天狼院通信

天狼院的「長篠の戦い」《天狼院通信》


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「長篠の戦い」については、おそらく、多くの方がご存知でしょう。

織田信長が、当時最強とうたわれた「武田の騎馬隊」を鉄砲を三段構えにして、ほとんど壊滅させてしまった合戦です。

あれ、結果論的にいえば、「最新の技術を取り入れ、最新の兵法を取り入れた、信長の比類なき天才性が発揮された戦い」なぞというふうになろうかと思いますが、実際は、違ったのではないかと思うのです。

武田の騎馬隊のほとんどは「職業軍人」です。

「プロの軍人」です。
その「プロの軍人」の中でも、日本屈指の練度を誇っていたのが、彼らだったと思います。様々な戦闘経験があって、超強力な戦闘力を持っていた。

ところが、新興の織田信長の兵隊たちは、精強な武田軍とは違って、当時、弱いことで有名だった。なにせ「百姓」が中心だったので、あの戦いは、

「プロの軍人」VS「副業の軍人(ほぼ百姓)」

という図式だったのではないでしょうか。

まともに渡り合えば、ほぼほぼ信長に勝ち目はない。

数を揃えたとしても、まさに「一騎当千」の「プロの軍人」にかかれば、ひとたまりもなく、やられてしまうに違いありません。しかも、百姓が副業で、というより、半ば強制的に徴兵されて連れて来られているんで、モチベーションも、高いはずがない。

練度も士気も低い、ほぼ百姓たちに、とりあえず、軍装をさせたものの、到底、これで勝てるはずもない。

たとえ、信玄が死んで、子どもの勝頼の時代になっていたとしても、信玄時代の重臣たち、上杉謙信と好勝負を繰り広げていた軍隊は、まだ健在でした。

きっと、普通にやっては、絶対に勝てないという考えがあったからこそ、信長は鉄砲の三段構えの戦術で何とかしようと思った。

たぶん、苦肉の策だったのだろうと思います、本当は。

本当は、華々しく、プロの軍人を前に押し立てて、鶴翼の陣とかで堂々と渡り合いたいじゃないですか、戦国武将としては。
しかし、信長には、そんなリソースがそもそもなかった。

ま、リソースがなかったからこそ、今川義元を打ちとった「桶狭間の戦い」やこの「長篠の戦い」などで、正攻法ではない「奇策」を用いて、なんとか、勝ち上がってきた。

いや、勝ち上がってきた、というより、なんとか、生き残ってきた。

また、小さな家の出だったために、武田家のようなキラ星のごとき重臣たちがいなかった。

それだから、身分を気にする余裕がなく、優秀だとみるや、百姓の秀吉とかも重宝したんだろうと思います。

そう、重宝せざるをえない状況だったんだと思います、単純に。

結果的には、これが功を奏することになります。

もっとも、京都の近く、という地政学的な優位点は否定できませんが、しかし、この「いつもピンチ」「いつも枯渇」の状況が、戦史を変えるような戦法を生み、人材登用を生んだんだと思います。

 

我が天狼院も、実は、当時の織田信長の状況にとても似ているんですね。

はい、「いつもピンチ」で「いつも枯渇」が天狼院の代名詞でもありました。

だから、つねに「奇策」を用いなければなりませんでした。

大手のような堂々たる陣容があるわけでも、歴戦の家老がいるわけでも、大きな資産があるわけでもなかったので、正攻法では、勝てないんですね。
勝てないどころが、生き残ることもできなかったでしょう。

つまり、これまで天狼院がやってきたことは、圧倒的な攻めと見せかけた、徹底した防衛戦争であって、誰がどう言おうとも、生き残るために、日々、非力な全軍で必死に戦ってきただけのことでした。

 

僕は、この状況をいつまでも忘れてはだめなんだと思うのです。

ただ、僕らには、いまでも小さいですが、今よりはるか小さなときより、分不相応な大きな夢を抱いてきました。

途方もなく、大きな夢があったからこそ、非力な天狼院は、こうして荒波の中を生き残ってこられたのだと思います。

 

これからも、必死の戦いは続くのだろうと思います。

生き残るために、「奇策」を用いながら、転びながら、泥だらけになりながら、戦い続けるのだろうと思います。

そのうちに、いつしか、「最強の軍団」とよばれる日が来るのやもしれません。

 

「天下布武」の印を、信長が用いたのは、たしか、岐阜に入った頃だったでしょうか。

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2016-02-14 | Posted in 天狼院通信

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