【三宅のはんなり出版レポvol.5】本の出版ってどんなふうに進むの? 原稿の直し方や進行状況をぜんぶ公開してみた!!!
こんにちは! 京都スタッフ三宅です。
2017年9月29日に、本を出版します!
9月22日から、全国の天狼院書店にて先行販売!!
詳しくはこちらから。WEB天狼院の記事「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」から生まれた、
全200冊の本を紹介する書評本です!
読むと本屋に行きたくなる、本が読みたくなる、読書の秋にぴったりな本になってます。本の詳細はライツ社のホームページでご覧下さいませ!
出版裏話を語るシリーズ第五回。
本日は「すべてが文字になる」というお話です。
……某・森博嗣先生のパクリというわけではありませんよ。
本当に、すべてが、(本の印刷された)文字になるのです!!!
どういうことかと申し上げますと。「はんなり出版レポ」五回目は、
私の書いた文字(@Word)が、印刷された文字(@本)になるまで、どのような工程を経ているのか?
という全工程を、こちらの陽の下に晒したいと思います!!!!
ぜんぶです。まじで、ぜんぶ。
一緒に本を出すような気持ちで読んで頂ければ幸いです。
さあ、三宅の出版クロニクル、いってみましょう!
*登場人物*
三宅(筆者):はじめて本を出版する二十三歳大学院生。基本的に動きが遅い。
大塚さん(出版社の編集者さん):にこやかな笑顔と編集技術を駆使する担当編集者さん。出版社ライツ社さんの敏腕社長。メガネがよく似合うのですが、私が締切を破るたびにその瞳の奥が笑ってないのではないかと恐怖してました……(しかし大塚さんは変わらず笑顔)。
***
①「はじめに」を書く
おそらく本を出す工程にも様々あるのでしょうが、私の場合は、まず大塚さん(編集担当さん)から「『はじめに』を書いてきてください」という指令を受けました(得体の知れない私の文章の雰囲気を見たかったんだと思います……)。
のんきな私は「まえがきか~どうしようかな~るるる~♪」くらいのテンションでいたのですが、締切直前になっても、いまいち、いい文章が思いつかない。困った。
と、いう時に読んだ『アフターダーク』に、いいエピソードがあるではないですか! 「これだぁ!」と、ようやく書き始める三宅。なんという行き当たりばったり人生。
ちなみにこちら↓が大塚さんに提出した「はじめに」のファイル更新日時。いかに締切ぎりぎり人生なのか伺える時間帯でございます。
この「はじめに」の文章はcakes連載の第一回に掲載されております。ぜひ!
今読むと、ちょっと文章が幼い気がして笑えます。
②選書指令を受ける
次は「人生を狂わせる」50冊を選んでみましょ! というミッション。ブログは「20選」だったため、あと30冊足さなくてはならないのです。
実はこの時選んだ50冊……今の本に載ってる50冊とラインナップがすこし違うんですよね。
はい、こちら実際に大塚さんに提出した選書リストの一部なのですが、今となってはリストに載っていない『薬指の標本』や『すばらしい新世界』『アンナ・カレーニナ』が載っています。結局、私が選書リストのバランスやら何やらの関係で、書評原稿を書いてるうちに選抜落ちさせてしまった本たちです(泣)。いつかどっかで書評できるといいな。
ちなみにこれらの代わりに選抜入った本たちは……うん、どの本か当ててみてください。
③案外、がっつり文章書くことになってうろたえる
「三宅さん案外文章書けるっぽいので、書いちゃいましょう!」というノリのいいご提案を大塚さんからうけた三宅。ま、まじですか。
実は今回の本、実際できあがったものは文字がっつりページ数がっつりの本ですが、最初の企画段階では「本の写真+ひとこと」を主とするはずだったんですよねぇ。
なので、私はそんなに文章を書く予定もなく、本を選んで、ひとことずつコメント添えるくらいかな~と思っていました。
しかしそんな期待を裏切り、大塚さんが「こんな感じの構成にしようと思ってます!」と言って渡して下さった紙がこちら。↓
文字数、2600字×25回 + 1800字×25回 ??? ひぇっ、文章がっつりじゃないですか!!
正直、書く側の私はいいのですが、そんなに読者さんが私の文章読んでくださるのだろうかと怯えておりました(今も怯えてます……)。
まぁ、実際は2600字以内で済まない書評がいっぱいあったんですけどね。なぜ!
④書いて提出⇒担当さんに直してもらう
というわけで締切をかっちり守れず「すいませんすいません」と頭を下げながら大塚さんにメールで提出する三宅。本当に申し訳ない……。
提出したのはふつうのワードファイル。この時「~VS~」等のコンセプトも一緒に出しました。これは『こころ』の書評(微妙なところでスミマセン)。
↓↓ で、こちら、大塚さんが直してくださったもの! ↓↓
いやー感動しました~。私、学校の論文は先生に添削して頂くんですが、こうやって普通に書いてる文章を直してもらったのってはじめてだったんですよね。わ~い赤いっぱい入れてくださってる、嬉しいっ(という大学院で鍛えられたマゾ思想)。お忙しいのにありがたすぎる。
自分の文章を書いた後、その一部をつなげたり消したりして整える作業が私は割と好きなので(昔の自分の脳みそを切り刻んでるような快感がある)、大塚さんが色々直してくださった文章を、自分でこの後直す作業を楽しみにしておりました。
が!! 三宅の試練は、実はここからなのでした……。
⑤自分で直す
自分の文章を直すの、最初はよかったんですよ。楽しかった。いえーい、ざくざく切り刻んでやるぜ、とわくわくしながら直してたんです。
が!!!
四章くらいの文章を直したところで、痛烈に感じたのです。
……わ、私の文章、しんどい……!!!!!!
いやまじでしんどい。きつい。――なんということでしょう、私の身の上には【私の文章に飽きてしんどい】という現象が起きていました。
皆さんご存知でしたか、ずーっと自分の文章を見て「こっちを消して、こう直して、ああでもなんか言い方ヘン、どうしよ」とか考えてると、人は自分の文章に飽きてくるのですよ!
当時の日記には「これが終わったら文体の再構築を図ろうとしみじみ決心する。もうポエム文体はまっぴらである」という文章が残っています。うーむ、今なお再構築は達成できていないぞ、私。
しかしやらねば終わらない。粛々と五十章ぶんを直していきました。
なんだかんだ楽しかったんですけどね。締切があるってのはありがたいことです。
↑こころのやつ。――で消してあるのは私が消したところ。このへんざっくり削った。
あと、訂正ではなく「まるまる書き直し」の章もあったんですが、そっちの方が一から考えられるぶん楽しかったな。
⑥提出⇒返ってくる⇒直して最終版+「次の本三冊」を入れる
このへんで大塚さん一家に第二子となる娘さんが誕生されたと知り、「ひょえっ、そんなご家族の一大事の時に!」とひたすら恐縮する三宅。いつもありがとうございます。娘さんにも将来読んで頂ける本になるといいなぁ。
そんなわけでまた原稿を直し(このへんになると原稿もすっきり。うれしい♪ ↑)、「次のおすすめ本3冊」の紹介も入れました。
この次の三冊っていうのも割と曲者で、その本を読んだあとに読むと面白い、かつ、私が人に勧めたいくらいには面白い本……というのが案外なくて困ったんですよね。
ぜんぶ選んでそれぞれにおすすめ文を書き終わったあとは「も、もう何も体から出てこない」という気分になりました。絞りきられた歯磨き粉チューブの気分……。
cakes連載本文には載っていない「次の本」もがんばって選んだので、ぜひ読んでやってくださーい!
⑦手書き部分、あとがき等の作業(思ったより色々あった)
こうなるともう本体の原稿は一段落し、手書き部分やら何やらを送ったり、あとがきを書いたりという細々した作業段階になりました。
「あとがき書く時とか感慨深いだろうなー」と思ってました……ところがどっこい、あとがきも迷う迷う。
書き出しを何パターンか書いてみるものの、気に入らず。「うえーん、あとがきくらいすんなり書けてくれよ自分!」と自分に泣きつきながら試行錯誤しておりました……が、このへんで有川先生から帯文を頂けるとの報告を頂きまして!!! 嬉しすぎてやる気になった私(単純)。
そんなこんなで、なんとかあとがきも無事終えたのでした。
⑧ゲラ原稿になってやってくる!
ワードですべて提出していた原稿が、「ゲラ」になってやってきました~~!
実はこれ、お盆の時期だったので実家(帰省中だった)に送ってもらったんですよ。しかし、数ヶ月ぶりに帰ってきた娘に突如送られてきた分厚い封筒を見て、「え、出版って本当だったのね……?」と怪訝な顔をする両親。を、横目に作業する私。こたつ机で作業してたら原稿が実家の犬に踏んづけられたこともありました(そもそも床に置くなという話)。ちなみにうちの犬は三島由紀夫評を踏んづけていきました……。
こちらがゲラ原稿!! Wordファイルが紙のゲラ原稿になると、一気に「本になる!」って感じしますよね。嬉しかったな。
改めて「紙」で自分の原稿を見ると、「いらねぇこの部分!」と凶暴な気持ちになること幾数回。がんがん昔の自分の文章を消していくのが楽しかった。
↑この段階になって死ぬほど直されるまえがきの『アフターダーク』部分。不憫。
そういえば、このゲラ原稿たちをライツ社さんに送ったのに届いてない!? と冷や汗かいたハプニングもありました。焦った……。結局ちゃんと届いたのでよかったです。
⑨訂正版のゲラ原稿をさらに直す
今回は「本の本」ということで、やっぱり本からの引用箇所が多いのですが、その引用が間違ってないかどうかを確かめる作業が、案外たいへんでした……。ていうか引用箇所のページ数メモしとけよっ昔の私!!!
↑ここまで来ると『こころ』書評原稿もすっきり♪ よかったよかった。
この作業中に「ブログ記事が本になります!」と私からFacebookやらなんやらで各方面へお伝えしたところ、沢山の方から「おめでとう!」って言って頂けて、「そうか出版って『おめでとう』って言ってもらえる案件なのか……」と驚きました。そりゃそうか。ありがたいことです。しかしおめでとうと言ってもらう裏で、私は引用箇所の誤字をひたすらチェックしていたのでした(遠い目)。
↑ゲラに貼り付けられた大塚さんの気遣いを見てください。プロの編集者さんの気遣いを見た瞬間ですね。ありがとうございます……!
⑩か、完成~~~!
というわけで色々やってきた作業も一段落!
こうして、書いたものすべてが、本の文字になって印刷されてくる!! はず!!!
こっからは前の号でお伝えした通り、このへんで表紙のイラストが送られてきたり、本屋さんに営業へ行ったり、cakes連載が始まったりしました。
ひとりでも多くの方に本が届いてくれますように!!!
***
結局①~⑩まで、出版のお話を頂いたのが一月末で、発売日が九月末でした。振り返ってみると、最初から最後まで大塚さんにはご迷惑をおかけした記憶しかない。申し訳ないです。今後ともよろしくお願いします(平身低頭)。
でもどの作業もほんとに楽しかったな! 文章を書いたり直したりするのはいつでも楽しい。
しかしっ、振り返ってばかりもいられない!! 発売はこれからです!!!!
9月22日、全国の天狼院書店にて先行販売です。
読んでくださってる皆様、ぜひ天狼院書店でお買い求めくださいませ~~~~!!!!
思いのほか長いレポになってしまいました、すみません。
少しでも出版の裏側を楽しんでいただけたら幸いです!
☆cakesで▼京大院生が選んだ「人生を狂わす」名著50連載中!
☆更新情報はTwitterアカウント@m3_mykからフォローして頂けると嬉しいです。
2017年9月29日に、本を出版します!
9月22日から、全国の天狼院書店にて先行販売!!
詳しくはこちらから。WEB天狼院の記事「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」から生まれた、
全200冊の本を紹介する書評本です!
読むと本屋に行きたくなる、本が読みたくなる、読書の秋にぴったりな本になってます。本の詳細はライツ社のホームページでご覧下さいませ!
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