにしていることが、少なからずある。

映画館に行く前に、この雑誌『READING LIFE』を手に取ってみることで、自分の中の「欲望」に気づくかもしれないし、あるいは、改めて、このままでいいと、心から思えるかもしれない。
とにかく、美しい雑誌だから、できるだけ、多くの人に、手に取ってほしい!
雑誌『READING LIFE』の存在を知った、主婦のひとりとして、そう思う。

【雑誌『READING LIFE』予約する際の注意と通信販売について】

いつもありがとうございます。雑誌『READING LIFE』副編集長の川代でございます。
『READING LIFE』は3,000部作りますが、発売日にお渡しできる分の数に限りがございます。確実に手に入れたい方はご予約をおすすめ致します。初回限定特典として、ご予約先着順にて、雑誌『READING LIFE創刊号』(2160円相当)を差し上げます。この創刊号のお渡しは、なくなり次第終了となります。ご了承ください。
また、万が一予約が殺到した場合、予約順でのお渡しとなりますのでご了承くださいませ。

店頭、お電話、メール、下の問い合わせフォーム、Facebookメッセージなど、あらゆる方法で予約受付致します。

 雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
6月17日(土)19時から東京天狼院、福岡天狼院、京都天狼院各店にて発売開始・予約順のお渡し

今回は通信販売も同時に受付開始します。通販での受付も予約受付順の発送となります。PayPalでの決済完了時間が予約受付時間となります。
通信販売の場合、送料・手数料として500円別途頂きますが、その代わりに天狼院書店でご利用頂ける「コーヒーチケット(360円相当)」をおつけしますので、店舗に来る際に、ぜひ、天狼院でご利用頂ければと思います。
通信販売分は、発売日より、予約順に順次発送致します。

《一般先行予約》*雑誌『READING LIFE創刊号』つき
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税





《通販先行予約》*雑誌『READING LIFE創刊号』つき
雑誌『READING LIFE2017夏号』2,000円+税
送料・手数料 500円(*360円相当コーヒーチケットつき)
発売日から予約順の発送





 

【東京・福岡・京都 6/17(土)】雑誌『READING LIFE』2017夏号、発売記念パーティ!どなた様も大歓迎!ここでしか聴けない雑誌の見どころ・制作の裏話も!《お食事付き/フリードリンクも選べます》《雑誌『READING LIFE2017夏号』予約受付中!》

 

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